創価学会の選挙担当が辞めた…菅・佐藤“SSライン”消滅の大波紋

文春オンライン / 2021年3月2日 6時0分

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「サトウ、学会やめるってよ」

 2月10日頃から永田町ではこんな情報が飛び交った。サトウとは公明党の支持母体・創価学会で選挙実務を長らく取り仕切ってきた佐藤浩副会長だ。

「自民党が下野していた09年頃に菅氏と知り合い懇意になった。12年末から安倍政権で菅氏が官房長官になると、2人の太いパイプは『SSライン』と称され、菅氏が力を増すにつれ、佐藤氏の影響力も増す関係だった」(政治部記者)

 表向きは2月の誕生日で60歳となったために学会職員を定年退職するというが、額面通りに受け取る者は少ない。嘱託で残る職員が数多いる上、今年は都議選と衆院選を控えているからだ。公明党関係者が語る。

「遠山清彦前議員が緊急事態宣言下の銀座行きを文春に書かれたのが決定打だった。佐藤氏は遠山氏を高く買って比例九州ブロックから神奈川6区に国替えさせた。神奈川の学会が総力を挙げている最中の醜聞に神奈川の婦人部出身の学会婦人部総合長が激怒。原田稔会長に“佐藤氏にも責任がある”とねじ込んだそうだ」

佐藤氏退任にホッとしているのは……

 一方、19年の参院選後から「自分は60になったらスパッとやめる。居座ると後進が育たない」と公言してきた佐藤氏は、そうした怒りの声に嫌気がさしたのか、一部の慰留の声にも耳を貸さなかった。

「佐藤氏退任にホッとしているのは山口那津男代表(68)ら公明党幹部だ」(政治部デスク)

 幹部らは佐藤氏に翻弄されてきた。19年参院選前には山口氏が突然「身を切る改革」として議員歳費1割カットを表明。根回しのなかった党内は大混乱した。元公明幹部は「佐藤氏の一声に山口氏は言いなりだったようだ」と振り返る。

「SSラインの消滅で、最近目立つ自公間のきしみは、ますます激しくなる可能性がある」(前出・デスク)

 衆院広島3区では河井克行元法相の後釜をめぐり、公明が斉藤鉄夫副代表擁立を強行。自民党広島県連は納得せず、宮沢洋一県連会長が辞意表明。さらに3月の千葉県知事選では、ラウンジ通いで自民を離党した白須賀貴樹衆院議員(千葉13区)の問題を受け、公明は自民推薦候補の推薦を見送る意向だという。

 背景にあるのは強い危機感だ。公明は地方選挙で公認候補が落選したり、当選しても得票が大幅減。コロナ禍で学会員によるローラー作戦ができないことが大きいが、菅氏の不人気も理由の一つだ。08年に福田康夫首相が退陣する契機は公明による水面下での「福田降ろし」だった。自公間のきしみが、総選挙前に公明主導の「菅降ろし」につながる可能性もある。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年3月4日号)

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