小泉進次郎環境相 “幽霊会社”に高額発注で政治資金4300万円を支出

文春オンライン / 2019年12月25日 16時0分

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小泉環境相 ©文藝春秋

 小泉進次郎環境相(38)の資金管理団体「泉進会」および、小泉氏が代表をつとめる「自由民主党神奈川県第11選挙区支部」から4300万円以上の政治資金が、実態のない“幽霊会社”に支出されていることが「週刊文春」の取材でわかった。税金を原資とする政党交付金も支出されており、小泉環境相の説明が求められそうだ。

「泉進会」と「第11選挙区支部」の政治資金収支報告書を「週刊文春」が調査したところ、両団体からエムズクリエ(以下エムズ社)に対し、 2012年から2018年までで ポスター代や印刷代などの名目として約4300万円が支出されていた。

 小泉氏のポスターに〈印刷者〉として記載されているエムズ社の住所は、千葉県野田市。「週刊文春」取材班がこの住所を訪れると、そこには一軒家が建っていた。エムズ社の表札などはなく、世帯主としてM氏の名前が掲げられているだけ。周辺にも印刷工場はなかった。地方法務局に問い合わせたが、エムズ社の法人登記はされていなかった。  

 M氏の知人によると、「M氏は長年B社という老舗の印刷会社に勤める営業マン。永田町担当でしたが、すでに退職している」という。

 B社の社長が取材に応じ、次のように答えた、

「元々ウチは純一郎さんの代から小泉事務所と取引していました。そのときからMは小泉事務所の担当でした。エムズ社の名前は聞いたことはないが、そもそもBは営業担当だからポスターのデザインや製作なんてできない」

 さらに、続けてB社の社長は「個人で請け負っている割には受注額が高すぎるように感じる」と指摘する。たとえば2017年の衆院選における支出。「選挙運動用ポスター印刷」1200枚分としてその代金116万円が計上されている。

「ポスター1200枚であればせいぜい30~40万円が相場です。腕のいいデザイナーを使って高く見積もっても70~80万円。なぜ小泉事務所は幽霊会社にわざわざ相場より高い値段で発注しているのか。もしかしたら、発注額のうち何割かをキックバックされている可能性もあるのでは」

 また、エムズ社の下請け業者はこう明かす。

「エムズ社って何もしていないですよ。うちの会社みたいなところに全部投げて、手数料をとっていくだけ」

当事者のM氏を直撃すると……

 エムズ社のM氏を直撃した。

――エムズ社は法人登記していない?

「法人登記というより、個人事業主として登録していて、税務申告も毎年しています。小泉事務所サイドからは『株式会社じゃないとダメだよ』と言われましたが」

――実際の製作は外注している?

「看板、たすき、街宣車は同じ会社に発注していて、ポスターは別の会社にお願いしている。まあ昔風に言えば、ブローカーってやつだね」

――受注額が相場より高いと言われているが?

「選挙はキワモノなんです。高いか安いかは、お客さんの判断です」

 飄々と取材に応じていたM氏だが、記者が「キックバックはしていないのか?」と尋ねると、語気を強めて、こう答えた。

「そういうことは一切していない」

 このエムズ社への約4300万円の支出には、税金を原資とする政党交付金が支出されている。「第11選挙区支部」の現在閲覧できる2014年~2018年の「政党交付金使途等報告書」を調べると、エムズ社への支出のうち、約9割(約1200万円)が、税金を原資とする政党交付金から拠出されているのだ。

 なぜ、小泉事務所は、実態のない会社に巨額の発注をするのか。キックバックはないのか。質問状を送ったが、期限までに回答はなかった。

 政治資金に詳しい神戸学院大学教授の上脇博之氏はこう指摘する。

「エムズ社への支出額には、血税が原資となる多額の政党交付金が含まれています。この異常に高額の税金が登記されていない幽霊会社に流れていることは、政治資金の適切な使い方とは到底いえない。キックバックなどの疑いをもたれても仕方ない状況を自ら招いている。きちんと説明するべきです」

 実は、小泉環境相の不明朗な政治資金の支出はこれだけではない。「週刊文春」12月26日(木)発売号では、交際していた人妻実業家との「不倫ホテル代」を政治資金から支払っていた問題、4度の衆院選で約3600万円の余剰金が消えている問題など、総額約8000万円となる小泉氏の政治資金に関する疑惑を6ページにわたり報じている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年1月2・9日号)

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