血だまりの中に倒れていた男女…「川崎のイケメン税理士」を殺した「無職女性29歳」の“ストーカー愛”

文春オンライン / 2020年11月17日 6時0分

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白井さんが殺害されたマンション

 東急田園都市線・溝の口駅近くの閑静な住宅街。10月29日朝、その真新しいマンションに険しい顔をした警察官や救急隊員らが続々と入っていった。

「やがて『こっちは意識がある』という声が聞こえ、1人目がまずストレッチャーで運ばれていきました。2人目の方が男性で、白いシャツにスラックス姿、フォーマルな靴下を履いていて、出勤前か、仕事から帰宅した後のような格好でした」(マンションの住民)
◆◆◆

「娘がトラブルから彼を殺(あや)めてしまった――」

 発端はその日の午前8時前、無職・高橋舞(29)の母親から寄せられた110番通報。“彼”と呼ばれた男性が、川崎市高津区の現場マンションに住む税理士の白井僚(つかさ)さん(35)だった。

「高橋は犯行後、妹にも連絡をしていたようで、母親の前に20代の女性からも『男女が自殺したようだ』と119番通報があった」(社会部記者)

 白井さんの部屋に警察官らが駆け付けた際、2人は夥しい血溜まりの中に倒れていたという。腹部を刺されていた白井さんは、搬送先の病院で死亡が確認された。高橋は右手指に切り傷を負って出血していたものの、命に別状はなし。10月30日夜、殺人と住居侵入の容疑で通常逮捕となった。

「殺害時刻は10月28日夜から29日の朝方頃の間。凶器とみられる血の付いた刃物は室内から見つかっている」(捜査関係者)

「僚くんも困っていたと聞いています」

 高橋は白井さんの「交際相手」と報じられたが、前出の住民はこう振り返る。

「事件のひと月ほど前、白井さんと挨拶を交わしましたが、その時は女子大生くらいの若い女の人と一緒でした。ニュースで見た容疑者とは別人でしたね」

 一方で、白井さんの友人の一人が打ち明ける。

「僚くんはイケメンでしたけど、女性関係が派手だった印象はありません。人から恨まれるタイプじゃないし、本当に優しい男なんです。犯人の女性はストーカーみたいになっていたそうで、僚くんも困っていたと聞いています」

モデルの藤井リナに憧れ……

 高橋の自宅は、千葉県浦安市のUR賃貸住宅。現場から電車とバスを乗り継いで1時間半ほどの距離にある。中学時代に名古屋市から浦安市に転居し、付属高校から東海大に進学した。

 学生時代から思い詰めやすいところはあったというが、美人と評判だった高橋。モデルの藤井リナに憧れ、ファッションや美容、ダイエットにも関心を持っていた。趣味の一つがスポーツ観戦で、大学時代はサッカーサークルのマネージャーを務めていたという。

途中から供述が揺れ出した高橋

 高橋が執着した白井さんも、昔からスポーツマンだった。中学時代の友人が振り返る。

「彼とは中学の頃に横浜のサッカーのクラブチームで一緒でした。ポジションはキーパー。落ち着きがあって頭もキレる。男から見てもカッコいい人物でした」

 大手税理士法人に勤務する白井さんは、順風満帆な人生を送っていたはずだった。住まいは今年5月に完成したばかりの高級分譲マンション。一部は賃貸物件で、白井さんは1LDKの部屋を借りていた。バルコニーにはゴルフパットの練習用マットが敷かれ、海外ブランドの高級自転車も置かれていたという。

 前出の捜査関係者の話。

「高橋は当初、被害者を刺したと認めていたが、途中から供述が揺れ出し、逮捕後は『住居侵入も殺人もしていません』と完全否認に転じている」

 目の前の現実にしっかり向き合わなければ、白井さんが浮かばれない。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年11月12日号)

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