美智子さま「乳がん手術」の舞台裏 プロ中のプロで組まれた「医療チーム」の実態

文春オンライン / 2019年10月7日 5時30分

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美智子さま ©JMPA

「高橋美佐男上皇侍従次長の会見で、予後は良好だと報告がありました。美智子さまは入院中から台風15号のニュースをご覧になり、ご自身の体調よりも被害を案じていらしたそうです」(皇室担当記者)

 4時間に及ぶ乳がんの手術を無事終え、9月10日に退院された美智子さま(84)。成功の背景には万全の態勢があった。

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 いまや日本人女性の11人に1人が患うという乳がん。美智子さまは毎年定期的に受けてきた乳腺検診で左胸に腫瘍が見つかった。ステージⅠの早期乳がんで、病変1センチに対し直径5センチを摘出する乳房温存術での手術となった。湘南記念病院の乳がんセンター長・土井卓子医師によると、

「早期がんを見つけるには、医師側の技術よりも、検査を定期的に受けて頂いているかが大事。定期的に見ていれば病変にいち早く気づけます。美智子さまのように毎年検診を受けているのはとても理想的なのです」

 早期発見とは言え、今回の手術に当たって万全の“美智子さまシフト”が敷かれたのは言うまでもない。15年以上美智子さまの乳がん検診を担当し、がんを発見した静岡県立静岡がんセンターの乳腺センター長・高橋かおる医師を中心に、4つの病院が協力する大チームが組まれていた。

「執刀は、手術が行われた東大病院と高橋先生の静岡がんセンターの合同医療チームで行われましたが、事前に宮内庁病院で針生検を行い、8月18日にはがん研有明病院でも検査をしています。高橋先生はもちろん、針生検を行った植松孝悦先生もプロ中のプロとして有名。太い針を罹患部にさして細胞組織を出す針生検は、新人だと30分はかかりますが、植松先生にかかれば4~5分で終わるそうです」(前出・記者)

美智子さまの今後の治療は?

 検査後に開かれたのが美智子さま用の“特別カンファレンス”ともいえる、静岡がんセンターでの「キャンサーボード」だった。

「外科医や放射線科医、病理医、看護師などが横断的に集まって治療について議論する会議がキャンサーボードです。治療方針に検討すべき箇所がある場合に開き、患者の全身のバランスを見て適切な治療ができるようにするのです。美智子さまの場合、ご年齢に加え6月には心臓の弁に異常が見つかっています。通常、乳房温存術は術後の放射線治療がセットですが、高齢だったり心臓病があったりする場合には省略し、代わりに余裕を持って切除を行うなどの対処をします。美智子さまのお体に合わせた治療の検討は執刀医だけではできないので、会議が行われたのでしょう」(前出・土井氏)

 美智子さまはホルモン受容体を持つ種類の乳がんと見られ、今後ホルモン治療が検討されている。

「日本人の乳がんのうち約6割はこの種類で、ホルモン治療が有効とされています。1日1錠の服薬で副作用もほぼなく、再発や反対側の乳房の罹患を抑制する効果があります」(同前)

 美智子さまは退院後、「早く引っ越しを進めたい」とも仰っているとのこと。元気なお姿で高輪へお引っ越しされることを祈りたい。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年9月26日号)

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