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宮脇咲良は“BTSの妹分”に? 日本人メンバー2人復帰のAKB新曲は不調…IZ*ONE解散、メンバー12人の「その後」

文春オンライン / 2021年11月4日 18時30分

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IZ*ONE ©getty

 4月28日、IZ*ONEが惜しまれながら2年半限定の活動期間を終えた。最後の1年はコロナ禍ということもあり十分な活動はできなかったが、K-POPガールズグループではBLACKPINKとTWICEに次ぐ人気だった。

 2018年のオーディション番組『PRODUCE 48』(『プデュ48』)から生まれたIZ*ONEは、さまざまな芸能プロダクションに所属するメンバーが期限付きレンタル移籍のようなかたちで集まって構成されていた。解散後、12人はめいめいの所属先に戻っていった。そのなかには、AKB48グループのメンバー3人も含まれる。

 それから半年が経った。12人はどうセカンドキャリアを歩いているのか。

ソロデビューを果たしたクォン・ウンビとチョ・ユリ

 まず、ソロでデビューしたメンバーがふたりいる。クォン・ウンビとチョ・ユリだ。

 リーダーを務めていたクォン・ウンビは、2014年にガールズグループ・Ye-Aの一員としてデビューしたが、翌年に脱退し所属プロダクションも移籍した。IZ*ONEのメンバーとなるのはその3年後だ。そしてこの8月にソロとしてのミニアルバム『OPEN』でデビューを飾った。つまりIZ*ONEが2度目のデビュー、今回が3度目のデビューということになる。彼女は、IZ*ONEで見事に人生を切り拓いた。

 メインヴォーカルだったチョ・ユリは、2017年にオーディション番組『アイドル学校』のファイナリストになるものの脱落。ガールズグループ・fromis_9のメンバー入りを逃したものの、その翌年にIZ*ONEの一員になった。そして、この10月にシングル「GLASSY」でソロデビューしたばかりだ。ユリは、その迫力ある高音パートでIZ*ONEにおいては歌の柱とも言える存在だったが、今回のソロデビュー曲は彼女のハスキーがかった声質を巧みに使ったシティポップだ。

新グループ、MC、モデル…他のメンバーの動向は

 ソロデビュー組とともに、もっとも目立っているのはダンサーとして活躍したイ・チェヨンかもしれない。彼女は、8月から10月にかけて放送されたMnetのダンスサバイバル番組『STREET WOMAN FIGHTER』(以下『SWF』)に出演した。

 韓国でかなりの人気を博したこの番組において、チェヨンはアイドルであることを理由に見下され涙するシーンもあった。実際に彼女はかなり苦戦し、結局ファイナルまで残ることはできなかった。だがひたむきにダンスを磨いていった結果、十分な印象を残して番組を去ることになった。


 宮脇咲良とともにセンターを務めていたチャン・ウォニョンは、同じSTARSHIP所属のアン・ユジンとともに新グループでデビューすると見られている。11月2日に、同社は6人組の新ガールズグループ・IVE(アイヴ)のデビューを発表し、ユジンがリーダーを務めることになった。

 また、ウォニョンはKBS『ミュージックバンク』、ユジンはSBS『人気歌謡』と、ともに人気音楽番組のMCを務めており、露出は維持している。

 一方、動きが目立たないメンバーもいる。韓国では7月以降に新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、9月末に過去最多の感染者が確認された状況だ。現在はどこの芸能プロダクションも新たな展開に様子見の状況を続けている可能性が高い。

 ラップなどを担当していたチェ・イェナは、バラエティ番組での活動が目立つ。IZ*ONE加入前も子ども向け番組でMCを務めていたこともあり、現在は明るいそのキャラクターで各所で活躍している。その一方で、所属するYUE HUAエンタテイメントでは、ガールズグループのEVERGLOWが昨年から今年にかけて大ヒットしており、そこに加入する可能性もずいぶん前から囁かれている。

 宮脇咲良やキム・ミンジュとともにIZ*ONEのヴィジュアルを支えたカン・ヘウォンは、解散直後にInstagramを開設し7月には写真集『Beauty Cut』を発売した。価格が4200円ほどにもかかわらず、韓国で1万部を超える売上になったという。今後はモデル業やユーチューバー業を中心にすると見られる。

K-POPの経験が生かせない日本勢

 IZ*ONEにレンタル移籍していたHKT48の矢吹奈子とAKB48の本田仁美は、帰国した4月からそれぞれ元のグループに戻って活動を続けている。バラエティ番組でも「元・IZ*ONE」として出演する姿が目立つ。

 しかし、AKB48グループはコロナ禍で厳しい状況が続いている。昨年春以降は握手会を開催できないため、握手券が封入されたCD複数枚購入の“AKB商法”が破綻しかけている。

 HKT48は、5月に1年1ヶ月ぶりのシングル「君とどこかへ行きたい」をリリースした(ただし矢吹奈子はこの曲には不参加)。AKB48も9月にシングル「根も葉もRumor」を発表するが、これも1年6ヶ月ぶりだった。

 しかし結果を見れば、矢吹と本田の復帰はCD売上の起爆剤にはなっていない。HKT48の「君とどこかへ行きたい」の売上は、前作から2万枚少ない17.6万枚に減った。それよりも厳しい結果なのはAKB48の「根も葉もRumor」だ。今回は姉妹グループのメンバーが参加していないこともあり、前作の売上(約118万枚)の約3割である、約36万枚(発売4週目段階)にとどまっている。激減と言える数字だ。

 今後も握手会がおそらく数年は再開できないことを考えると、48グループにはさらに厳しい状況が待ち構えている。

 また、本田仁美がK-POPで得た資産(技術や表現力)も、塩漬けにされたままだ。「根も葉もRumor」は、サビになればヴォーカルもダンスもユニゾンになる、相変わらずの「よさこいソーラン」しぐさだ。ダンスにはIZ*ONEで見られたような巧みなフォーメーションはなく、本田仁美も大勢のひとりとしてがむしゃらに踊らされているだけ。これが、AKB48のクリエイティヴの惨状だ。

“BTSの妹分”として新グループ加入が予想されている宮脇咲良

 IZ*ONE加入前には女優として活躍していたキム・ミンジュは、今後は演技の道に戻ることが確実だ。9月、BTSの所属するHYBEの新グループにスカウトされたと報道されたが、翌10月、女優業を本格化するためにその提案を断ったと所属プロダクションがコメントした。

 そして、やはりもっとも注目されるのは、IZ*ONEの中心メンバーだった宮脇咲良だ。

 4月末に日本へ戻ってきた宮脇は、5月中旬のHKT48復帰と同時に卒業も発表。6月には卒業コンサートも終えた。帰国していた4ヶ月間は日本での残務をテキパキとこなしていた印象だ。

 動きが見えたのは8月末からだ。宮脇はふたたび渡韓し、9月には4年半続いていたラジオ番組も終了した。そして、11月1日には日本の所属先だったヴァーナロッサム(旧・AKS)との契約満了が発表された。

 宮脇の去就は、IZ*ONEで活動していた3月からすでに噂されていた。新たな移籍先は、HYBEであることはほぼ確実な情勢だ。

 彼女とともにHYBEにヘッドハントされたのは、宮脇とともにIZ*ONEで人気メンバーだったキム・チェウォンと見られる。クォン・ウンビと同じウリム所属だった彼女は、契約満了を経てHYBEに移籍した。チェウォンはRocket Punch加入が有力視されていたが、HYBEにより大きな可能性を見たのだろう。予想されているのは、宮脇とチェウォン、そして『プデュ48』で後半まで残ったホ・ユンジンなど複数の新人を加えた新ガールズグループだ。

 HYBEは、近年TOMORROW X TOGETHER(TXT)やENHYPENなどといった男性グループを生み出し、さらに複数のプロダクションを買収したり、fromis_9を完全移籍させたりするなど、急速な業務拡大を図っている。これは遠くない未来にBTSメンバーの兵役による活動停止が待ち構えているからだ(詳しくは「 ポストBTS時代を見据えたHYBEのグローバル戦略 」2021年9月24日)。

 宮脇咲良とキム・チェウォンによる新グループもその一環だ。彼女たちは“BTSの妹分”として、グローバルマーケットを狙った展開をすると見られる。

もはや日本はポップカルチャー後進国

 IZ*ONEの元メンバー12人の動向から見えてくるのは、K-POPが人材の流動性を高めていることだ。韓国芸能界は、自由貿易が進むグローバル市場では当然の人材獲得競争を実践している。00年代、韓国のサムスン電子やLGは、日本の家電メーカーの技術者をヘッドハンティングしてテレビ受像機で世界のトップに立った。いま東アジアの音楽シーンで起きているのは、あのときと同じことだ。

 K-POPは宮脇咲良にIZ*ONE加入のチャンスをもたらし、その3年後には世界最大の音楽プロダクションへの移籍を導いた。彼女が今後目指すのは、より積極的なグローバル活動だ。それは48グループではけっして見ることのできない風景だ。

 逆に、いまわれわれに問われるのは、なぜ日本の芸能界は宮脇咲良を失ってしまったか、ということだろう。

 00年代以降、ジャニーズやAKB48による歪なヒット戦略や地上波テレビなどのメディアの怠慢、そしてオリコンのヒット指標の機能不全によって、日本の音楽業界や芸能界は長らく閉塞状況を続けてきた。結果、現状に甘んじて前例を踏襲することばかりが横行し、育成や抜擢を怠ることで個々人の能力を軽視し続けた。

 たとえば、いまも日本では「23歳でアイドル再デビューは厳しい」など、宮脇に厳しい声が投げかけられる。だが、そもそもそれは先入観に基づいた古い認識でしかない。前例がないなら、前例を作ればいいだけの話だ。イノベーションはそうやって始まる。

 宮脇咲良のK-POPへのUターンは、日本芸能界に対して強いアイロニーとなって跳ね返ってくる。有能な人材が未来を切り拓くために選んだのは、日本ではなく韓国だったからだ。ポップカルチャーにおいて、もはや日本はかなりの後進国であることを強く自覚したほうがいい。

(松谷 創一郎)

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