J.Y.Parkのライバルを襲う「性接待事件」法廷では元BIGBANGメンバーの“自宅を訪れた女性”の赤裸々証言も

文春オンライン / 2021年1月3日 15時0分

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法廷を出るYGエンターテインメントの創設者で元CEOのヤン・ヒョンソク(2020年9月9日) ©AFLO

J. Y. Parkが日本市場を席巻する陰で…

 正式デビューを飾ったNiziUの快進撃が続いている。2020年12月2日発売のシングル「Step and a step」は、女性アーティストとして初週売上げ歴代2位を記録。あたかもプロデューサーJ.Y.Park氏(49)の高笑いが聞こえてくるような勢いだ。

 その一方で明暗を分けたのが、J.Y.Park氏と並び称されてきたK-POP界の大物プロデューサーであるヤン・ヒョンソク氏(50)。同月7日、ソウル地検はヤン氏に対する1500万ウォン(約140万円)の罰金刑が確定したことを発表した。容疑は、海外での賭博。韓国では国内はもちろん、海外であっても一定の要件にしたがって賭博が犯罪となる。ヤン氏は米ラスベガスのカジノに通い、計33万5460ドル(約3470万円)相当のギャンブルを行った罪に問われていた。

韓国芸能界における“史上最悪のスキャンダル”

 J. Y. Park氏と同じく自身もかつてパフォーマーだったヤン氏は、1998年に音楽事務所YGエンターテインメント(以下YG)を設立。“代表プロデューサー”としてK-POP界をリードするトップスターを次々と輩出し、J.Y.Park氏のJYPエンターテインメント(以下JYP)と人気を競い合った。例えばK-POPの女性グループというと日本ではJYPのTWICEが筆頭だが、欧米での人気はYGのBLACKPINKが優っている。

 しかしヤン氏は2019年6月、YGの「全ての職責と業務」から降りると発表。同社株式の17.32%を保有する大株主として影響力を維持しているものの、形式上はプロデューサー業も完全に引退した形だ。

 引退の前兆となったのは、YGの看板スターである男性グループBIGBANGの元メンバーを巡る不祥事。韓国で“芸能界最悪のスキャンダル”(朝鮮日報2019年3月12日)とまで騒がれた“バーニング・サン事件”がそれだ。

ドラッグ、盗撮、性接待の温床とされたクラブ

 バーニング・サンとは、ソウルの新興高級エリア・江南区にあったクラブの名前。その取締役を務めていたのが、当時BIGBANGメンバーとして最高の人気を謳歌していたV.I(30)だ。

 2018年11月に起こった暴行事件を引き金に、同クラブを舞台とするレイプドラッグの蔓延、売春斡旋、また警察との癒着といった疑惑が次々に表面化。そして2019年2月、V.Iがバーニング・サンを拠点として外国人投資家相手の“性接待”を計画していた疑惑がスクープされる。

 その接待相手として現地メディアに名指しされた“投資家”が有名な日本人女優の夫A氏だったことも、日本の芸能メディアで一時注目を集めた。

 さらに2019年3月には、V.Iほか男性アイドルや人気歌手らが性的な盗撮動画をSNSで共有していた問題も発覚。被害にあった女性は10人以上と見られ、韓国中から怒りの声が上がった。

所属アーティストの薬物問題で引退宣言

 V.Iは当初疑惑を否定していたが、盗撮問題が報じられた直後に芸能界引退を表明。その2日後、YGはV.Iとの専属契約打ち切りを発表した。

 だがYGを巡るスキャンダルの噴出は止まらず、同年5月にはヤン氏自身による“性接待”スキャンダルが浮上。2014年に東南アジアの資産家らにたびたび大勢の韓国人女性をあてがったとする疑惑が、当事者という人物の証言も交えて詳細に報じられた。

 加えてヤン氏にとって致命打となったのが、6月に発覚した新たな薬物スキャンダル。YG所属の若手男性グループiKONのリーダーB.Iが、2016年にLSDを購入した問題がリークされたのだ。

 ヤン氏が引退を宣言したのは、その発覚から2日後のこと。そして2019年8月、V.Iとともに海外で賭博を行った容疑で立件された。ただし性接待疑惑について警察は同年9~10月の時効を前に捜査を急いでいたが、証拠不十分で不起訴となっている。

軍事裁判所で裁かれているV.I

 一方のV.Iはいま、裁判の真っ最中。その過程で再び日本人“投資家”の名前が取りざたされていることが、現地メディアで伝えられている。

 2020年1月に起訴された彼は、同年3月に徴兵のため軍に入隊。これにより一連の事件が軍事裁判所に移管され、9月から京畿道の地上作戦司令部で裁判に臨むことになった。

 法廷で問われている容疑は8つ。売春とその斡旋、盗撮動画の流布(性暴力処罰法違反)、バーニング・サンの資金の横領、脱税目的でクラブを一般飲食店と偽って届け出た食品衛生法違反、海外での常習賭博とそれにともなう外国為替取引法違反などだ。ただしV.Iは、外国為替取引法違反の全ての容疑を否認している。

性接待は女優パク・ハンビョルの夫が主犯?

 2020年12月9日の4次公判では、前月の3次公判に続いて性接待に関する証人尋問が行われた。V.Iはクラブ事業などへの投資を誘致するため、2015年から2016年にかけて台湾、日本、香港などの投資家にたびたび売春を斡旋した疑いが持たれている。

 法廷ではまずV.Iの10年来の友人というP氏が証言台に立ち、性接待を指示したのはV.Iではなくユ・インソク氏(36)だと述べた。ユ氏は人気女優パク・ハンビョルの夫であり、バーニング・サンを運営していたユリ・ホールディングスの元代表。“バーニング・サン事件”に絡む売春の斡旋や横領の疑いなどで2019年5月に起訴され、容疑を一部認めている。V.I自身もかねてから「性接待を主導したのはユ氏」と主張しており、P氏の陳述もそれに沿った格好だ。

“売春行為を行った”とする女性が証言台に

 だが続いて、性接待の当事者とされる複数の女性が証人として登場。そのうちの1人は2015年9月、ソウル市麻浦区でV.Iと売春行為を行ったと述べた。女性は「V.Iの自宅だと知らなかったが、斡旋者の連絡を通じて分かった」「家に行くとV.Iがいた。代価は第三者から受け取った」「自分の家までタクシーで戻るように言われ、その費用を渡された」などの証言を行った。

 さらにこの女性は、2015年12月にもソウル市龍山区のホテルで売春行為を行ったと陳述。そしてその相手として再び名前が上がったのが、前述の日本人“投資家”A氏の一行だ。これに対してV.I側は、「有名歌手だったV.Iは経済的に不自由しておらず、投資を受ける状況ではなかった」「事業と無関係なA氏一行に売春を斡旋する理由がない」と反論している。

性的暴行で懲役の実刑判決を受けたアイドルも…

“バーニング・サン事件”ではすでに同クラブの共同代表及び従業員が薬物乱用、元警察官が不正行為の隠蔽で有罪判決を受けている。また盗撮動画の共有で名前の上がった歌手チョン・ジュニョン(31)、同じくアイドルグループFTISLANDのメンバーだったチェ・ジョンフン(30)も、それぞれ性的暴行の罪で懲役5年、同2年6カ月の実刑判決が確定した。

 一方で中心人物とされたV.Iの追及がなかなか進展せず、現地メディアが苛立ちを見せてきた経緯がある。事件から数年が経過し、警察は証拠の確保に苦心していたようだ。だがようやく進み始めた軍での裁判で、性接待の経緯が少しずつ具体化する気配を見せている。法廷でその真相が明らかになる日を待ちたい。

(高月 靖/Webオリジナル(特集班))

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