佐野SAストライキ 経営陣が新規融資凍結を認めた決定的瞬間《動画独占入手》

文春オンライン / 2019年8月28日 16時30分

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商品が搬入されなくなったため、店頭からはは陳列棚が撤去された ©文藝春秋 

 東北道・佐野サービスエリア(上り線)のフードコート、売店がストライキに突入してから2週間余り。運営会社「ケイセイ・フーズ」の岸敏夫社長(61)と労働組合は対立を深めている。

 現在、経営陣と労組で争点のひとつとなっているのは、親会社がメインバンクからの融資を凍結されている事実をケイセイ・フーズ経営陣が否定していることだ。「週刊文春デジタル」は7月20日に行われた岸社長同席の労使交渉の動画を入手した。そこにはケイセイ・フーズ経営陣が融資凍結の事実を認める、決定的瞬間がおさめられていた。

新規融資凍結で売店から商品が消えた

 労組は、8月13日に実質的な解雇を言い渡された加藤正樹元総務部長(45)と支配人I氏の正式な解雇撤回に加え、“経営状態の正常化”を要求し、8月14日にストライキへ突入した。ケイセイ・フーズの親会社である片柳建設への新規融資が凍結されたことで、現在は正常な経営状態になく、安心できる状態に戻してほしい、と主張している。

 実際、新規融資凍結処分が原因で現場は混乱に陥っていた。加藤氏が語る。

「新規融資凍結の話が取引業者の間で広まり、未払いを恐れた業者が商品の納入をしなくなった。8月上旬には倉庫や売店からほとんどの商品が消えました。商品が納入されないと、売り上げがたちません。従業員の給料も支払われなくなる可能性もあり、現場は不安一色でした」(加藤氏)

経営陣と労働組合は真っ向から対立

 8月18日、ケイセイ・フーズはストライキへの見解を記した「事情のご説明」を報道各社に送付している。そこで、ケイセイ経営陣は親会社への新規融資凍結を否定している。

《加藤氏がいう「新規融資凍結処分」が何を指すのかはよくわかりませんが、弊社の関連会社がメーンバンクからの借入れの返済を遅延したり、又は、借換えの申入れを拒絶されたりしたことはありません。このような意味において、弊社の関連し会社がメーンバンクから「新規融資凍結処分」を受けたとの事実はありません。》(※原文ママ)

 しかし7月20日の労使交渉の席で岸社長、会長、監査役は新規融資凍結を認めている。それを証明するのがこの動画なのだ。

 この映像の通り、ケイセイ・フーズの監査役Y氏は「それ(新規融資凍結)は事実なので、ただ今、それを正常化するように努力している。私のほうにも〇〇銀行から依頼ありましたので」と明言している。

  第1弾記事 で書いたように、週刊文春デジタルは、ケイセイ・フーズに対し、新規融資凍結の有無を含め加藤氏の証言について事実確認を求めた。岸敏夫社長は書面で「今回の一連の事態についての報道には、前提となる事実を誤認していると思われるものが数多く見受けられ」るとし、「現時点において、ご質問についてご回答差し上げることはご容赦いただきたく、悪しからずご容赦ください」と回答している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春)

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