天皇陛下60歳に ハーバード大卒業式、外務省時代に通訳を……雅子さまのキャリアに光を当てた特別展――2020上半期BEST5

文春オンライン / 2020年8月11日 11時0分

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2020年、天皇陛下お誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

2020年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。皇室部門の第3位は、こちら!(初公開日 2020年2月23日)。

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 2月23日、天皇陛下は60歳の誕生日を迎えられた。誕生日を前にした記者会見では、「還暦」について、このように述べられた。

「即位の年齢については、歴代天皇の中では、より高齢で即位された天皇もおられますが、還暦を迎えるのに当たっては、もう還暦ではなく、まだ還暦という思いでおります」

 また、皇后陛下となられた雅子さまのご活動やご体調については、「近くで見ていると、とてもよく頑張っていると思いますが、決して無理をすることなく、これからもできることを一つ一つ着実に積み重ねていってほしいと思います。また、即位以来、忙しい日々を送る中でも、私や愛子にもいろいろと細かく心を配り、活動を支えてくれており、公私にわたり良き相談相手となってくれています。私も今後とも、できる限り雅子の力になり、支えていきたいと思っております」と述べられた。

特別展「令和の御代を迎えて」

 天皇陛下の即位を記念した特別展「令和の御代を迎えて」が皇居・東御苑の宮内庁三の丸尚蔵館で行われている。2月10日に両陛下は会場を訪れられ、雅子さまは春らしさを感じさせるメイクと装いだった。クールなトーンの中で、ブラウスの柄がパッと明るい印象を与えている。陛下のお誕生日に際してのご近影と同じお召し物のようで、特に気に入られているのかもしれない。

 この特別展には、即位に関する一連の儀式の様子と、それに伴って製作された調度品が多数展示されている。また、両陛下の幼少の頃からの写真やゆかりの品々も展示され、実物を見ることができる。

 実際に足を運んでみると、訪れた人が両陛下のお人柄に触れることができるような構成となっていて、お二人のカラーがはっきりと打ち出されていたように感じた。特に印象的だったのは、雅子さまのキャリアに光が当てられていたことだ。

図録には外務省時代の写真が

 まず天皇陛下の幼少の頃から青年になられるまでを紹介するコーナーでは、陛下の学習院初等科時代のランドセルが展示され、これは上皇さまがお使いになられた品をお譲りいただいたものなのだという。あわせて、陛下に授与されたイギリス・オックスフォード大学名誉法学博士号の学位記や、真紅のガウンも見ることができた。

 さらに先へ進むと、雅子さまの幼少期の写真とともにアメリカ・ハーバード大学の卒業式やオックスフォード大学ベーリオールコレッジご留学の写真が紹介されていた。図録には、外務省で勤務されていた当時、ベーカー米国務長官が来日した際に、通訳を務める雅子さまの写真が掲載されている。

 ご婚約発表後、ハーバード大学時代の友人らから贈られた椅子も展示されていた。これは、ハーバード大学在学中に学生寮でお使いになっていた備品の椅子と同型のもので、ハーバード大学の紋章とともに、雅子さまのお名前と卒業年次が彫られているという。

 陛下の学習院大学文学部史学科の卒業論文(「中世瀬戸内海水運の一考察」、展示されていた別表にはブルーの万年筆で書かれたと思われる、細やかな字が記されている)とともに、雅子さまのハーバード大学経済学部の卒業論文(「輸入価格ショックへの対外調整:日本の貿易における石油」)が展示されていたことも印象に残った。同じ展示ケースの中には辞書が2冊展示されていて、特にネイビーの「The Concise Oxford Dictionary」は長年愛用されたためか、よく使い込まれた様子で驚いた。雅子さまの辞書は、留学中などに使われたものだという。

 こうして展示された品々からは、雅子さまご自身が海外での経験を大切に思われていることを示すと同時に、昨年の誕生日会見で述べられた「国際的な取組など本人だからできるような取組」を陛下が後押しされるお気持ちが伝わってくるようだった。

 陛下の水に関するご研究についてのご著書や、登山に関連して陛下が寄稿された「岳人」、「山と渓谷」などの登山雑誌も展示されていて、愛子さまもご一緒に「山の日」記念式典に臨席された後、上高地を散策されたことを思い出した。

 会場出入り口付近には、両陛下の書が飾られていた。陛下の学習院高等科3年生の時の書き初めと、2006年の歌会始(お題「笑み」)に詠進されたお歌を題材に制作された雅子さまの書が飾られていて、その筆跡はどちらも見事だった。雅子さまは、長期療養中も月次歌会のためのお歌を継続して提出されていたようだと関係者から聞いたことがある。

 特別展「令和の御代を迎えて」は、前半の会期が2月8日から3月12日まで、後半は3月14日から4月12日の期間で、展示品は入れ替えられるという。会場で販売されている図録には、写真のキャプションや即位関係の主な儀式の説明などに細かく英訳が付されている。両陛下の歩みを知るうえで貴重な資料の一つになるだろう。

イギリスご訪問、愛子さまの大学進学を控えられて

 今年の新年行事を終えられた後も雅子さまのお出ましは続いている。1月25日、ご一家で大相撲1月場所をご観覧になった際は、愛子さまのベビーピンクのワンピースと、雅子さまの和服、陛下のネクタイの色の調和がとれていて、ご家族の関係性が伝わってくるようだった。

 小さい頃は相撲好きとして知られた愛子さまは、約13年ぶりに大相撲を観戦されたという。愛子さまはまず陛下に何かをお尋ねになって、陛下が後方に向かって手で「どうぞ」というジェスチャーをなさると、後列に座っている八角理事長に愛子さまがご自身で質問をなさったり、ミニバッグからペンを取り出され、取組の勝敗がわかるとメモをとられたりする微笑ましい場面もあった。

 今年の4月には、両陛下のイギリスご訪問や愛子さまの学習院大学文学部日本語日本文学科へのご進学など、ご一家にとって大きな行事が控えている。雅子さまがメッセージを込められる装いにも、注目が集まるだろう。

(佐藤 あさ子)

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