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なにわ男子・道枝駿佑とSnowMan・目黒蓮が「消えた初恋」で“恋人”になったワケ《ジャニーズで増える“BL売り”の真相》

文春オンライン / 2021年10月9日 18時0分

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「消えた初恋」公式サイトより

 少女漫画誌『別冊マーガレット』で連載されている男の子同士の初恋物語『消えた初恋』のTVドラマ化が10月9日より放送される。W主演で「恋人」役を演じるのは、昨年CDデビューしたジャニーズのグループSnowManの目黒蓮と、11月12日にCDデビューが決定している関西ジャニーズJr.ユニット「なにわ男子」の道枝駿佑。

「BL」とはボーイズ・ラブの略で、女性が女性のために男性同士の関係や恋愛を描いた小説や漫画のこと。厳密に言えば本作は少女漫画であり、BLではない。しかし、ジャニーズが売り出し中の若手を主演に据えたこともあり、昨今の広い意味でのBLテイスト(以降、BLと表記する)流行りに本格的に乗り出したのではないかと見る人は多い。

視聴者に大きな衝撃を与えた「社会派同性愛ドラマ」

 振り返ると、ジャニーズ事務所はBL作品がここまでに市民権を得るずっと前に、意欲的な作品に挑戦している。男性同士の恋愛を描いた作品として、いまだに語り継がれる『同窓会』(1993年)だ。同作では、新宿二丁目に出入りしているバイセクシャルの高校生を山口達也、その友人の同性愛者たちを国分太一、坂本昌行が演じていた。

 当時はまだインターネットも普及していなかった時代。本作で「新宿二丁目」という世界を初めて知った人も多かった。おそらく男性同士の恋愛・絡みは、魔夜峰央の漫画&アニメ『パタリロ』しか知らなかった人も多かっただろう。“禁断の愛”として重くセンセーショナルに描かれた同作は、視聴者に大きな衝撃を与えた。

 この翌年に放送されたのが、野島伸司脚本ドラマ『人間・失格~たとえばぼくが死んだら~』(TBS系/1994年)。主演したのは奇跡的に同じ姓を持ち、ジャニーズ事務所でも唯一長年2人だけの世界を貫いているKinKi Kidsだった。

主演したKinKi Kids自体をBL的な視点で愛でるファンが急増

 この作品は名門私立高校を舞台に、過度な偏差値教育の歪みを描いた社会ドラマで、ネット上では「激重」「鬱」「トラウマ」とも言われている。

 正義感が強く、素朴で明るく素直な性格ゆえに、いじめられっ子をかばっていじめの標的にされる転校生の誠(堂本剛)。そしてホームルームでいじめについて自分の意見を堂々と言う誠の真っすぐさに関心を示すのが、中性的な美しさを放つ優等生・留加(堂本光一)だ。2人はすぐに親しくなるが、留加は誠に対して憧れと劣等感、そして歪んだ愛情を抱くようになる。そして、誠を愛しながら、陰のいじめの首謀者となっていく。

 凄惨ないじめに不快感を示す視聴者も多かったが、実はプールサイドで倒れる誠に留加が人工呼吸するシーンなどに密かに萌える不届きなファンも少なくなかった。この作品の影響もあり、主演したKinKi Kids自体をBL的な視点で愛でるファンが急増した。

KinKi Kidsの次は「仁亀」のシンメにトキメキ

 この後、ジャニーズが出演したBL作品で目立つものはあまりない。しかしこうした背景から、ジャニーズの“BL的鑑賞”が浸透していく。コンサートやPVのメイキング、ラジオ番組でのトーク、アイドル誌をはじめとした雑誌インタビューなどの数々から、タレント同士のBL的関係性を勝手に読み解き、妄想するのだ。

 KinKi Kidsの次にBL的鑑賞の的になったのが、KAT-TUNの「仁亀」こと赤西仁×亀梨和也のシンメ(※ステージでの立ち位置がシンメトリーになる2人組が語源で、現在は親密なメンバー2人組を指す)だ。

 2人はこうしたファンの気持ちを知ってか知らずか、ファンがつい読み解きたくなるような言動をしていた。

・亀梨が赤西の誕生日である7月8日に普通自動車の運転免許を取得し、二人でドライブに行った

・靴のサイズが同じ

・ツアーのとき、自分の団扇に見向きもせず、隣の相方の亀梨団扇を見ていた

・亀梨のスリーサイズを赤西が知っている

・無人島に何を持って行くか聞かれ、『友達。亀梨でもつれていこうかな』と赤西が答えた

 などなど……

 この頃にはメンバー同士のワチャワチャを愛でるのはジャニーズファンにとってはお約束になった。タレント側もそういったファンの気持ちは織り込み済みで“サービス”をするようになっていく。

「距離感がバグってる」Hey!Say!JUMPの撮影現場

 例えば、嵐のコンサートで大野智と二宮和也がキスしたり、お尻を触ったりする場面は良く見られた。NEWSの場合はもっと戦略的で、小山慶一郎と手越裕也がキスやハグをしてファンが沸く、というシーンはコンサートのお決まりになっていた。一時期は小山と手越が同人誌の人気コンテンツになっていたとも言われる。

 なかでもBL的鑑賞が大盛り上がりしたのが、7~8年ほど前のHey!Say!JUMPだ。

 彼らの場合、デビュー年が早く、小さな頃から雑誌撮影などを一緒にしてきたことから「バグッてる」とも言われる近い距離感が主な原因だろう。Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔がこんな発言をしていたこともある。

「取材のときには特に“くっついて”って指示がなくても、お互いに寄り添っている姿を見ると、『うわー、Hey! Say!JUMPだ』って、改めてグループの信頼感とか、そういうモノを感じます」(『オリスタ』2012年1月25日号)

 シンメの組み合わせも、「山田涼介×知念侑李(やまちね)」「有岡大貴×山田涼介(ありやま)」「薮宏太×八乙女光(やぶひか)」「伊野尾慧×有岡大貴(いのあり)」「伊野尾慧×高木雄也(いのたか)」など、かなり豊富だ。

 特に人気なのが、デビュー当時センターだった中島と、人気と努力により下剋上してセンターを勝ち取った山田のギクシャクした関係を経た「山田涼介×中島裕翔(やまゆと)」のシンメ萌えだろうか。『SUPER DERICATE』のサビには2人の絡みがあるのだが、テレビ番組で披露するときに比べ、コンサートでは通常より濃厚な絡みをたっぷり見せてくれる。これは当然、BL的鑑賞を楽しむファンの期待に応えているのだろう。

「BLノリはみんな計算してやっています」(元Jr.)

 ちなみに、『サイゾーウーマン』(2017年7月17日)では、【元Jr.独占手記】の中で元ジャニーズJr.がこんな発言をしている。

「最初に断言しておきますけど、ワチャワチャというか、BL(ボーイズ・ラブ)っぽいノリは、みんな計算してやっています。そうすると、ファンが沸くというのをわかった上で、ちゃんと意識して“営業”してるんです」

 そうした流れを経て、さらに本格的に「BL売り」「腐売り(腐女子、BL好きな人が好むような発言や行動をわざとすること)」を始めたのが、おそらくKing & Princeだ。

 2020年のネットへの書き込みには「ジャニオタの腐売りって何ですか」といった質問や、解説が多数見られる。特に神宮寺勇太と岩橋玄樹の「じぐいわ」はあからさまで、「チューやイチャイチャ、抱きつきは当たり前」と言われていた。じぐいわを検索すると「駅でキス」「いちゃいちゃ」などが関連キーワードとして出てくるばかりか、「じぐいわ チュー」を検索すると多数の画像があがってくる。

「腐売り」への不評と凄すぎる「宮玉」

 この2人のイチャイチャに盛り上がるファンは大量にいたが、その一方で、「腐売り」を嫌うファンも少なくなかった。何故なら“BL的鑑賞”の楽しみ方は、彼らが普通に過ごす様子の中からチラリと垣間見える「あれ? この2人……」と感じさせる特別な距離感を目ざとく勝手に見つけ、細々と拾い上げ、それらをつなぎ合わせて読み解き、分析するものだから。「こういうの、萌えるんでしょ」「こういうの、ファンは喜ぶんでしょ」と提示されると萎える、という層も少なくないのだ。

 ジャニーズの腐売りに違和感を持つファンが増える中、驚きをもって受け入れられたのがKis-My-Ft2の玉森裕太と宮田俊哉、いわゆる「宮玉」だ。

 Kis-My-Ft2自体の空気感はクールなため、彼らのガチの仲の良さが際立った。主演した玉森の肉体美が目玉だった舞台『DREAM BOY』では肉体改造のために毎日一緒にジムに通っていたし(宮田は脱がないのだが)、グループで取材を受ける際にも現場に一緒に来て一緒に帰っているのが“通常営業”だ。

 2015年のライブツアーでは「結婚式」を挙げ、『BE LOVE』というユニット曲を披露。2人のシャワーシーンが収録されたコンサートDVDを発売している。

 さらに“結婚生活”3年で死別し、2018年に星になった玉森を宮田が想い、玉森はそんな宮田を空から見守るという曲『星に願いを』を発表。2020年には玉森の死後、玉森と似た人と深い関係になった宮田に玉森が嫉妬を抱き、怒りの炎を燃やすという曲『運命』も発表し、それらの世界観をドラマ化した2人のドラマ『BE LOVE』がdTVで配信された。

 ガチの仲の良さに加え、清々しいほどの異次元レベルでの“腐売り”。ジャニーズとBLがより一層近づく契機となり、ジャニーズファンだけでなく、BL界隈からも注目されるようになったのだ。

ジャニーズ随一の「BLの帝王」激しい濡れ場に称賛の声

 ちなみに、近年、ジャニーズのBL参戦として衝撃が走ったのは、2020年に公開された大倉忠義主演の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』だろう。原作は水城せとなによる超人気BLマンガだ。映画化が発表された際には、「ジャニーズがBL参戦って……」「『OL(おっさんずラブ)』以降、BL作品出演=人気と思っているのかな」などと原作ファン、ジャニーズファン共にその戦略を訝しむ声もあった。

 ところが実際に公開されると、そんな声は消し飛んだ。軽いキス程度だと想像された絡みはかなり濃厚で、ディープキスから始まり、男女双方との裸体をさらしてのねっとりした濡れ場の数々が上映された。大倉の意欲的な体当たりぶりには「現役アイドルが良くやった!」と称賛する声が多く、繊細な演技には役者としての新境地が感じられた。

ジャニーズとBLの距離はますます近く

 ちなみに、大倉は主演舞台『蜘蛛女のキス』(2017年)で“BL”は経験済みだ。彼が演じた革命家のバレンティンは、渡辺いっけい演じる同性愛者の囚人モリーナと徐々に心を通わせ、禁断の愛に踏み込んでいく。その後の『窮鼠~』の流れにより、大倉は一部ファンの間で“BLの帝王”ともあだ名されている。

 秋ドラマ『消えた初恋』は、こうしたジャニーズにおけるBL売りの試行錯誤の歴史の末に放送される。本作にW主演する目黒蓮と道枝駿佑に、それだけジャニーズ事務所が並々ならぬ期待を持っているということだろう。ジャニーズの別グループのメンバーが“BL作品”に出演するのは、『同窓会』以来なので約30年ぶり。『消えた初恋』でジャニーズとBLの距離はますます近くなっていくことだろう。

(田幸 和歌子/Webオリジナル(特集班))

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