雅子さまオンオフ着回しの“国民感覚” 1カ月に3つの地方公務を果たされた「1泊2日」メソッドとは

文春オンライン / 2019年10月5日 5時30分

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茨城県ご訪問のため、お召し列車で出発される天皇皇后両陛下 ©時事通信社

 9月28日から29日、天皇皇后両陛下は国体の総合開会式に臨席されるため、茨城県を訪問された。両陛下は往路と復路ともに、車体に菊の紋章が入った「お召し列車」に乗車された。これは即位後初めてのことだ。

 ロイヤルブルーのスーツをお召しになった雅子さまのお足元は、同じくブルーがアクセントにあしらわれたバイカラーパンプスで、愛知県ご訪問などでお召しになっていた細いヒールのパンプスと近いデザインだ。クラッチバッグも同じ配色で、キリッと締まった装いだった。

「お召し列車」が上野駅に停車した時、起こったこと

 JR東京駅を出発される時や、JR日立駅でお見送りを受けられる時などに、両陛下が立ち上がった姿勢のままホームの人々へ笑顔を向けられている場面が報じられた。往路の上野駅では着席されていて、雅子さまのご負担を考慮されてのことだったのかもしれない。

「お召し列車」は上野駅に約1分間停車したが、その間、両陛下はずっと笑顔で手を振られた。偶然、隣の線路に止まった在来線の車両の中から両陛下に気付き、驚いて手を振る乗客たちにも、体ごとそちらのほうを向かれてにこやかに手を振られていた。

 両陛下は車内でご昼食をとられたという。JR勝田駅に到着されると、午後には国体開会式へ臨席された。上皇さまから引き継がれた地方公務の一つで、上皇さまのご負担軽減で2009年以降なくなっていたおことばが復活。陛下は「この大会に参加する皆さんの中から、来年の東京オリンピックにおいて活躍する選手が数多く誕生することを期待しております」と述べられた。

ラグビー日本代表の勝利に「素晴らしいことですね」

 この日の夜、ご宿泊先の水戸市内のホテルで国体の役員懇談会が行われ、両陛下は関係者らと懇談された。雅子さまも出席されて、襟のデザインがモダンなアイボリーのジャケットが目を引いた。ラグビーの日本代表がアイルランドに勝利したという知らせを受けて、陛下は「素晴らしいことですね」と話されたという。「アナウンスされたラグビーワールドカップにおける日本チームの勝利もうれしい知らせでした」という感想も発表された。

 2日目、両陛下は卓球競技を観戦された。雅子さまはグレーのパンツスーツをお召しになり、スポーティな印象。ウミウ捕獲場や森林総合研究所林木育種センターを視察された後、帰路につかれた。

1泊2日、1県のみの地方ご訪問

 この9月、両陛下は秋田県、新潟県、茨城県へと1カ月で3つの地方公務を果たされた。いずれも、1泊2日の日程で1県のみを訪れられている。上皇ご夫妻の場合は2泊3日以上の日程が多く、被災地お見舞いなどのため、他県へ足を運ばれることもあった。

 1泊2日のご日程は、雅子さまのご体調への配慮が大きな理由だと思われる。両陛下は、訪れた場所で出会う人々とできるだけじっくり交流するスタイルを考えられているのではないだろうか。例えば茨城県ご訪問の初日、JR勝田駅に到着された両陛下が、集まった多くの人々の前に姿を見せられたのは予定よりも5分早かったという。沿道の人波は途切れることがなく、ゆっくりと走行する車両から、両陛下は歓迎に応えられていたようだ。

仕事とプライベートの両方で着回しできるアイテムを

 令和の時代に、両陛下はより国民感覚に近い在りようを考えられているのではないかと拝察している。近ごろの雅子さまのファッションからも、気が付いたことがあった。

 9月8日、全国豊かな海づくり大会の式典行事に臨席された時、雅子さまがお召しになっていたマリンブルーのノーカラージャケットは、2015年夏に須崎御用邸での静養に入られる際に伊豆急下田駅でお召しになっていたものと同じようだった。

 式典ではホワイトのスカートとお帽子を合わせられることで、フォーマルな場にふさわしい雰囲気に。伊豆急下田駅ではパンツを合わせられていて、長女・愛子さまもご一緒でリラックスされたご様子だった。仕事の場面とプライベートに近い場面の両方で、着回しができるアイテムを取り入れられるというのは、とても一般的な感覚に近いように思ったのだ。

「あなたが注目している女性皇族」1位は……

「婦人公論」(2019年10月8日号)の読者アンケートで、「あなたが注目している女性皇族はどなたですか?」という質問に対して、1位が雅子さま(56%)、2位が愛子さま(23%)、3位が美智子さま(10%)という結果が掲載されていた。雅子さまと愛子さまのお二方で約8割を占めていることに驚いた。「令和の皇室で関心があることは?」の1位は「雅子さまのご体調や外交手腕」だった。

 女性皇族は、皇室と国民をつなぐ強力なメッセンジャーともいえる存在だが、国民の意識や感覚と大きくずれていては、何も伝わらないものだろう。長期療養中の雅子さまだが、皇后陛下になられてからのご活動に注目が集まるのは、今後はそういった役割を果たされるのでは、という期待があるからなのかもしれない。

 10月22日には、「即位礼正殿の儀」や祝賀パレードとともに、内外の賓客を招く「饗宴(きょうえん)の儀」が予定されている。昨年政府は、「饗宴の儀」を平成の代替わりに伴う前回の7回から4回に減らし、そのうち2回は立食形式にすることを決めた。儀式の簡素化と両陛下のご負担を軽減するためだという。

 冒頭の茨城県ご訪問の初日は、愛子さまの学習院女子高等科最後の運動会の日でもあった。10月22日を前に、雅子さまは皇后陛下として着実に歩みを進められている。

(佐藤 あさ子)

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