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【4名逮捕】“普通の主婦”が3億円給付金詐欺に堕ちたワケ「主婦たちの個人情報は一生、犯罪グループに利用される」

文春オンライン / 2021年4月22日 6時0分

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※写真はイメージです ©iStock.com

 新型コロナウイルスの拡大で困窮した飲食店などを救済するために設けられた「持続化給付金」。売り上げが減少した個人事業主に100万円が支給される制度だが、この給付金が食い物にされる事件が全国で相次いでいる。

 摘発された人数は全国で数百人に上り、この中には、慶應義塾大学に通う大学生など、これまで犯罪に縁がなかった人たちが数多く含まれていたことが分かっている。こうした中、大阪で明らかになった不正受給事件は、一般の人にも犯罪が急速に広がっている深刻さを浮き彫りにするものだった。

“普通の主婦”が給付金詐欺に堕ちる

 今年2月、持続化給付金の不正受給を行ったとして、大阪市の自営業・平川誠被告(43)ら、男女4人が詐欺の疑いで逮捕され、その後起訴された。平川被告は、妻などとともに、他人の名義で個人事業主であると偽り、うその申請を繰り返していたとみられるが、驚くのは、申請に使われていた名義の持ち主だ。

 

「申請の名義貸しをしていた人たちの中には、一般の主婦たちが含まれていたんです。詐欺事件で、主婦が被害者となることはありますが、犯罪に加担するケースはあまり聞いたことがなく驚きました」(全国紙社会部記者)

 主婦たちは、どのようにして、給付金詐欺に加担するに至ったのだろうか。捜査関係者が明かす。

「平川被告のグループと繋がりがあったA子という50代の女が、1つの起点になったとみています。A子は、まず、昔からの知り合いだった同年代のB子に不正受給を持ちかけます。話に乗ったB子は、名義貸しをして、100万円を受給。ただし、自分の取り分は40万円だけで、残りの60万円は手数料としてA子に渡していたようです」(捜査関係者)

 コロナ禍で経済的な不安があったのか、はたまた簡単に多額の金が手に入ることに目がくらんでしまったのか。主婦仲間の間で不正の連鎖はさらに続く。

「B子は、幼なじみのC子にも話を持ちかけ、C子も同じように不正受給に手を染めました。さらにB子、C子とのランチ会に参加したD子も、2人から『金が手に入る』と誘われます。不安に思ったD子は、『捕まらないか』と聞いたようですが、2人から『ちゃんとしている』と言われたので、話に乗せられて不正受給をしてしまいました」(捜査関係者)

総額3億円を不正受給した“口コミ”の威力

 主婦から主婦へと“口コミ”のようにあっという間に広がっていった給付金の不正受給。府警が平川被告の自宅などを捜索したところ、200人分以上の個人情報記録が発見され、不正に受給した金額は3億円に上るとみられている。なぜここまで広がったのか。

「手口としては、昔からある『マルチ商法』や『ねずみ講』とそっくりです。知り合いを紹介していく中で、平川グループに収める『手数料』とは別に、『紹介料』として数万円をちゃっかり手に入れていた主婦もいたようで、話を持ちかければ持ちかけるほど、自分にとっても得なシステムになっていったのではないでしょうか」(前出・全国紙社会部記者)

「バレないだろう」という気持ちで不正受給に手を染めてしまった主婦たち。しかし、警察の捜査であえなく不正が発覚。取り調べを受けることになった。

 

「不正に関わった主婦たちは、素直に取り調べに応じているようです。今後、逮捕まではされないにせよ、任意で書類送検される可能性があります。

 一度犯罪に手を染めると、それをきっかけに、より悪質な犯罪へと巻き込まれていくケースは多く見られます。また、今回のように大量に集められた主婦らの個人情報が『裏社会』へと流れ、別の犯罪に悪用されるおそれもあります。安易な動機とはいえ、犯罪に手を染めた代償はあまりに大きい」(同前)

 これまで犯罪とは無縁だった主婦たちが安易な動機で犯罪に加担してしまった。新型コロナは、一般の人たちの倫理観まで揺るがしてしまっているのだろうか。

(渡辺 英利/Webオリジナル(特集班))

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