「男はつらいよ」でも存在感……なぜ吉岡秀隆は巨匠たちに可愛がられるのか

文春オンライン / 2020年1月12日 11時0分

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隣は後藤久美子、前列は山田監督 ©共同通信社

 山田洋次監督の『男はつらいよ』。シリーズ50周年を迎えた2019年末、第50作『男はつらいよ お帰り 寅さん』が封切られた。

「主演の渥美清さんが96年に他界。翌年公開の第49作を最後に途絶えていたが、22年ぶりに蘇った。エンドロールが流れると拍手を送るオールドファンの姿も目立つ」(映画記者)

 今作では寅さんは過去作品の場面を利用し、回想シーンで登場。おいちゃん(下條正巳)やタコ社長(太宰久雄)といったレギュラー陣もなき今、寅さんの甥・満男役として24回目の出演となる吉岡秀隆(49)が物語の展開を担っている。

「恒例の冒頭の夢のシーンも、寅さんに代わり満男が務めている。寅さんの妹、さくら(倍賞千恵子・78)、その夫の博(前田吟・75)は健在だし、マドンナ役最多5回の浅丘ルリ子(79)も出演。吉岡の元恋人役だった後藤久美子(45)も23年ぶりに女優復帰し花を添えているが、今も寅さんがそこにいるかのような映画にしたのは、間違いなく吉岡の存在感」(同前)

吉岡が巨匠に可愛がられてきた理由

 吉岡は5歳で子役デビューの芸歴45年目。9歳の時に高倉健主演の『遙かなる山の呼び声』(80年)で山田監督に見出され、翌年『男はつらいよ』第27作に初登場。一方、倉本聰脚本のドラマ『北の国から』(81年~ フジ系)でも名子役ぶりを発揮。まさに日本中がその成長を見守ってきた存在だ。2006年に『ALWAYS 三丁目の夕日』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞してからは、名実ともにトップ俳優の仲間入り。

「髪を掻きむしりながら思い悩むシーンに代表されるような、切なくて心に響く演技が持ち味。それが、昭和のノスタルジー溢れる作品にピッタリはまり、山田監督、倉本氏、黒澤明監督ら巨匠に可愛がられてきた理由でもある。『Dr.コトー診療所』(フジ系)などシリーズ化作品が多いのも俳優としての価値を上げている。出演作は年1~2本程度。福山雅治、西島秀俊、木村拓哉、竹野内豊ら大物揃いの同世代男優の中でも、ちょっと“特別感”のある存在」(映画関係者)

 私生活では02年、『北の国から 2002遺言』で共演した内田有紀と結婚したが3年後に離婚。その後は浮いた噂もない。

「オフはもっぱら、撮影で縁のできた北海道で過ごしているという。オンとオフを峻別していた渥美さんと重なるところもあるが、今年は役所広司主演の大作『峠 最後のサムライ』など3本の映画の公開が控えており、露出が増えるでしょう」(芸能デスク)

 満男、見上げたもんだよ屋根屋のふんどし。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年1月16日号)

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