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《へずまりゅう裁判》判決直後の動画で「反省、ぜろ~」「自分の涙、ヨダレと一緒なんで」と… “迷惑系ユーチューバー”が更生をとく裁判官に見せた“態度”

文春オンライン / 2021年8月29日 11時0分

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2020年10月18日、大阪・南署から送検される原田将大被告(東海テレビHPより)

 愛知県岡崎市のスーパーで精算前の魚の切り身を開封して食べたとして窃盗罪などの罪に問われていた元ユーチューバー・原田将大被告(30)の判決公判が8月27日、名古屋地裁岡崎支部で開かれ、溝田泰之裁判官は被告に懲役1年6月、執行猶予4年(保護観察付き)を言い渡した(求刑懲役1年6月)。

窃盗罪、威力業務妨害、信用棄損で起訴

 10時から予定されていた判決公判。保釈中の原田被告は開廷7分ほど前に弁護人とともに法廷に現れた。坊主頭に口元は白の不織布マスク、濃いグレーのスーツを着用。「少し早いですが始めましょう」との裁判官の声により、予定時刻の4分ほど前に開廷となった。

 被告は証言台の前に立ち主文を聞いたあと、裁判官に促されて目の前の椅子を引いて座り、言い渡しを聞いていた。大柄で体格もよく、スーツのジャケットがはちきれそうだ。椅子を引くとき、手が少し震えているように見えた。

 かつて「へずまりゅう」という名でユーチューバーとして活動していた被告は2020年5月29日、岡崎市のスーパーにて魚の切り身一点(価格428円)を、代金を支払う前に食べたという窃盗罪のほか、同年5月1日には大阪・アメリカ村の衣料品店において販売されていたTシャツ1点について「偽物でしょ」などと言い返品を迫りながら撮影を行い、その動画をYouTubeに投稿し店の信用を棄損したという威力業務妨害、信用毀損の罪で起訴されていた。

執行猶予期間中の心構えについて釘を刺す裁判官にへずまは…

 弁護側は威力業務妨害や信用毀損について争いはなかったが、窃盗罪についてのみ「切り身は食べたが精算を行う意思はあった」と無罪を主張しており「食べてからわずか2分で精算しようとした」、「切り身は生食用ではない。味わいたいわけではなかった。口腔内に切り身を押し込む行為は毀棄にあたる」などと述べていた。

 しかし、裁判所は「被害店舗は商品を売るために陳列しており、客は自由に商品を選んで代金を支払うが、被告人は支払う前に食べている。被害店舗は商品をどんな形であれ金銭に換えられればいいと考えているわけではない。食べることと支払いの行為が前後しただけというだけではなく、所有者の権利を侵害している」として、窃盗罪の無罪主張を退けた。

 原田被告は2018年2月に建造物侵入により執行猶予付きの判決を受けており、そのうえで一連の事件を起こしている。検察側は7月19日の論告求刑公判で「刑事責任は重く、矯正教育が必要」と刑事施設での矯正の必要性を訴えていた。

 しかし裁判所は「再生数のための犯行で酌量の余地はない」と威力業務妨害と信用毀損については厳しく断じながらも、「窃盗の被害額が軽微」であることや「窃盗の動画を公開して耳目を集めたが、行為そのものは弁償までが一連の行動としてある」こと、さらに「信用毀損の被害者との間で150万円の示談が成立しており、うち128万円は既に支払いを終えている」「家族や雇用主の監督が期待できる」ことなどから「今回に限り懲役刑を猶予する」とした。訴訟費用は被告人の負担となり、現在の私選弁護人の前に弁護を担当し、被告が解任した国選弁護人にかかる費用も、原田被告が支払うこととなる。

 言い渡しを終え、裁判官は原田被告に改めて、執行猶予期間中の生活の心構えについて釘を刺した。

「更生するための期間ですから、あなた自身更生するよう意識して生活してください。今回、保護観察がついています。定期的な面接の約束を破ると執行猶予が取り消される可能性もあります。保護観察はそれだけ重い約束です」

 被告は微動だにせず、落ち着いた様子でこれを聞き、10時10分に閉廷した。

 執行猶予付き有罪判決とはいえ、弁護側にとっては窃盗罪の無罪主張が退けられた格好となる。閉廷後に法廷から出て来た男性弁護人と原田被告に控訴の意志を尋ねようとするも、ともに無言で階段を駆け下り、追いかける報道陣に対して反応することなく、 そのまま建物の外へ。早足で裁判所敷地を出て、隣接している弁護士会館に姿を消した。

コロナ拡散…迷惑系ユーチューバーだった過去を反省も

 原田被告はこの一連の事件で世を騒がせただけではない。昨年の逮捕後、新型コロナウイルスに感染していることが判明し、一般市民だけでなく行政や医療機関をも混乱の渦に巻き込んだ。

 逮捕直前の同年7月10~11日に地元である山口県を訪れ、11日、岡崎市での魚の切り身窃盗容疑で逮捕。身柄を愛知県警岡崎署に移されたのち、13日に37度台の熱が出て、15日に愛知県岡崎市の保健所が感染を確認した。翌日には、彼と接触のあった警察官も感染が明らかになる。さらに原田被告は山口県で錦帯橋や防府天満宮などの観光地のほか商業施設など様々なスポットにノーマスクで立ち寄っていたことも判明。居場所や行き先をSNSで知らせ、これに応じて集まった者たちと10日夜には山口市内の飲食店で会食。参加していた学生も感染が判明したうえ、同店にたまたま居合わせ別の友人と会食していた女性も感染した。

 山口県の村岡嗣政知事は、こうした原田被告の山口行脚による感染者発生をうけて後日会見を開き、被告の行動経路をパネルで示しながら「いったい何てことをしてくれたんだという思い」と憤る様子を見せた。県には「男性が行ったところを訪れたが大丈夫か」といった相談が約780件寄せられたほか、接触者に対するPCR検査など対応に追われることとなった。

 生まれ育った山口県に対して大きな迷惑をかけた原田被告は、これまでの公判で「誰もしていない企画で再生数が稼げると思った。犯罪ギリギリの内容だと自覚して投稿した」と説明。かつては迷惑系ユーチューバーとして多い月で200万円を稼いでいたというが、このときは時給1000円で週5日働き、休日は祖父の介護や庭仕事をしていると述べていた。

「親にも悪いけど、裁判終わったら無視して東京戻ります」

 さらに検察側がアメリカ村での事件の動画の音声を流すと号泣し、「自分の黒歴史」「動画は直視できない」と“迷惑系ユーチューバー”だったかつての自分を恥じるかのような発言をしていた。そのうえで「もう(ユーチューバーは)やらない」とYouTubeとの決別を誓っていたが……。

 本人は判決をどれほど重く受け止めているのか、法廷で見せた真摯な態度は本物なのか。この判決の日の夜、原田被告と親交のあるコレコレ氏が自身のチャンネルに動画をアップした。判決前である7月6日に、コレコレ氏の故郷・広島で収録した原田被告との対談だ。原田被告はマスクを外し、「早く復活してぇ」「自分の涙、ヨダレと一緒なんで」と大騒ぎ。そして、カラオケボックスでこんなやりとりを繰り広げた。

 コレコレ氏「反省してんの?」
 原田被告「半分」

 半分反省したのは親の存在が大きかったと話す原田被告。その親にYouTubeの世界から離れてほしいと言われ、逮捕後に就職活動を行った原田被告は、この動画収録当時、ラーメン店で働いていたという。ところが「そこのラーメン屋の大将にも悪いけど、親にも悪いけど、裁判終わったら無視して東京戻ります」と、地元との決別宣言をしたのち、「戻ります。もうこの世界にしかないんで」とYouTubeの世界に戻る決意を明かした。

 さらに動画では、魚の切り身窃盗についても“有能な弁護士を3人雇った”ことや、“不法領得の意思を欠く”ので事実上無罪である……と説明し「なので、これが覆って有罪懲役とかになっちゃうと、すごい面白いことになるらしいです」と笑顔を見せた。結果的に、主張は退けられ有罪となっている。これからどんな“面白い”ことが起こるのか発表を待ちたい。

 終盤では「反省、ぜろ~」とおどけ、最後に滝に打たれて動画は終了。東京に戻り、YouTubeの世界に復帰すると知っていたら裁判官はどんな判決を下しただろうか。

(高橋 ユキ)

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