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なぜ多くの東大生は“100点満点”を取ると落ち込むのか…現役東大生が語る“バカ”な人物の特徴とは

文春オンライン / 2021年7月27日 6時0分

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©iStock.com

 受験、語学、資格、暗記……。何かを学習する際に、効率的なやり方がわからなければ、何が正しいのかもわからない、集中力も続かない。そのような悩みを抱いたことはないだろうか。

 現役東大生で勉強法に関する著書を多数出版している西岡壱誠氏は、そうした悩みを解決するアイテムとして“スマホ”の活用をすすめている。ここでは同氏の著書『 東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法 』(文藝春秋)の一部を抜粋。“スマホ”が“勉強”に与えるメリットについて紹介する。(全2回の1回目/ 後編 を読む)

◆◆◆

意味のない勉強をしているかも?

 さて、ここではどのようにスマホを使った勉強を実践していけばいいのかという話をしていきたいのですが、その前にみなさんに質問です。勉強において、効果が出ない最大の理由ってなんだと思いますか?

 「努力は必ず報われる」という言葉は昔から存在していますが、しかし現実では「頑張っても頑張っても結果が出ない」ということはよくある話です。僕も昔は一生懸命机に向かっているのに偏差値が35だったのでよくわかるのですが、「結果につながる意味のある努力」もあれば、「無駄な時間を過ごしてしまっている意味のない努力」もあります。どうして努力が無駄になってしまうことがあるのでしょうか?

 例えば、毎日何時間も本を読み、何時間も勉強に費やす人がいたとします。毎日すごく頑張って勉強をしている人ですね。

 そういう人でも、「何冊も読んでいるのになかなか本の内容が定着しない」とか、「試験になるとどうしても点数に繋がらない」とか、そういう「結果が出ない」という悩みを抱えていることは結構あるものです。

「勉強時間」と「勉強分量」が「勉強結果」に直結するとは限りません。もしかしたら全く効果が上がらない独学をしてしまっているかもしれないのです。

 言い換えれば、多くの人は効果のない勉強に無駄な時間を割きすぎているのかもしれません。なんの意味もないことに一生懸命になって結果も出ないという、哀しい独学をしがちだと感じます。

効果が上がる勉強法は……

 まずはこの点について理解しておかないと、どんなに素晴らしい勉強も意味をなくしてしまいます。

 実践的な説明に入る前に、この「効果が上がる勉強と、効果が上がらない勉強の違い」を解説させてください。

 みなさんは、頭がよくなるタイミングがいつなのかご存知でしょうか? 頭がよくなるタイミング、というと抽象的ですからもっと分解しましょう。

・知識を自分の頭の中に入れるタイミング。
・知識をいつでも取り出せるようになるタイミング。
・知識を活用できる状態になるタイミング。

 といったところでしょうか。

 では、そういう「頭がいい」状態になるためには、一体何をすればいいのでしょうか。おそらく多くの人の答えは次のようなものだと思います。「たくさん本を読む」「たくさんの知識を持っている先生などの話を聞く」「論文を読む」などなど。

 はっきり申し上げますが、これらは全部、「頭をよくする行為」ではありません。人間は、知識をインプットする時には頭はよくならないんです。いくら本を読もうが、いくら先生の授業を聞こうが、全く意味がない。

「ええ? じゃあどうすればいいの?」と疑問を抱くかと思いますが、答えは簡単。「アウトプット」をすればいいのです。

 例えばみなさんは、水泳をやったことはありますか? 泳げるようになるためには、どのような努力をすればいいのでしょう。

 やったことがある人ならわかるかもしれませんが、水泳というのは別に泳ぎ方を陸の上で習えばできるようになるというわけではありません。とにかく水の中に入ってみて、水に慣れてみて、時には溺れそうになりながらも訓練していくことでやっと泳げるようになるものです。

 勉強もこれと同じです。「ここをこういう風に動かせば泳げるんだ!」「この公式はこうやって使うんだ!」といくら学んでも、いつまで経ってもできるようにはならないのです。

 とにかく実践してみないことには覚えられないしできるようにもならないのです。

日本人が英語が苦手な理由

 もっと詳しく話をしましょう。

 みなさんは英語はお得意ですか? 僕もそうだったのですが、英語ってなかなか上達しないですよね。日本人は英語が苦手な人が多く、英語でつまずく人は大人子供を問わずたくさんいらっしゃることと思います。

 では、いったいどうして日本人は英語が苦手なのか。これは非常に単純でわかりやすい明確な理由があります。

 使わないからです。

 ネイティブスピーカーと話したり、英語の文章を読んだり、英語で文章を書いたり、といった英語を使う機会が日本ではなかなかないから、英語を喋れる人が少ないのです。

 それどころか、発音やアクセント・文法を重視した「正しい英語を勉強しないといけない」「正しくないものは使ってはならない」と、英語における活用(アウトプット)を極度に嫌がるのが、日本人の特性なのです。

スマホで「英語学習」をする

 今や、ネットを使えば簡単に英語を活用することができる環境が整いつつあります。

 例えば「YouTube」で外国人の方の投稿や配信を観て、英語でコメントをしたりすることも可能です。字幕や翻訳がついている動画もありますし、英語学習にはもってこいのサービスです。やろうと思えば、SNS上で外国人の方と簡単にコミュニケーションを取ることもできる時代になりました。

 そして、他にも外国人の方とのコミュニケーションを通して、生きた英語を活用させてくれるツールは増えています。「スタディサプリENGLISH」は、英語の書き取り(ディクテーション)やリスニングの力を伸ばす発音の問題など、一つのアプリ上で総合的に英語力を伸ばしてくれるアプリで非常に効果が上がります。

 他にも「IDIY 英語添削アイディー」というアプリを使えば、とても手軽に自分の英作文の添削をしてもらうことができます。「DMM英会話」を使えばネイティブの人とコミュニケーションも取れます。

 このようにスマホによって、英語のアウトプットをすることが「できる」状態にはなっているのです。でもそれを、多くの人があまり活用できていない。アウトプットをせず、「どうして自分の英語力は上がらないんだ! そうだ、やっぱりもう少し参考書を読まないと……」となんだかんだでインプットに逃げてしまう。ここにこそ、日本人が英語が苦手な理由が潜んでいるような気がしませんか? つまり、みんなアウトプットが苦手なのです。

正解主義の問題点

 なぜ日本人はアウトプットを嫌うのかというと、僕は「正解主義」というのが根本にあるからだと考えています。

 正解主義というのは、「正解でないと発言しない」「100点じゃないと試験を受けたくない」という姿勢のことです。

 例えば多くの学校であることですが、「この問題の答え、わかる人いる?」と先生が聞いて、答える学生ってほとんどいませんよね。でも、本当は答えが何となくわかっている学生というのは実は多いです。ただ「100%これが答えだという自信がない」状態では、誰しも「もし間違っていたら恥をかくから」という理由で答えを口には出しません。

 もっと言うと、「2択問題です! イエスだと思いますか? ノーだと思いますか?」と聞いた時ですら、手を挙げない人というのは多いです。イエスかノーか明確にわからないから、もし間違ったら嫌だからと手を挙げることすらしないということがあるのです。

 これが正解主義。「正解でない可能性があるのなら手を挙げることすらしない」という姿勢です。

 大げさなことを書きますが、僕は「バカ」というのは「0点の可能性のあるテストを受けられない人」だと思います。

 間違えてもいいという意識が欠如していて、必ず泳げると自信が持てるようになるまでは陸の上で勉強して水に触れることすらしない、そういう人こそが「バカ」なのではないでしょうか。

 そして、これは、過去の僕のことです。こんな風に偉そうに語っていますが、僕は「これが正解かな?」と思っても絶対に手を挙げない学生でしたし、自分がいい点を取れない試験なのであれば絶対に受けたくないと逃げていました。それで成績は伸び悩み、どうして成績が上がらないのか全くわからないという状態になってしまいました。典型的な正解主義に陥っていたのです。

間違ったら、そこから学べばいい

 こう考えてみるのはいかがでしょうか。

 「間違ってもいい」「間違えることや失敗することは恥ずかしいことではなくて、どんどん挑戦するべきである」と。間違ったら間違ったで、そこから学べばいい。できないところがわかったのなら、それは後退でなく大きな前進である。0点のテストでも、受ける意味がある。そういう意識を持つべきなのです。

 そしてそれは、SNS全盛期でより簡単に「恥をかける」ようになった今だからこそ可能になっています。スマホは、いろいろなことに挑戦させてくれるし、いろいろな失敗をさせてくれるツールでもあるのです。

東大生は、0点の試験を喜ぶ

 みなさんは100点満点の試験で100点を取ったことはありますか。僕は漢字の小テストで1回だけ取ったことがあるかな、というくらいで100点なんてほとんど取ったことがありません。でも100点満点が取れたら、相当嬉しいだろうなと感じます。多分読者のみなさんも同じように感じるのではないでしょうか。

 しかし面白いことに、多くの東大生は100点満点を取ると落ち込むのだそうです。「なんだよ、受けた意味なかったじゃないか。このテスト」と。

 つまり、模試や試験・問題というものを「弱点発見のための手段」だと考えているために、1問も間違えなかった満点のテストではただの一つも弱点を発見できていないというわけです。

 逆に、0点のテストだったら「こんなに伸びしろがある!」「こんなに弱点が発見できた!」といいことずくめだといっていいのです。

 つまり、0点のテストだったら喜んで、100点のテストだったら落ち込まなければならないのです。

沖縄県の離島在住、通塾なし…厳しい学習環境から東大に合格した学生が明かす“画期的な勉強法”とは へ続く

(西岡 壱誠/ノンフィクション出版)

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