“賭けマージャン”なぜ大甘処分になったのか 黒川弘務氏と検察が恐れる審査会

文春オンライン / 2020年7月20日 6時0分

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3年間毎月賭けても「常習性なし」 ©共同通信社

 検事総長人事にも波及した前代未聞の身内の不祥事に、検察組織が出した結論は“大甘”なものだった。

 コロナ禍の緊急事態宣言中に賭けマージャンをしていたという 「週刊文春」(5月28日号) 報道 を受け、東京高検検事長を辞任した黒川弘務氏(63)。その後、常習賭博、単純賭博、収賄容疑で刑事告発されたが、東京地検は7月10日、単純賭博について犯罪行為を認めた上で罪に問わない「起訴猶予」とした。

 司法記者が解説する。

「地検は黒川氏らが4月13日~5月13日に計4回、新聞記者ら3人と、1000点を100円に換算する『テンピン』のレートで賭けマージャンをしたことについて、賭博罪は成立すると判断。しかし、『賭け金は多額ではない』『処分を受けて辞職している』などとして不起訴にした。通常、検察は不起訴理由を詳しく説明しないが、今回はわざわざ記者会見を開いて不十分ながら説明をしました。こうした対応は、森友問題で佐川宣寿・元国税庁長官らを不起訴にした時以来で、後ろめたさがあったのでしょう」

 不起訴が報じられると、「検察幹部の犯罪なのに、悪質性が低いわけがない」「テンピンを不起訴にするなら、違法な賭けマージャンを堂々とできてしまう」などの非難の声が上がった。

 法曹関係者は「黒川氏は約3年前から月1~2回、賭けマージャンをしていたと認定されており、その常習性からも略式起訴して罰金刑という選択もあった。それをしなかったのは、黒川氏が今後、弁護士登録がしやすくなるよう、前科をつけないようにしたと思われても仕方がない」と話す。

市民団体が検察審査会に申し立て――黒川氏はどうなる?

 また、このタイミングでの発表については、

「7月中に検事総長が稲田伸夫氏から林眞琴・東京高検検事長に交代するので、不祥事を新体制に持ち越さないよう、稲田氏が泥をかぶったという構図が見え見えです」(前出・司法記者)

 加えて東京地検は6月25日、秘書が有権者に香典を配ったなどとして公職選挙法違反容疑で告発された自民党の菅原一秀・前経産相(58)も同じく不起訴処分(起訴猶予)としている。

「身内や国会議員の相次ぐ不起訴に『上級国民へのひいき』『強きを助け、弱きをくじく』との声が高まりつつある」(前出・法曹関係者)

 ただ、黒川氏の問題はこれで幕引きではない。

「13日、市民団体が不起訴処分について検察審査会に審査を申し立てました。一般市民によって構成される審査会が2度『起訴相当』と判断すれば、黒川氏は強制起訴されて法廷で裁かれることになる。検察はそれを警戒している」(同前)

 国民は誰も「甘い判断」に納得していないはずだ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年7月23日号)

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