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第7世代の“ド真ん中”四千頭身がぶっちゃけた「実は言うほど手応えはなくて…」 リアルな本音と今後の不安

文春オンライン / 2021年2月17日 11時0分

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四千頭身の3人。左から都築拓紀、後藤拓実、石橋遼大

 昨今、お笑い界でその姿を見ない日はない「第7世代」と呼ばれるニュージェネレーションの芸人たち。これまでのお笑いの「常識」とは一線を画す新たな波は、もはや留まるところを知らない勢いだ。そんな中、世代で最も若手にも関わらず、ネタ、ロケ、トークとあらゆるバラエティ番組で存在感を見せているのが四千頭身の3人だ。

 結成からわずか5年目、3人ともが20代前半という超若手トリオは、なぜこれほどの活躍を続けることができているのか。そのブレイクの秘密を探ってみるべく話を聞いてみると、当人たちの捉え方は意外と違っているようで――。(全2回の1回目/ 後編 を読む)

◆◆◆

大活躍の2020年だが、本人たちは意外にも…?

――2020年は大活躍の年でした。3人としても手ごたえの大きかった年だったのでは?

都築 確かに仕事は増えていろんなことをさせてもらえたんですけど、実は言うほど手応えはなくて。結構ヌルっと終わった感じだったんです。2020年が終わって考えた時に、なんか消化不良というか…言われた通り動いているだけで終わっちゃいましたね。1年間うっすらスベり続けたというか(笑)。

後藤 確かに一気に仕事が増えた感じではなくて、じわじわという感じだったので、そんなに大きく変わった印象はないんですよね。逆に「一気に売れた!」みたいな感覚って、もう味わえないんだろうな…。

石橋 僕も気づいたらこんなに仕事が増えていたんだという感じで。それこそコロナの影響もあって、自粛期間中は全く仕事がないこともあったので。賞レースを獲ったとかもあるわけじゃないので、「急に忙しくなった!」という感覚は全くないです。

――意外にネガティブな感想が…(笑)。そういえば先日放送の『アメトーーク』でも今後への不安を語っていましたね。

後藤 あれはだいぶ間違えました。もっと笑ってもらえるかなと思ったんですけど。打ち合わせでは「めっちゃおもろいですね!」って感じだったはずが…意外と素で受け入れられてしまって。

都築 悩みがリアルすぎたんでしょうね(笑)。冗談に聞こえなかった。

後藤 そっちの方が面白いと思ったんですよね…。完全に間違えたなぁ。

漫才と普段のキャラクターの“差”

都築 まあでも、話している方はああいう素の自分を出せた方が楽だったかもしれないです。無理して「芸人らしく」明るく振る舞うとかやっても、それが笑いに繋がるかどうかわからない。そういう風に考えだすと難しくなっちゃうので。

後藤 なに達観してるの…。都築くんはオンラインサロンでも始めるの?

石橋 後藤くんはラップ好きとか、明るい一面はけっこうあるなと思いますね。アクティブだし、結構よく外出もしているし。確かに都築くんのほうがインドアなイメージありますね。そう考えるとあの『アメトーーク』は結構、素のキャラに近かったのかも。

後藤 たしかにトークもどんどん割って入ってきていたもんね。都築くん、だいぶキャラ作ってたんだな…。

都築 いやいや、基本は陽気なんだよ(笑)。ただ、ずっとそれを求められるのはしんどくなっちゃうのかも。嘘っていうわけじゃないんですけど、無理せずにやる方が、なんかやりやすいですね。僕らはやっぱり漫才から知名度が広まったので、漫才でのキャラクターの見え方がどうしても普段の見られ方になるじゃないですか。僕は漫才だと明るいキャラなので、それに合わせなきゃいけないのは結構、キツイところです。

――確かに四千頭身がテレビに出始めた頃の『頭取りゲーム』や『ドライブ』のネタは、後半にテンポアップが求められる賞レース用の漫才へのアンチテーゼもあって、衝撃的でした。それだけインパクトがあったんだと思います。ネタは主に後藤さんが書いているんですよね?

都築 基本的には後藤くんが書いたもので、9割はそのまま、残りの1割に修正を入れていく感じです。

後藤 結構、勝手にボケたりしてるよね。

石橋 最初のうちはそういうこともしていましたけど、だんだんちょっと足すくらいになってきて。いまは基本的に出来上がったものを受け取る的な感じになっていますね。

後藤 あんまりずっとネタを考えている感じではないんですよね。考えながら書けないんですよ、僕。ある程度頭でまとめて、家で書き出す感じかなぁ。ぼんやり常に考えているようなイメージで。インスピレーション待ちです。

『M-1』などの賞レースには複雑な思いが…

――いまは漫才、コントふくめて芸人さんの活躍の場もいろいろあります。四千頭身が目指す活躍の場はどこなんでしょう。『M-1』などの賞レースへの思い入れもありますか?

石橋 僕は『M-1』が好きでこの世界に入ったので、そこへの思い入れは強いです。2019年の『M-1』では準決勝まで行けたので、なんとか決勝の歴史に自分たちがいけたらいいなというのは思っています。まだトリオでの決勝進出者っていないので、去年(同じトリオの)GAGさんが準々決勝で落ちた時、ガッツポーズしましたから(笑)。

都築 正直、僕はそんなに『M-1』を見ないで育ってきたので…。ただ、もちろん出たら勝ちたいですし、決勝とかに残れたら「この先、楽だろうな」とは思います。『M-1』の決勝って、やっぱりとんでもないんですよ。決勝で最下位だった組の「ビリいじり」とかあるじゃないですか。でも、それでも10位なんですよ。そこに来るまでに負けている組が何千組といて、だからこそ決勝の舞台に立てたら、ある程度の技術とかの保証がされるわけじゃないですか。そうなるとトーク番組とかに出ても、聞く側の受け取り方が変わると思うんです。そうするとすごくやりやすくなるので、決勝にいったという事実があれば大きいとは思います。ただ、それが難しいんですけどね。

後藤 漫才に関しては相方2人の考え方が全然違うんですよ。そんな2人に挟まれて、ネタを書くのは僕っていう。なんなんだろうと思いますね(笑)。個人的にはもちろん『M-1』獲れるなら獲りたいですけど…。まぁ正直、ハードルは高いだろうなと思っているんで。

都築 そうなんだよね。そりゃ僕だって獲りたいかと言われれば獲りたいですよ、漫才やっているからには。でも、形が向いていないんですよね、根本的に。

後藤 これまでは漫才のネタが賞レース向きではなかったというか。ツッコミの声も小さいし。今年の『M-1』決勝見て思いましたけど、お笑いは音量です(笑)。

都築 賞レースに向いてるスタイルやネタが見つかったら、もちろん勝負したいです。ただ、なかなか合わせに行くのは難しいですし、だからと言って「自分たちの好きなものをやって勝てるのか」って言うと「うーん…」という感じですね、現状は。

実は一番力が発揮できるのは…「ロケ」!

――「賞レースに勝てるネタ」と「笑いを獲れるネタ」がイコールではないのが悩ましいところですね。逆にいま四千頭身として一番、力が発揮できるのはどんなジャンルなんですか?

後藤 大食いですね(笑)。

都築 僕らがフルを出せるのは、顔見知りのスタッフさんとのプレッシャーのかからないロケです。

後藤 緊張しないやつね。千鳥さんとかが見ないやつ。

都築 そうそう! スタジオはどちらかというと短い尺で落とさなきゃいけないからな…。

石橋 スタジオ苦手だよね、都築くん。

都築 考えちゃうことが多いんですよ。それで途中でよくわからなくなる。ボケても一連の流れで続いていくんで、落とすタイミングがない。

石橋 それでいうと都築くんはラジオです。ラジオスターですから。

都築 ラジオスターっていうのがちゃんと伝わっているのかわかんないですけど(笑)。好きなんですよ、ラジオが。技術というよりは愛と熱量だけでなんとかやれるんで。

後藤 僕はゲームが得意なんです。たまにバラエティでチャレンジ系のゲームがあるじゃないですか。ファーストステージから進んでいって、最後までクリアすると賞金獲得…みたいなヤツ。

都築 後藤くんはあれがめちゃくちゃ強い。僕らネタで売れたはずなのに、ロケとゲームが強いっていう。

石橋 僕は1人だったら得意分野は…何もないですね。

後藤 よかった、よかった。

都築 全然よくないだろ…何がよかったんだよ!

後藤 いや、バシくんがそうやって弱みを話せるようになったというのは成長ですよ。

売れ始めて感じるようになった「空気感のギャップ」

――それぞれ得手不得手はあるにせよ、結成5年目でこれだけの活躍は本当にすごいと思います。トントン拍子でここまで来たように見えますが、大変だった時期もあったんですか?

都築 テレビに出始めた時が一番辛かったかもしれないですね。日々「何にもできないんだ」っていう現実を突きつけられ続けて。もちろん世の中的には「テレビに出られているんだからいいじゃん」だと思うんですけど…。ライブに出て「どうやったら売れるか」をひたすら考えるより、現場に出てからの方が、心が折れそうになりました。

後藤 なんかその都度、苦しいタイミングはあった気はしますね。

都築 最初はチャンスをつかむためにライブに出続けるわけじゃないですか。僕らはそこで後藤くんのネタと、彼のツッコミのキャラクターで幸運にも見つけてもらって、テレビに出られるようになった。それでテレビの現場でボコボコにされて、いざライブに戻ってみると、意外と「ふわふわやっている人、多くねぇか?」って思ってしまう時もあって。その空気感のギャップが結構、辛かったです。

後藤 ライブをただ“楽しみ”に生きている人が目についちゃったというか。

都築 そうそう。ただライブに出るだけで、「その場を楽しんでるだけじゃないの?」っていう人もいて。真剣にライブに取り組んで、「売れていこう」と思っている人たちはかっこいいですし、一緒に頑張りたいなと思うんですけど…そこの温度差は大きかったですね。もちろん僕らはたまたまバンってテレビに出られたんでラッキーもあるんですけど。やっぱりライブでずっと「面白かった」って言われている人たちが世に出ると爆発力はすごいですし、ライブでちゃんと“売れようとする努力”をしないといけないな、とは再確認しました。

これからの石橋は「カッコつけキャラ」で?

石橋 僕はいまでも日々しんどいですね。メンタルがボロボロです。僕だけ仕事ないこととかザラにあるんで。まぁ「そりゃそうだろ」って自分も思うんですよ。だって面白いこと言えないし、無口なキャラだと思われてるし…。

後藤 とりあえず『有吉の壁』のオープニングから始めようか。

石橋 まずはそれをやるしかないか…。何度か『有吉の壁』で、いつもオープニングで前に出ていく(三四郎の)相田さんがいない時、代わりにダッシュしていこうと思ったことがあって。

都築 他にもやれることは割といっぱいあると思うんですけどね。「バシガール」(※石橋を推す女性ファンのこと)がたくさんいるくらい人気なんだし。

後藤 そうだよ、人気はあるんだから。アイドルキャラで行けばいいじゃん。それが一番面白いよ。急にカッコつけるキャラになったら面白いって。

石橋 いや…なんていうのかな。カッコつけ方が分かってないというか。それこそ学生時代は全然モテなかったし。実は最近オシャレ雑誌の取材があって、「カッコつけてみようかな」って思ってやってみたんです。そしたら後藤くんが「お前ノリノリやん」みたいにボソッと言うから…。

都築 いやいや、それでいいじゃん(笑)。わからないなりにカッコつけて、間違ってたら「これのどこがカッコついてるんだよ」ってイジられるわけだし。カッコよくキマれば「なにノリノリで本当にやってんだよ」でいいんだから。

石橋 いやー、後藤くんのツッコミをもっとポップにしてほしかったな。あの時、すごい怖かったんだよ! 「あれ、俺、なんか間違えちゃったかな?」みたいな。そもそも自分でもなんで人気あるのかよくわかってないんだよな…。

後藤 だからカッコいいからだって。

石橋 なんかそれ、芸人としていいのかな…。

都築 何言ってんだよ! トークスキルや笑いの技術は練習すれば磨けるけど、顔は変えられないからね。練習してもカッコよくならないんだからな!

後藤 都築くんが言うと説得力あるな(笑)。( #2 に続く)

写真撮影=文藝春秋/山元茂樹

四千頭身都築拓紀(ボケ担当)と後藤拓実(ツッコミ担当)、石橋遼大(ボケ担当)のトリオ。都築は1997年3月20日茨城県出身。後藤は1997年2月6日岩手県出身。石橋は1996年9月13日東京都出身。ワタナベコメディスクールの同期生で、紆余曲折を経て2016年に結成。

「脱力系漫才」とも呼ばれる独特な世界観でブレイク。『M-1グランプリ』では19年に準決勝進出。『キングオブコント』は18年に準々決勝進出。最近は日テレ系『有吉の壁』など地上波バラエティ番組でも活躍中。

「“第8世代”探しは早すぎません?」 大ブレイク中の四千頭身が語った「世代」という言葉への抵抗 へ続く

(山崎 ダイ)

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