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「日本のショーツは小さすぎ」「輸入モノにレースが多いのは…」アラフィフが知らない下着の“常識”

文春オンライン / 2021年9月24日 17時0分

写真

『週刊文春WOMAN vol.11(2021年 秋号)』

 今月の「大人の女史会」のゲストは、「世界一オッパイを見た魔女」の異名で知られる伊勢丹新宿店の初代ボディコンシェルジュ松原満恵さん。女史たちにどんな下着がしっくりくるのか、お話を伺いました。

20着くらい、持ってきてくれたブラジャーがどれもピタリ

野宮 もう6年ぐらい前、松原さんが伊勢丹を引退される直前、運よくお見立てしてもらったんです。20着くらい、いろんなブラジャーを持ってきてくださって。驚いたことにどれもサイズがピタリ。伊勢丹に魔女がいる! って(笑)。

松原 ちょっと恐ろしい魔女だったみたいで(笑)。

野宮 見抜かれちゃった、何もかも。私はシンプルなデザインのベージュや黒の下着で過ごすことが多いんです。職業柄、撮影のときに当たりが出ないとか、色が映らないとか。ピタッとしてるとお肉が段になっちゃう、とかあるじゃない。

松本・渡辺 わかるわかる。

野宮 すると松原さんが「そうじゃないのよ」って。で、ちょっとフェティッシュな感じのものとか、きれいなレースとか、普段だったら自分が選ばないものを持ってきてくださって。あ、こういうのも案外悪くないなと。新しい発見だった。

渡辺 見ただけで、「この人にはあの下着が合うわ」っておわかりになる?

松原 いいえ、どのような商品をお探しなのか、お好みは何かなどをお聞きして。だいたいのお客様はシンプルな色やデザインを選ばれますが、お客様自身が素敵! と思っていただける商品も一緒に提案するんです。セクシーな感じだったりフェミニンな感じだったり、優しく心地良い気持ちにさせてくれるものだったり。

 普段とは違うものを提案してあげると、おしゃれの幅がとても広がります。清潔で無難なものだけじゃつまらないでしょ。「こういうのも似合うんじゃない?」って。洋服と違って制約がないし、下着は自分自身で楽しむもの。お友達と旅行に行って温泉なんか入るとき、「あ、素敵じゃない?」なんて言われたら嬉しくなりますし。

松本 アラブの女性は華やかな下着をつけるって言いますもんね。普段露出を控えてる分、中は楽しむ。勝負下着じゃないけれど。

松原 そう、それです。特に私のように、会社を引退し社会の仕事を終えてしまうと、洋服もそうですが、下着も頑張らない。勝負なんてしないんです。本当にありきたりのものしか着なくなる。ハレの日がお葬式だなんて言ったら怒られちゃうけれど(笑)。でも、人と接する機会が減ってしまうと、そういう意識が薄れる人は結構多いんです。

渡辺 耳が痛いです(笑)。なんかそんなことすっかり考えなくなっちゃった。

野宮 子育てしてると自分のことなんて二の次になっちゃうもんね。

松原 子育て中はいいんです。ユニクロさんのブラキャミなんてすごくよくできていますから。でも、問題は子育てが終わってから。せめて1週間のうち半分くらいは、いろんな色や形の下着を着てみませんか? って。

 下着によって顔つきも変わってくるんです。スポーティなブラジャーのときはキリッと締まり、レースでふわっと柔らかなブラジャーのときはやさしい顔になる。胸と表情筋ってつながっているんじゃないかなと思うんです。

渡辺 でも、子育てを終えた頃には、体形も崩れちゃって、別にきれいなもの着けてもしょうがないって、やさぐれた気持ちに(笑)。

松原 大丈夫。日本の下着売り場は、国産、インポートものを含め、すごく種類が豊富ですし、絶対に自分の体形に似合うもの、気に入るものがあるはずです。

女性のボディラインが変わってくる、「38歳」という節目

松本 でも、私たちのように50代以上になると、更年期の問題も関わってくる。おしゃれなものを着けようとしても後ろのホックに手が回らない! とか(笑)。それで私、ブラキャミばっかりになっちゃってます。

野宮 私は一見痩せて見えるけど、結構皮下脂肪があって。年を取るごとに肉質が柔らかくなっていくのを感じてる。

松原 だいたい38歳が女性の体の変わり目なんです。徐々にホルモンバランスが崩れてくるのがその頃。そして、閉経を迎える45歳から55歳くらいの間が更年期。脂肪が付いて肉質が柔らかくなっていくわけです。最初はお尻、腰。そこから、おなか、太もも、二の腕、バストの下。そして、背中。

 だからこそ、下着が重要になってくる。体の線の崩れを防ぐためにも。ちゃんとした下着でいれば崩れる速度が弱められる、といわれています。

松本 それはよくわかるんです。でも、締め付けられるのはイヤなんです。

野宮 皮膚がだんだん乾燥してくるからかゆみが出てきたりして、ちょっとでもタイトだったりすると不快になったりするよね。更年期の時期は敏感だから。

松本 それに私は座骨神経痛もあって。とにかく、どこも締め付けたりしたくない。解放したい。それがいちばん大事なんです。

松原 わかります。ホルモンバランスが崩れると感覚や体質、体形が変化しますから、締め付け感やワイヤーの堅さが気になったり、チクチクするのが気になったり。

 ただ、ひとつお伝えしておきたい言葉があるんです。「女性のピークは65歳」と言った人がいます。『フランス人の40歳からの生きる姿勢』という本を書いたミレイユ・ジュリアーノさん。女性としていちばん輝くのは60代になってからで、年寄りとは90歳以上のことを言うのだと。

渡辺 つまり、ピークを過ぎた65歳以降は、性別が関係なくなるってことなんですかね……。

松原 そんな悲しいことではないの(笑)。要するに、もっとハッピーなことが待っている、と。

 なので、下着を替えることで少しでもそういった悩みの解消につながればいいなと私はいつも思ってるんです。各下着メーカーも悩みに寄り添う商品の開発に取り組んでいますし、おしゃれ感があるものも増えてきています。そこで、本日は、事前にお伺いした皆様のお悩みに合わせた下着をいくつか持参しました。

一同 わあ~!

「ブラジャーがずり上がってくる」への答え

松原 ではまず野宮様。野宮様は、「ブラジャーがずり上がってくる」のがお悩みだと伺いました。

野宮 はい。バージスライン(バストの下のライン)が曖昧になってきたので、サイズピッタリのブラジャーでもどんどん上がってきてしまうんです。すると、ワイヤーも当たって痛いですし。それから、脇の下のハミ肉も気になるところ。

松原 そうしたら、いっそのこと、ブラジャーをやめればいいという考え方で、これはいかがでしょう。ワコールの「パルファージュ」から出ているブラレット(写真A)。女性は年を重ねるにつれて「下着は楽できれい」が合言葉。短めのブラキャミのようなもので、ノンワイヤーですからラク。でもホールド感はしっかり。総レースでインポートものっぽい抜け感もあります。

野宮 ホントだ、ガチガチしてない。柔らか~。

渡辺 インポートものって、レースものが多い印象があるんです。ワイヤーが入ってないものも多いですし。海外と日本では、考え方が違うってことですか?

松原 そもそも西洋人と日本人は骨格が違いますし、バストの柔らかさも違います。日本女性の乳房は脂肪が多くて柔らかく、西洋の方は乳腺が多くて固い。だから、寄せて上げる下着を作るのがすごく上手なんです、日本のメーカーは。

渡辺 そうか。向こうの人はダラッとしないんだ。

松原 いずれはみんな崩れるんです、西洋の方も。ただ、欧米のブラジャーは補正用のワイヤーがガチガチに入っていないものが多く着心地がいい。そういう意味で、もうひとつおすすめなのは「ハンロ」のブラキャミ(写真B)。レースも付いてなくてシンプルです。

渡辺 うわ! おしゃれ! 

松原 ハンロはショーツもおすすめ。生地がいいですし、丸編みで縫い目がない。野宮様、松本様から、そけい部の締め付けにストレスを感じるという悩みがありましたが、これなら大丈夫じゃないかなって。

「パンツは小さいほうがいい」という考えから脱却を

松本 実は私、ハンロのボクサータイプを穿いてます、いま。しかもL(笑)。本来はMなんですが、座骨神経痛があるので、とにかく大きいショーツが欲しい。日本のって、大きいサイズがなかなかないんです。XLでも結局小っちゃい。見た感じは大きいんですが。

松原 小っちゃいパンツの方がかわいいという感覚から、日本のメーカーの人たちは、まだまだ抜けきれてないと思うんです。穿いてみるとお尻の肉が出て、ちっともかわいくないのに。

野宮 そうなの!

松原 そういうかわいいショーツがピッタリ合う時期なんて人生でほんの1年くらいなものなんです。

渡辺 短っ(笑)。

松原 1年はちょっとオーバーな言い方ですが(笑)。

渡辺 でも、10代後半から20代前半くらいまでですよね、きっと。

松原 それ以降は、大きくてエレガントなものが似合うし、そういうのがいちばんいいショーツなんです。

一同 そうそう!(拍手)

※続きは発売中の『 週刊文春WOMAN vol.11(2021年 秋号) 』にて掲載。後半では、松本孝美さんのような「座骨神経痛に悩む人におすすめのガードル」、渡辺満里奈さんのような「チクチクやムレが気になる人におすすめの肌にやさしい下着ブランド」などをご紹介します。

お話を伺ったのは……伊勢丹新宿店 初代ボディコンシェルジュ松原満恵さん
1945年長野県生まれ。伊勢丹新宿店で長く婦人肌着コーナーに在籍し、バイヤー、マネージャーを経て、56歳で初代ボディコンシェルジュに就任。定年後も70歳まで働き、「世界一オッパイを見た魔女」の異名で知られた。

text:Izumi Karashima  photographs:Miki Fukano  
hair&make-up & styling: Tsukasa Mikami(Watanabe)

(「週刊文春WOMAN」編集部/週刊文春WOMAN 2021年 秋号)

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