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《茨城一家殺傷》岡庭容疑者(26)は10年前に「連続通り魔」を起こした“猫殺し少年”だった

文春オンライン / 2021年5月7日 17時0分

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殺害された小林美和さん ©文藝春秋

 茨城県境町の住宅で2019年9月23日未明、小林光則さん(当時48)と妻の美和(同50)さんが何者かに刃物で刺されて殺害され、長男(同13)と次女(同11)が重軽傷を負った一家殺傷事件。茨城県警は5月7日、これまで別件で逮捕されていた埼玉県三郷市に住む無職・岡庭由征容疑者(26)を殺人容疑で逮捕した。

 岡庭容疑者は約10年前の2011年12月、当時未成年の16歳だった時に、凶悪事件の犯人として逮捕された過去があった。

逮捕まで約半年。毒ガスや爆弾製造の疑いも

 今回、殺人容疑での逮捕までは約半年の時間がかかり、捜査は慎重に進められていた。

「警察はまず岡庭の身柄の確保を最優先にしたかった。岡庭は毒ガスや爆弾を作っている疑いもあり、埼玉県警が昨年11月に突入。硫黄45キロを貯蔵し、危険物取り扱い基準に反していたとして、三郷市迷惑防止条例違反で逮捕しました。

 その後、身柄を茨城県警に移し、2月15日に警察手帳につける記章を偽造したことから公記号偽造容疑で逮捕。そして今回の逮捕へ繋がりました。昨年11月に逮捕した際のガサ入れは入念に行われました」(社会部記者)

 2020年11月19日の早朝4時半ごろ、4台ほどの護送車が岡庭容疑者の自宅周辺に停まった。うち1台には「高圧ガス」と書かれていた。午前5時47分ごろ、夜明け前の暗がりの中、30人以上の捜査員や機動隊、特殊部隊が容疑者宅前に集結し、約10分後に突入。中にはガスマスクを装着した部隊もいた。

 その5分後、上下青のチェック柄パジャマを着た岡庭容疑者が捜査員に付き添われながら自宅から出てきた。そのまま車に乗り込み、埼玉県警吉川署に向かった。

2011年には通り魔事件で逮捕「性的興奮を感じていた」

「県警は、2020年5月から内偵を進め、24時間体制で容疑者の動きを監視し続けていました。凶悪事件を起こした前歴がある岡庭は、いつ暴走するかわからない。刃物だけでなく、爆薬や毒物も所持しているという情報もあり、テロを想定した人員で早朝の確保に臨んだ。現場には爆発物処理班も待機させていた」(捜査関係者)

 岡庭容疑者が約10年前に起こした凶悪事件とは「連続少女通り魔事件」だ。当時、通信制高校に通っていた16歳の岡庭容疑者は、2011年11月18日、三郷市内で下校中の中学3年生の女子生徒に自転車で背後から近づいたのち、無言であごを包丁で突き刺した。さらに翌月1日には隣町の千葉県松戸市内にて小学2年生の女児のわき腹を複数回刺す凶行に及んだ。どちらの被害者も重傷で、岡庭容疑者との面識はなかったという。

 別の社会部記者が説明する。

「2011年の逮捕の際、岡庭は『歩いている人を殺そうと思った』と供述。家宅捜索では20本以上の刃物が押収されました。さらに裁判では『当初は殺害し、首を持ち帰ろうと思った』『女性を襲うのに性的興奮を感じていた』など常軌を逸したような証言を繰り返していました。

医療少年院を退院後、2年ほど前から名前を変えて実家暮らし

 また岡庭容疑者は、事件を起こす前には近所の簡易トイレや車に放火をしたり、猫を殺害し、生首を学校に持ち込むなどしたこともわかっています。逮捕後の精神鑑定では社会性の発達やコミュニケーションが困難な『広汎性発達障害』と診断されました。厳しい刑事処分を求める声もありましたが、さいたま家裁はこの点に注目し、刑事罰を与えるのではなく、医療少年院送致で更生を促すという判断をしました。なお、当時は岡庭容疑者の父親も、刃物などの有害玩具を息子に持たせていたことから、青少年健全育成条例違反容疑で書類送検されています」

 岡庭容疑者は医療少年院を退院した後、2年ほど前から名前を変えて、両親と共に三郷市の実家で生活していた。祖父は地元では資産家として知られており、自宅周辺には多くの親戚たちが暮らしている。

 近隣住民が語る。

祖父は地元の名士。定職につかず、ひきこもりがちな毎日

「岡庭容疑者の祖父は、事件前までは町内会の役員を務めた地元の名士だったが、事件後、役員を降りて、近所とも疎遠になりました。岡庭容疑者の自宅近くに複数の土地を持っていたが、自宅裏に所有していた広大な土地は事件後に裁判費用や賠償金の支払いのため売ってしまったようです。祖母は近所に頭を下げてまわり、以来、帽子にマスクをつけて隠れるように生活しています。

 父親は建築関係の仕事をしていましたが、今は辞めてしまいました。母親も一時期ノイローゼになるほど体調を崩していました。あれから10年が経ち、やっと事件のことも忘れることができたのに、またあの息子が問題を起こした。どこまで皆に迷惑をかけるのでしょうか」

 定職につかず、ひきこもりがちな毎日を送っていたという岡庭容疑者。近隣住民の多くは「(岡庭容疑者が)あの家に戻り、住んでいることも知らなかったし、名前を変えたことも知らなかった」「あの息子、また何かやったのか!!」などと話した。

岡庭の父親は「警察が騒ぎすぎだ」と話していた

 2020年11月19日午前6時35分、岡庭容疑者は待ち構えた報道陣に驚いた表情を見せ、埼玉県警吉川警察署へと入った。岡庭容疑者の捜査は長時間に及び、家宅捜索は翌日20日も行われた。家宅捜索では硫黄の他に、複数の刃物やフラスコ、ビーカーなどの器具も確認されている。

 11月末、岡庭の祖父は文春オンライン特集班の取材に「わからない、わからない」を繰り返し、父親は「(逮捕は)大した容疑ではないし、殺人事件なんかやったわけではない。警察が騒ぎすぎだ」と話していた。息子からは何も聞かされていなかったのだろうか――。

 裁判で明らかになった少年時代の岡庭容疑者の凶行については、 #2 で詳報する。

「また何か起こすと思った」茨城一家殺傷の岡庭容疑者(26)が「金属製ワイヤー」を隠し持っていた理由 へ続く

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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