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「卑猥なことをしている認識もなかった」彼氏に認められたくてAV女優デビュー…身バレした瞬間の周囲の“意外な反応”

文春オンライン / 2021年7月24日 18時30分

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©️iStock.com

 時代を駆け抜けたAV女優たちは何を考えて日々を過ごし、引退後は当時をどのように振り返るのか……。

 アダルト分野に精通するライターの安田理央氏は著書『 AV女優、のち 』(角川新書)で、7人の元AV女優へインタビューを行った。ここでは同書の一部を抜粋。アイドル的存在で人気を集めた長谷川瞳氏の証言を紹介する。(全2回の1回目/ 後編 を読む)

◆◆◆

性に対する興味は小学生の頃から強かった

 長谷川瞳の初体験は13歳、中学校2年生のときだった。

「小学生の頃から性に対する興味は強かったんです。きっかけは、たぶんお父さんが読んでいた漫画かな? といっても、『課長島耕作』とかそういう程度の漫画なんですけど、そこに出てくるセックスのシーンに惹かれたんですね。『凄い果てしない快感』とか書いてあるから、『どんなものなんだろう?』って。早く体験してみたかったんですね。だから、彼氏ができたらすぐにエッチしちゃいました」

 当時から、長谷川瞳には性に対してあっけらかんとした感覚があったらしい。前述の『ベストビデオ』のインタビューにも、こんなくだりがある(編集部注:デビュー直後に受けたインタビュー)。

〈――(前略)そういえば、H話って中高生くらいだと盛り上がるでしょ、初体験話とかしたの?

 

:すごい盛り上がるんですけど、私が言うとリアルだって嫌われる……。言い過ぎとか下品だとかシカトとかされて(笑)。あの娘はちょっとオカシイとか。まだみんな処女とか童貞だから興味はあるんだけど、夢を壊されたみたいな感じで。

 

――どんな風にリアルに喋ったの?

 

:体位とかどうやってやるのって聞かれたから、こうやってやるのって実践とかみんなの前でやってると、やり過ぎって感じで言われたり。彼氏の友だちとかにも『お前の彼女、やり過ぎだから止めろよ』って言われたり。

 

――彼もいる所で実践したの?

 

:うん、何か普通に(笑)。

 

(三和出版『ベストビデオ』01年11月号)〉

 中学生のときに、「自分は将来AV女優になるのではないか」という予感もあったと言う。

「そのときの彼氏が『デラべっぴん』ってエロ本を集めてたり、AVを見せてもらったりしていたんですけど、『自分もこういうのをやろうと思ったら、けっこういけるんじゃないかな?』って考えたことがありました。AVなんか見ても、女の子の反応もどこかウソっぽくて『わたしのほうがもっと上手にできるな』って思っちゃったんですよね」

高卒後は同棲して引き籠もり

 高校を卒業した長谷川瞳は、水商売なども経験しつつも当時付き合っていた彼氏と同棲していた。

「彼氏の家に引き籠もっていました。同棲する前は水商売をやっていましたね。仕事だと思うとはじけられるんですよ。お金は稼げたんですけど、フッと緊張が途切れるともうなにもできなくなっちゃう。外にも出たくないし、誰とも会いたくなくなって、彼氏の家にずっといたという感じですね。好きになると離れたくなくなっちゃうんですよ。それはもう高校生の頃からで、ほとんど家に帰らないで彼氏の家に泊まり込んだりしていたほどです。彼氏のお母さんに、『もう帰りなさい!』なんて言われるんですけどね。そのときも、彼が好き過ぎてひとりで彼氏の帰りを待っているのが楽しかった」

 長谷川瞳は自分を「コミュ障=コミュニケーション障害」だと言うが、普通に他人と接することができないわけではない。

「なんでしょうね……波があるんですよ。学校でもクラスの凄い人気者になっているときと、登校拒否しちゃうときみたいな時期があるんです。母親には、『いつも外に出ると無理してるね』って言われていました。外面を頑張っちゃうんですね。本当は家でひとり遊びしていたい子なのに」

 水商売をやっていたときも、無理をしてまで売上を伸ばそうとしていた。

「お酒はあまり飲めないのに、頑張って飲んで、トイレでゲーって吐いたりしてまでボトルを入れてもらっていました。褒められれば褒められるほど頑張っちゃうんですよ。そうやって燃え尽きちゃうというのを、何度も何度も繰り返していましたね」

一番になれば彼にもわかってもらえると思っていた

『処女宮 メモリアル』のなかでも、こう呟くシーンがあった。

「一個のことがダメになっちゃうと、もう全部に対して『嫌~!』となっちゃうとか。そうするともう人に会いたくない病みたいなのになっちゃって。また自分のことを追い詰めて……」

 そんな女の子が、どうしてAVに出演することになったのだろうか。

「彼氏が、とある事情で地元に帰らなくちゃいけなくなったんです。部屋も引き払うっていうから住むところもなくなっちゃう。『どうしよう……』と途方にくれていたところに、タイミングよく渋谷でスカウトされたんです。家も借りてくれるというから、『これはちょうどいいな』って思いました」

 AVに出演することに抵抗はなかったのだろうか?

「水着と裸のちがいがわかっていなかったんですよね。水着なら平気なのだから、一緒じゃないかなと思っちゃった。事務所も説得するのが上手かったんですよね。ヌードグラビアを見せてもらって『こんなに綺麗に撮ってくれるんだよ』って言われると、『自分も撮ってもらいたい』って気持ちになるんですよね」

 そのとき、長谷川瞳はスカウトマンに「一番になれるのであれば、やります」と答えている。

「なんであっても一番になれたら『変われるんじゃないか』と思ったんです。なにか名を成せば、なにもない人よりも自分の話を彼氏に聞いてもらえるんじゃないかなって」

 彼氏は地元へ帰ることになったが、別れたわけではない。遠距離恋愛として関係は続ける予定だった。

「(AVでも)『一番になったら彼もきっとわかってくれる』って勝手に思い込んでいたんですよね。本気でやっているというのがわかってもらえれば、『おまえも頑張ってるな』って仕事として認めてもらえるんじゃないかって。そんな甘いことを考えていました。『わたしたちは愛し合っているから大丈夫だ』って。もちろん、そんなことはなかったんですけどね」

セックスでエクスタシーを感じてみたかった

 長谷川瞳には、もうひとつAVに出たいと思った理由があった。

「イッてみたかったんです。セックスでエクスタシーを感じてみたかった」

 小学生の頃から、父親の漫画を読んで知った「凄い果てしない快感」を体験したいと思っていた。セックスの快感に対する興味はもともと強かった。

「快感に対しては、貪欲過ぎるくらいに貪欲だったと思います。高校生のときから、電マを持ち歩いていたくらいですから」

 東急ハンズで購入した電動マッサージ機でのオナニーで知った快感の虜になり、それをいつもカバンのなかに忍ばせていた。

「高校のトイレでも、それでオナニーしていました。もう、暇さえあればイキたかったんですよ。彼とするときも、マッサージ機当てながら入れてみたりとかしていましたから」

 それは逆に言えば、彼とのセックスでは電動マッサージ機ほどの快感を覚えることはできなかったということを意味する。

「これはわたしのほうの問題だと思うんですけど、わたしは自分が気持ちよくなるよりも、彼に喜んでもらいたいという意識が強かったんですね。だから、彼にクンニなんかもしてもらいたくなかったんです。でも、そうすると自分はイケないじゃないですか。『彼に頑張ってもらいたくない』『気持ちよくなっていて欲しい』という気持ちがある。でもそういう気持ちがあるから、わたしが気持ちよくなりたいということとは一致しないんです。わたしは彼とのセックスではイク演技をしていました。そうすると彼は喜んでくれる。だからどんどん言い出せなくなってしまう。『本当はイッてない』なんて言えなかったんです。そのジレンマに苦しんでいた。だから、『AVだったら、男優さんだったら、イカせてもらえるんじゃないかな』という気持ちはありました」

 AVの撮影で、その望みは果たせたのだろうか?

「やっぱり男優さんは上手でしたし、気持ちよかったですよ。ちゃんとイケましたしね。そういえばAV辞めてしばらくは、『誰かに見られていると思わないと感じない』という時期もありました。AVには、見られている快感というのもあったのでしょうね。職業病みたいなものかもしれませんけど」

AV女優は恥ずかしい仕事ではない

 こうして、AV女優として順風満帆なデビューを果たした長谷川瞳だが、遠距離恋愛となった彼氏にAV出演がバレてしまう。

「当時、彼は役者の卵みたいなことをしていたんですよ。だからわたしも、『モデル事務所にスカウトされて、イメージビデオみたいなものに出るかもしれない』みたいに濁していたんですね。でも、速攻でバレました。AVのランキングを見たらわたしが出ていたって(笑)。それで別れることになりました」

 母親にも見つかり、絶縁状態となる。ただ、妹は好意的だったようで「(人気男優の)加藤鷹とカラんできてよ」などと冗談を言ったという。

「そのときわたしは、加藤鷹さんのことを知らなかったんです。妹のほうが詳しかった(笑)」

 彼氏の口から、地元の友だちにも広まっていた。

「引退した後に地元の飲み会に行ったら、女友だちが『ずっと応援してたんだよ! ビデオ屋のランキングで2位になってたから、(パッケージを)1位にしておいたりしたよ』なんて言ってくれましたね。それを聞いたときは嬉しかった」

 長谷川瞳本人には、AV女優であることを恥じる気持ちはなかった。

「うしろめたい気持ちは全然なかったんです。職業に貴賤はないというか、誇りを持ってやっているんだから恥ずかしくもない。『自分が卑猥なことをしているんだ』という認識もなかったんですよね。今思えば、なさ過ぎたくらい(笑)」

 本人に恥ずかしい仕事をしているという自覚がないために、周囲と摩擦を起こしたりもした。

「お姉ちゃんの彼氏に、自分の出演作を見せちゃったこともありました。そうしたら、猛烈に怒られて。でも、どうして怒られたのかも全然わからなかったんですね。こっちはただ、このときの撮影が楽しかったからという理由でその話をしたいと思っていただけなんですけど」

 仕事以外の場面で、自分に対して性的な目を向けられることも理解できなかった。

「たとえば、『オレもハセちゃんとやりたいよ』なんて言われると驚いちゃうわけです。『え、なんで? 仕事じゃないからあなたとはやりませんよ』って。『いいじゃない』みたいに手を触られたりすることもありましたけど、すぐに拒否していました。そういう卑猥な目で見られていると思っていなかったんです」

 長谷川瞳は、あまりにも無邪気にAV女優という職業を考えていたのである。

「楽しかったですね。メーカーの専属だったので、撮影は毎月1回で3日間拘束でしたが、その日が待ち遠しくてたまらなかったくらいです」

【続きを読む】 “業界でしか生きてこなかったから感覚がズレていた” 元女優が明かすAV引退後の生活の「リアル」

“業界でしか生きてこなかったから感覚がズレていた” 元女優が明かすAV引退後の生活の「リアル」 へ続く

(安田 理央)

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