“三密”クイズ番組「99人の壁」はどう“逆境”を跳ね返したか――てれびのスキマ「テレビ健康診断」

文春オンライン / 2020年6月20日 17時0分

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番組MCの佐藤二朗 ©AFLO

「この番組が一番“超逆境”じゃないか」

 司会の佐藤二朗がそう苦笑いするのが『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』(フジテレビ)だ。約3ヶ月ぶりの放送となる2時間スペシャルの冒頭は、お詫びのテロップから始まった。「人数が不足した場合、『解答権のないエキストラ』を番組に参加させていました」と。この事実が報じられて以降、しばらく放送がなかったため、打ち切りも噂されていた。その裏ではコロナ禍で収録ができない状況をなんとか打破しようとスタッフはもがいていたのだ。何しろ、この番組は挑戦者に対して99人が“壁”=ブロッカーとなる“三密”の権化のようなクイズ番組。この休止期間、「100人が同じシステムの中に入る」「タイムラグがない」「それぞれが家でボタンを押すとMC・佐藤二朗のいるスタジオで解答音が鳴る」といった理想を技術スタッフに伝え、解答者がリモートで参加できる独自の早押しアプリを開発したという(「マイナビニュース」20年6月6日)。コロナ収束後も様々な形で活用できそうなシステムだ。

 今回は、99人の東大生が自宅からリモートで“壁”になった。モニターに99人の顔が並ぶのもまた壮観だ。だが、リモート収録ゆえ、どうしても回線が切れてしまうことがある。

「人数にはちょっと神経質になっているんで……」

 佐藤がそう言うと、画面上部の「東大生99人をやっつけろ!」というテロップが「97人」など正確な人数にその都度変更された。

 この日、挑戦したのは「気象予報士」の資格も持つジャニーズアイドル・阿部亮平(Snow Man)や東大を「日本で2番目の大学」と罵る京大出身の芸人・宇治原史規(ロザン)、芸能界随一の動物知識のある柴田英嗣(アンタッチャブル)ら。中でも番組を盛り上げたのは、昨年もジャンル「花」で挑戦し、第4ステージまで勝ち進んだみやぞん(ANZEN漫才)。花屋で働いていたため驚くほど「花」に詳しい。「花だけの知識ならジャイアントキリングができるかも」と佐藤が言うように、自分の得意なジャンルで挑戦できるため、番狂わせが起きるのがこの番組の魅力だ。もっともみやぞんは「ジャイアントキリング?」と意味がわかっていなかったが。

 鬼門だった第4ステージを突破し、いよいよ2問先取で100万円獲得となるファイナルステージに。だが、1問目を壁に取られ崖っぷちに立たされた。けれど、みやぞんは力強く言うのだ。

「崖っぷちのほうが人間粘ります。こうやって(手をばたつかせ)もがきます!」

 その言葉は奇しくもこの番組自体を形容しているようだった。逆境でもがきながら新たな可能性を見出そうとしている。

『超逆境クイズバトル!!  99人の壁』
フジテレビ系
https://www.fujitv.co.jp/99wall/

(てれびのスキマ/週刊文春 2020年6月25日号)

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