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《電通マンが“掛け持ち不倫”で同時多発訴訟》女性4人に囁いた「子供ができたら結婚しよう」の悲惨な末路

文春オンライン / 2021年4月17日 15時0分

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A子さんとX氏。この日はX氏の誕生日と言われていたが、本当の誕生日ではなかった。

「40歳を前にして、子供が欲しい、結婚したいと強く思うようになり、婚活アプリに登録しました。そこで出会ったのが“X”でした。本気で結婚するつもりでしたが、まさか私のほかに何人も女性がいて、さらに妻子もいて、経歴も年齢も全てウソだったなんて……。ショックでしばらく立ち直れませんでした」

 取材班にそう語るのは、美容関係の会社を経営するA子さん(41)。真矢ミキ似の顔立ちにロングヘアが似合う女性だ。

 取材班の前には、A子さんを含む4名の女性が一堂に会している。彼女たちが口を揃えて怒りを露わにしている人物「X氏」とは、大手広告代理店・電通に勤める48歳のある男性のことだ。4人は全員、かつてX氏と恋人関係にあったが、驚くことに、4人の中の2人は現在、X氏に対する損害賠償を求める民事訴訟の真っ最中であり、もう1人も名古屋で訴訟の準備を始めているという。

 本来出会うはずのない“恋敵”である彼女らが出会い、1人の男性を告発するに至るまでに、一体何があったのだろうか――。(全2回の1回目)。

A子さんのケース「慶応卒、年収1500万円のテレビマン?」

 A子さんが婚活アプリ「ゼクシィ縁結び」に登録したのは2018年9月のこと。

「結婚を目的として会員登録しました。病気にかかり長期入院した時に『1人は寂しい、結婚したい』と強く思ったのがきっかけです。Xとは登録してすぐにマッチングしました。

 プロフィールには、東京都港区出身の41歳で慶應義塾大学大学院を卒業している年収1500万円のテレビマンだと書かれていました。婚活アプリは経歴を偽る人も多いと聞いていて、華々しすぎる経歴に警戒感はありました。ただ離婚歴があると書かれていたので『婚活しててもあり得なくはないか……』と思い、連絡を取り始めました。『1~2年以内の結婚を希望』と書いてあり、その他の条件を見ても話が合うと思ったからです」(A子さん)

「僕はブラジル人とのクォーター。一度は日本人と結婚した」

 A子さんとX氏はすぐにLINEで連絡を取り始め、何度かデートを重ねた。A子さんはデートを重ねるうちに徐々に彼に惹かれていった。

「Xは電通にしばらく勤めた後、独立してテレビ番組の制作会社を経営していると話していました。『テレビ収録の時に林修先生にマッチングアプリを勧められたんだ』と得意げに話していたこともあります。180センチ以上ある筋肉質な体型で、浅黒く日に焼けていました。聞くと『親父がブラジル人とのハーフで、僕はクォーター。一度は日本人と結婚したんだけど妻の親が政治家で、ブラジルの血が入っている僕のことが嫌いだったみたい。それで離婚しちゃったんだよね』と。苦労してきた人なのかな、と思いました。

 それ以外にも、彼の話は全部面白かったんです。芸能界の裏話やブラジルで家族と見たリオのカーニバルのこと、頻繁に行く海外出張のことなど、経験したことがないような話が次々と出てきてあっという間にデートの時間が過ぎていきました」

 多彩なトーク力以外にも、A子さんがX氏に惹かれた大きな理由があった。

「『年も年だし、早く結婚したいし子供も産みたい』とデート初日に伝えたら、『僕もだ』と同意してくれたんです。女性としての焦りを理解してくれる人だと感じていたので、『俺はこういうのちゃんとしたい。付き合ってください』と彼が言ってくれたことをきっかけに交際を始めました」

 A子さんとX氏の交際は2018年10月から始まった。結婚に向けて進みだした手応えを感じていたA子さんにとって、これ以上ない幸せな日々だった。

「お互い仕事もあるので、週に1回ペースで赤坂にあるXのマンションで会っていました。『ブラジル人のクォーター』という言葉をつい信じてしまうくらい、Xは愛情表現がストレートなんです。『未来の奥さん』、『君は僕のものだよ』とか恥ずかしがることなく語り掛けてくれる。体型もラフなTシャツと短パンが似合って若々しかったです。

『A子の料理が食べたいなぁ』と言う彼のために、よく豚汁やカレーをせっせと作って持って行っていました。私が買った『ジェラートピケ』のお揃いのガウンを着て過ごす時間は幸せでした。何よりうれしかったのは、ずっと私の将来を心配していた母が、結婚を心の底から喜んでくれたことでした」

避妊せず「子供ができたら結婚すればいい」

 2人の交際は、当初から子供をつくることが前提だった。

「彼は『子供ができたら結婚すればいい』と、付き合ったその日から子づくりに積極的でした。なので避妊は一度もしていません。私も彼に引っ張られるように、妊娠を心待ちにするようになりました。毎月生理の時期になって『また赤ちゃんできなかった』と私が落ち込むと、Xは『A子の体が一番大事だよ。もし子供ができなくても、養子をもらえばいいじゃないか』と優しく抱きしめてくれました。この人と一緒だったら子供ができなくても幸せかもしれない、とさえ思うようになりました」

 子供には恵まれなかったものの交際は順調だった。しかし交際をはじめて約10カ月がたった2019年7月中旬のある日、A子さんの生活は一変してしまう。

 その日、A子さんは偶然ネットで見つけた保護犬のボランティア活動に参加することになっていた。A子さんはX氏に「横浜で犬のボランティアに行ってくるね」と告げ、家を出た。

「私の彼も!」偶然出会ったB子さんが…

「ボランティア団体の方から『もう1人女性が来るので、その方と待ち合わせて合流してください』と、B子という女性の連絡先を教えてもらいました。駅で会ったB子は小柄で目の大きい女性で私とは違う可愛らしいタイプでしたが、同年代ということもあってすぐに打ち解けました」

 A子さんとB子さんはボランティア活動中、保護犬の散歩を担当していた。2人と一緒に散歩をしていた少女に保護犬たちが懐くことで盛り上がり、「坂上忍さんの動物バラエティ『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)に応募したらいいんじゃない?」と冗談を言い合っていた。

 しかし、次のB子さんの一言から、徐々に雲行きが怪しくなっていく。

「B子が『私の彼、テレビの制作会社を経営してるから話してみようかな~!』と言ったのです。東京で制作会社を経営している男性はそんなに多くないでしょうから、もしかしたらXと知り合いかもしれないと思い、『え~! 私の彼も制作会社やってる! 何を作ってる人なの?』という話になりました。そこから聞けば聞くほど条件が似すぎていて徐々に不安になってきて、家の場所を聞いたらB子は『赤坂だよ!』って……」

 B子の交際相手がX氏であることを直観したA子さんは恐る恐る「もしかして……その彼、クォーター?」と聞いた。

40歳のB子さんもX氏と「子づくり」していた

「その頃にはB子も察していて、初めは答えたくなさそうでしたが、『そうだよ。え、まさか……』と。そうしたら名前も一致して、写真を見せあったら完全に同一人物。しかもA子も『横浜で犬のボランティア活動に行ってくる』と彼に伝えて家を出てきていました。たまたまボランティアで会った私とB子は、なんと同じ男性と付き合っていたのです」

 A子さんとB子さんがお互いの情報を共有すると、徐々に“全容”が見えてきた。

「B子は私の5カ月後にXと出会い、交際を始めたそうです。B子も当時40歳になったばかりで、『子供ができたら産む』という前提で彼と子づくりしていました。少なくとも4カ月間は完全に交際期間が重なっていて、同時期にセックスもしていた。結婚を本気で考えていた私は、目の前が真っ暗になりました」(A子さん)

怒るA子さんに「もっと大人の女性かと思ったよ」

 B子さんと会った日に、A子さんはX氏に怒りを込めた長文のLINEを送信し、別れる意思を伝えた。

「向こうの二股のはずなのに、Xの返信は『勢いに任せて罵詈雑言を羅列する姿に驚いています』、『もっと大人の女性かと思ったよ』というもので、一切謝る気配はありませんでした。結婚を喜んでくれた母になんと伝えようか考えてしまい、涙が止まらなかったです。それに、40歳近くにもなって騙されてしまった自分が恥ずかしくて仕方なかった……」

 結局、A子さんもB子さんもX氏とは破局することになる。2人とも大きな精神的打撃を受けて眠れない日々が続いたが、お互いの近況を報告したりX氏への恨みを電話で話すうちに、“同志”のような友情が芽生えつつあった。

 また、交際中のことを話し合う中で、X氏の非常識な“省エネ交際術”も浮かび上がってきた。

 A子さんが話す。

「私は飼っている犬の世話もあるので、夜は自分の家へ帰ることがほとんどでした。私が帰った日の夜にB子が泊まることもあったようで、私が彼のために作り置きした料理を『B子、お前のために豚汁作っておいたぞ』と自慢気に出していたこともわかりました。何も知らないB子はXのことを『料理好きでおいしい料理を作ってくれる人』と思っていたようです。

 私が買ったお揃いのガウンも、私がいない日は『B子、お揃いのガウン買ったぞ。もう洗濯もしておいたから』と着せていたことがわかりました。信じられません……」(A子さん)

元電通、年齢、クォーター、慶応卒もすべて嘘だった

 徐々に、A子さんとB子さんは“復讐”を考えるようになっていた。破局から数週間後、X氏を「元電通社員」だと思っていた2人は、B子さんの伝手をたどって現役の電通社員に写真などを見せ、X氏について知っていることを教えてほしいと頼んだ。すると返ってきたのは、またしても想像を超える返答だった。

 A子さんが語る。

「Xが私たちに話していたことは、すべて嘘だったとわかりました。名前は本名をもじった偽名で、年齢も私たちには41歳と言っていましたが本当は48歳。ブラジルクォーターというのも嘘で、実家は東北の農家。そして慶應の大学院卒ではなく実際は都内の中堅私立大学の出身。そして、電通は辞めておらず現在も在籍しているということでした」

既婚者だったX氏。妻はピラティススタジオ経営

 さらに、とどめの情報がもたらされる。X氏は「既婚者」だったのだ。

「奥さんと幼い娘が2人いました。教えてもらった本名で検索したら、とある男性ファッション誌に家族で登場していたんです。娘さんはまだ小学校に入る前の小さな子でした。B子の知り合いの電通社員に聞いたところ、赤坂の家は別宅で、代々木に家族と住んでいる本当の自宅があるそうです。そういえば私、『23時からNHKさんと打ち合わせだから代々木まで送って!』と言う彼を、NHKがある代々木まで何度も車で送り届けていました。まさか家族が待つ家に送らされていたなんて……。

妻の職場にA子さん、B子さんは乗り込んだ!

 なぜ幸せそうな家庭を持ちながら、ここまで嘘で塗り固めた婚活の真似事ができるのか。悲しみを通り越して怒りが湧いてきました。そして何よりこの事実をXの奥さんは知っているのだろうかと、私とB子は家族の存在が気になりだしました」

 男性ファッション誌にも登場していたX氏の妻は、大学時代からモデルとして活動し、現在は都内でピラティススタジオを経営している。2019年12月、A子さんとB子さんはX氏の妻のピラティススタジオ宛てに、連絡先のメールアドレスを書いて手紙を送った。

「『あなたの夫は婚活アプリでこんなことしていますよ』と、Xの悪事を妻に全てバラすつもりで長々と手紙を書きました。これを読んだ奥さんは悲しむだろうけど、夫のしたことを知る義務があるはず、と。そうしたら、しばらくして奥さんからメールで返信があったのです。そこには丁寧なあいさつと共に『ピラティスのスタジオにいらしてください』と書かれていました」(A子さん)

 肌を刺すような冷たい風が吹く2019年末のある日、A子さんとB子さんはX氏の妻に会いに行った。出迎えたのはモデルの松島花似のスレンダーな美女。促されるままにテーブルに座ると、X氏の妻はあろうことか、「不倫していることも、赤坂に別邸があることも、すでに全て知っています」と静かに語りだしたのだった。

( #2 に続く)

《連続不倫訴訟》40代電通マンを“被害女性の会”が追い詰め、ついに初公判! X氏は直撃に「同時進行の恋愛の一環」 へ続く

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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