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「柔軟剤」は逆効果? 洗った衣類が臭うときに“増やすべきもの”と洗濯機掃除のポイント《洗濯王子が直伝》

文春オンライン / 2021年9月3日 11時0分

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「洗濯王子」の愛称で親しまれる中村祐一さん ©中村祐一

 洗濯家の中村祐一さんは、長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」の三代目。“洗濯から考える、よりよい暮らし方”を提案し、「洗濯王子」の愛称で親しまれています。今回は洗濯機を掃除する際のポイントを解説していただきました。

◆◆◆

 先日、何気なくYouTubeを見ていると、洗濯機を掃除する動画に目がとまりました。家庭にあるもので手軽に掃除ができるといった内容の動画で、とてもわかりやすく僕も「へぇ~」と思う内容。再生回数も100万回を超えていました。その他の洗濯機の掃除の動画も軒並み何万回も再生されているのが印象的でした。

 これだけ洗濯機の掃除に関する動画が再生されているということは、自分の家の洗濯機が汚れていると感じている人が多いということなのでしょう。

洗濯機を清潔に保つ方法は?

 僕自身も洗濯に関するアドバイスをしていると、「どう掃除すればいいのか」「どのくらいのタイミングですればいいのか」など、聞かれることがとても多いです。

 確かに、洗濯槽を定期的にキレイにすることは大事です。ですが、洗濯機が汚い、変なニオイがするという問題が頻繁に起こる場合、そもそも洗濯そのものができていない、要するに「衣類がちゃんと洗えていない」可能性が高いと思っています。

 近年は、洗濯する際に過剰に節水を求められるため、すすぎ不足になり、洗剤や汚れが衣類に残りがちです。そうすると洗い上がった後、嫌なニオイがするので、柔軟剤を使って必要以上に香りをつけてしまう。そういう環境だと当然、洗濯機自体も汚れます。

 そんな状態で洗濯機のお手入れを繰り返しても対症療法に過ぎず、すぐに汚れや嫌なニオイがぶり返してしまう。だからこそ、洗濯そのもののやり方を改善する必要があると思います。そうすることで、洗濯機も衣類もキレイな状態をキープしやすくなるはずです。

 洗濯機をキレイにしていく時にポイントとなる掃除場所は、以下の3つです。

・洗剤投入ケース、ごみ取りネット、乾燥フィルター、排水フィルター
・パッキンやフタの裏など、洗濯中に陰になる場所
・洗濯槽

 まずは、ケース、ネット、フィルター、などの細かい部分から。この部分は、お手入れしないと洗濯機が正常に機能しない原因になることも。「運転時間や乾燥時間が長くなる」「乾燥不良になる」など洗濯の質が下がり、時間や電気代が余計にかかってしまう原因にもなります。外せる部分は外して洗いたいところです。

 洗剤や柔軟剤の投入口とその周辺は最も汚れやすい場所です。投入口は洗濯するたびに気にかけて、洗剤や柔軟剤がこびりつく前に水で流したり拭き取ったりしておくと、楽にキレイな状態を保ちやすいと思います。

 投入ケースを外したところも、お湯をかけたり歯ブラシなどでこすったりして、こびりついた洗剤や柔軟剤を取り除きましょう。お湯が熱すぎると洗濯機の故障につながる可能性があるので、50℃くらいまでの温度に。

 ごみ取りネットは裏返して、クズをかき取ります。乾燥フィルターは掃除機でほこりを吸うのもよいですし、乾いたタオルなどで拭き取ると、簡単にキレイになります。

 排水フィルターも外してしっかりとこすり洗い。細かい汚れは水につけて歯ブラシで落とします。

 パッキンやフタの内側など陰になる場所は、糸ぼこりや洗剤カス、こぼれた洗剤などが蓄積し、意外と汚れています。タオルやティッシュを手に巻き付け、できるだけ拭き取りましょう。歯ブラシなどでこすって汚れを落としても良いと思います。

 最後にメインの洗濯槽。洗濯槽のクリーナや洗濯用の漂白剤などを使い、「つけ置き洗い」や「槽洗浄」などのコースを利用すれば、あとは洗濯機にお任せでいいと思います。すぐに洗濯する予定がなければ、長めの洗浄時間のコースを選ぶと効果的です。

 つけ置きする場合には、こびりついた洗剤や柔軟剤を溶けやすくするために、せめて40℃くらいのお湯を使いたいところです。油分など水に溶けにくい汚れも落ちやすくなります。ただし、水が行き届かない部分は汚れを取りきれません。完全にキレイにするには分解洗浄などを業者さんにお願いする必要が出てきます。まず手の届く場所をできる限りキレイにしましょう。

 掃除をして洗濯機の汚れをある程度リセットできたとしても、日々の洗濯のしかたによっては、また洗濯機を汚してしまう可能性が高いです。それを防ぐためには「洗濯時の水の絶対量を増やすこと」、これが最も重要なポイントになります。

 最近の洗濯機は節水仕様になっていて、衣類や汚れの量に対して、水の量が圧倒的に足りていません。さらに洗剤が「すすぎ1回」を謳っているので、1回だけのすすぎが定着しつつあります。そのため、ほとんどの人が慢性的に服の汚れが落ちにくい構造の洗濯をしています。

 毎日、いろいろな方から洗濯の相談をいただく中で、「洗濯物のニオイが気になる」という悩みが圧倒的に多いです。ニオイが気になるとおっしゃっていた方のほとんどが、

・洗濯機に衣類を詰め込みがち
・すすぎが1回
・なおかつ柔軟剤を使っている

 といった特徴がありますが、当てはまる項目はありませんか?

 水の量が極端に少なく、洗剤がきちんとすすげていないところに柔軟剤がたくさん入る。そういう洗い方だと衣類に汚れが残り、雑菌も繁殖しやすくなるので、部屋干しした時などに嫌なニオイがしてきます。衣類がそうであれば、洗濯機にも流しきれなかった洗剤や柔軟剤がこびりついても不思議ではありません。

まずは「水」を増やすべし

 嫌なニオイを防ぐ対策として、多くの人は洗剤を変えるとか、いい香りの柔軟剤を使うとか、漂白剤を入れるとか試行錯誤されていると思います。ですが、まず増やした方がいいのは「水」だけ。逆を言えば、「水」以外は増やす必要がありません。使うアイテムが増えても流しきれずに残ってしまえば、余計に汚れやニオイが深刻化する悪循環に陥ります。

 衣類がキレイになる洗濯のポイントは、次の2点です。

洗濯機に入れる衣類の量は少し減らして、水量は増やす

 ドラム式の場合は、ドラムの半分から3分の2までに「衣類の量を調整する」。ドラム式は細かい水量の設定ができないので、「高め」「多め」「注水」といった設定を活用するといいです。

 縦型洗濯機の場合は、洗いはじめに水面より衣類が下になっているように「水量を調整する」。水の量は洗濯機が自動的に測ってくれますが、水量が少なくて上の方が水に濡れないまま洗っていることがよくあります。洗濯機の示した水量よりも1段階~2段階多い水量に設定するようにしましょう。

すすぎ1回と洗剤に書いてあっても、最低2回すすぐ

 水量やすすぎの回数が少ないと、キレイにするはずの洗剤や柔軟剤が、逆に服の嫌なニオイや、洗濯機の汚れの原因になってしまいます。だから、衣類にも洗濯機にとっても「水量」と「すすぎ」はすごく重要なポイント。僕も必ず水量と衣類の量を調整し、最低2回はすすぎを行っています。もし、急いで洗濯を終わらせたいなんて日があって、どうしてもすすぎを1回で済ませるなら柔軟剤は絶対に入れません。

 洗濯機を掃除したくなる。そんな時は、衣類もキレイに洗えておらず、汚れているというサインかも知れません。洗濯機を洗う時は、日々の洗濯のやり方を少しだけ見直すいい機会です。

(中村 祐一)

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