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渡辺勝、高松渡、土田龍空…ドラゴンズの“希望の光”をもっと見たい!

文春オンライン / 2021年9月10日 11時0分

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渡辺勝

 木下雄介投手の追悼試合、見させていただきました。中継ぎ投手がグッと踏ん張って、DeNA打線を完封! ドラゴンズらしい、素晴らしい勝利だったと思います。投手陣は本当に頼もしいな、と思いながら見ていました。

 ドラゴンズの課題はとにかく打撃ですよね。

 バンテリンドームが本拠地である以上、なかなか長打が出ないのは、ある程度仕方のないこと。現状の戦力では、小技を使ったり、足を使ってかき回したりしながら、点を取っていかないといけないのかなと感じています。現状を変えていくためには、若い力も必要でしょう。

ランナーにプレッシャーをかける渡辺勝の“攻めている守備”

 最近、試合を見ていて「光ってるな!」と思うのは渡辺勝さんです。

 育成出身のプロ6年目。一本足打法がトレードマークで、8月17日の広島戦ではプロ初ホームランを記録、初のお立ち台も経験しました。

 少し当たりが止まっている時期もありましたが、最近はまたヒットが増えてきましたね。バントもすごく上手ですし、俊足ですからセーフティバントも相手にとっては脅威だと思います。ゲッツーも少なそうですし、2番に固定すれば攻撃の幅が広がるのではないでしょうか? 

 それに、渡辺勝さんはレフトの守備がいいですよね! 本来打撃のことを考えると、僕はアリエル・マルティネス選手にレフトをやって欲しかったんですが、渡辺勝選手の見えないところで相手のランナーにプレッシャーをかけているところが本当にいいと思います。これは僕にとって新しい“発見”でした。

 レフト線のきわどいところや左中間への当たりを猛ダッシュで捕りに行って、ランナーを進塁させないシーンを、これまで何度も見ています。8月27日と28日の巨人戦では、それぞれツーベースになりそうなレフト線の当たりをワンヒットに抑えていました。9月4日のDeNA戦でもありましたね。守備での貢献度がすごく高いと感じています。

 この“攻めている守備”をシーズン通してやってくれたら、すごく価値があると思います。たとえば、広いバンテリンドームでは“守り勝つ”ために渡辺選手を起用して、狭いビジターの球場では“打ち勝つ”ために長打力のあるアリエル選手や福田永将選手をレフトに起用してもいいですよね。

 もちろん、一本足打法から放たれるヒットの数が増えていけば、外野の一角に定着するのは早いでしょう。2021年に台頭した新戦力といえば、渡辺勝さんの名前が真っ先に挙がるぐらいの活躍を続けてほしいですね!

物怖じしない土田龍空の魅力

 残念だったのが、僕がすごく期待していた溝脇隼人選手の故障です。6月に昇格したときは結果を残せず、7月の前橋での巨人戦では1番に抜擢されたものの3三振にタイムリーエラーもあって二軍落ちしてしまいましたが、8月に再昇格してからは1試合4安打固め打ちを見せてお立ち台に上がるなど、ブレイクの兆しを見せていました。

 足も速くて、小技もできて、外野の頭上を超える打球を打つパンチ力もある。守備範囲も広くて、本当にいい選手なんですよね。今は溝脇選手本人が一番もどかしいと思います。ケガをしっかり直して、レギュラー獲りに再挑戦してほしいです。

 今は阿部寿樹選手、三ツ俣大樹選手、溝脇選手と二塁を守る選手が3人も故障しています。いわば緊急事態なのですが、ここで大チャンスなのが、開幕から一軍にいる高松渡選手、そしてルーキーの土田龍空選手ですよね!

“超俊足”の高松選手は2番で起用されることが増えていますが、1番の京田陽太選手とともに、かつてのアライバコンビのように出塁して走りまくることができれば、他球団にとってものすごい恐怖になると思います。

 吉見(一起)さんも「足が速い選手は、投手としてはプレッシャーがかかる。(ドラゴンズの打線の中で)1番打者として投げるのが嫌なのは高松」と言っていました。それぐらい足が速いことは武器なんです。

 バッティングでもきれいにセンター前に弾き返すことができますし、ボテボテの当たりを内野安打にしてしまうのは相手チームにとって脅威でしょう。みんな、当たりを見た瞬間に「あ、これ、セーフじゃね?」って思いますもんね(笑)。8月31日の阪神戦では三塁へのセーフティバントを見せて、マルテのファンブルを誘っていました。この出塁が決勝点につながったんですよね。高松選手の足は、打線がなかなか点を取れないとき、突破口を開く力があると思います。

 守備もレベルアップしてイージーミスも減っているので、ぜひ、このチャンスを生かしてレギュラーの座を掴んだら面白いと思います! 高松選手が2番に定着したら、京田選手から大島洋平選手まで1番から3番までが全員左打者になりますが(笑)、「3人でどれぐらい盗塁してくれるんだろう?」という楽しみができますよね。

 土田龍空選手が一軍に上がってきたのも嬉しかったです! 「いい!」という話もすごく聞きますし、すごく自分の軸を持っている選手だと思います。表情を見ていると、度胸と思い切りを持ち合わせている感じがしますよね。一軍でも物怖じせず、ハツラツとプレーしてくれそうです。これは岡林勇希選手とも共通したイメージです。まだまだ課題はあるようですが、僕は岡林選手も上で見てみたいです!

 ほかにも、二軍でホームランを量産している石垣雅海選手を一軍で見てみたいですし、支配下登録された石岡諒太選手もスケール感があっていいですよね。試合終盤、ビシエド選手をベンチに下げるときの守備要員でもいいので、上で見てみたい選手です。

 1勝でも多く積み重ねなければならないので、なかなか実績のない選手を試すことができないチーム事情はよくわかります。でも、渡辺勝さんのような“発見”があったり、未来につながる選手の活躍が見られたりすると、すごく気持ちが高まるんですよね。

 ペナントレースも残り40試合を切りましたが、試合の展開が許せば、もっと若手選手の出場機会が増えてほしいと思っています。オフに2021年を振り返ったとき、ドラゴンズの“希望の光”が見えたな、というシーズンになっていてほしいですね!

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(辻本 達規(BOYS AND MEN))

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