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そばつゆに燻製香が絶妙にマッチ…立ち食いそば屋で「シャウエッセンそば」を食べくらべ《四者四様の絶品メニュー》

文春オンライン / 2021年12月7日 11時0分

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「のじろう」の三津田昭宏店長に経緯を聞いてみた

 個人経営の立ち食いそば屋4軒が面白いキャンペーン企画を始めたという。そのお題が「シャウエッセンそば」。

 シャウエッセンといえば日本ハム株式会社が1985年に発売した超人気の粗びきウインナーソーセージである。100%粗びきの豚肉と羊の皮を使い、パリッとした食感が特徴的だ。

 さて、そんなシャウエッセンを使ったそばの企画とはどのようなものなのか、そしてどんな商品が出来上がったのか、じっくり取材してみることにした。

「立ち食いそば四銃士」の壮大な企画

 江古田の立ち食いそば屋「のじろう」店長・三津田昭宏さんが、11月16日夜8時半に次のようなメッセージをTwitterに掲載した。

「一人はみんなのために、みんなは一人のために!! 立ち食いそば四銃士が繰り広げる壮大なるシャウエッセン企画。当店は11/19(金)より開始予定です。ぜひご賞味下さいませ。立ち食い肉そば・肉うどん のじろう」

 参加した店は江古田「のじろう」、矢口渡「まる美」、秋葉原「そば清水や」、梅島「雪国」の4店である。「のじろう」「まる美」「清水や」は1年以内に開業した新店で、4店すべての店長が同年代とか。

 三津田店長に話を聞くと、次のような流れで企画がスタートしたことがわかってきた。今年の夏前頃、三津田さんが「まる美」に訪問。また「まる美」店主の古瀬博文さんも「のじろう」に相互訪問し、何かキャンペーンをやろうという話になったという。そして、若者や学生さんでも気軽に食べることができるメニューを開発して販売しようということになり、目を付けたお題がシャウエッセンだったという。

「どうせやるのなら仲間を増やそう」ということになり、文春オンラインに掲載されていた「清水や」と「雪国」に話を持ちかけたというわけだ。文春オンラインが取り持ったということは大変光栄なことである。

 メニュー開発の方法はお題の「シャウエッセンを使うこと」以外はすべて自由。そして、各店で試行錯誤すること約1か月。四者四様のシャウエッセンそばが誕生した。他店のメニュー写真を見て、全店主がびっくり仰天したというユニークなメニューが出揃った。それでは全4店の「シャウエッセンそば」をみていくことにしよう。

「のじろう」は「肉巻きシャウ天」

 5か月ぶりの訪問である。「のじろう」では「肉そば」が一番人気商品であり、シャウエッセンにもその肉を使ってみようということになったそうだ。「シャウエッセンに豚バラ肉を巻いて天ぷらにしてみました」と三津田さんは説明してくれた。

 その名も「肉巻きシャウ天そば・うどん」(450円)。その姿はなかなか壮観だ。バラ肉を巻いて揚げたシャウエッセンが2つ、わかめがたっぷりのってねぎが添えられて登場した。アツアツの独特のつゆをひとくち。鯖節や宗田節が利いたシャキッとした味である。麺は相変わらずの太麺。

 さて肉巻きシャウ天をひとくちガブリ。しっとりしたバラ肉の中から、パリッと皮がはじける食感が伝わってきて、シャウエッセンから燻製香のある肉汁がほとばしる。それがつゆと融合してやたらうまい。シャウエッセンがそばつゆにこれほどよくマッチするとは意外であった。そしてわかめを交互に食べ進む。

 途中、卓上にあるラー油をシャウ天にかけまわして食べると、これがまた抜群にうまい。味変のマジックである。この味なら日大藝術学部、武蔵大学、武蔵野音大の学生達にも人気が出ること間違いなしだ。

「一応10食限定になりますが、大切なキャンペーンなので注文がなくなるまでしばらく続けます」と三津田店長。頼もしい限りだ。

「まる美」は「ぱりぱり‼シャウそば」

 次に向かったのは東急多摩川線矢口渡駅近くの「まる美」。久しぶりの訪問にもかかわらず、古瀬店主とお母さんが笑顔で迎えてくれた。「ぱりぱり‼シャウそば」(450円)のチケットを買い席に着く。人気は上々のようで、10時過ぎには売り切れる日もあるとか。

 登場したその姿を見てびっくり。シャウエッセンを春巻きの皮で巻いて、そのまま揚げたものが2つのって登場した。まずアツアツのつゆをひとくち。甘みの少ないきりっとしたつゆが沁みる。そしてシャウをかじると春巻きの皮がまずパリッとはじけて、さらに中のシャウエッセンがパリッとはじける。パリッとダブルではじけるのか。これは奥深い味である。そして燻製香の肉汁が口内にほとばしる。

「自分の娘がウインナーで揚げ春巻きを作っていたのを思い出し再現してみました」と古瀬店主はいう。なるほど家族の絆が詰まった味である。「若い人向きに作ったのですが、年配のお客さんが毎日これを目当てに食べに来てくれるようになっています」とうれしい一面も。

 いまは「げそ天そば」と人気を分け合っており、古瀬店主もしばらくは続ける予定だという。

「雪国」の「シャウエッセンそば」

 3軒目は東武スカイツリーラインの梅島にある「雪国」で提供されている「シャウエッセンそば」(450円)。「雪国」は何度も文春オンラインの記事に掲載していただいているお店で、2か月ぶりの訪問である。

「うちはシャウエッセンとたぬきをのせたそばです」と山田店主はいう。その配合などを随分研究したようで、揚げ玉は通常の「たぬきそば」の3/4位の量がシャウエッセンの味とバランスがよいとのこと。また、シャウエッセンの注文後の加熱法は電子レンジで30秒がベストで、40秒だと羊の皮が爆発するそうである。

 さっそく「シャウエッセンそば」に春菊天を別皿で注文した。そばは藪をチョイス。するとおもむろにシャウエッセンを2つとりだし、電子レンジへ。その間にそばを湯通しし、アツアツのつゆをどんぶりに入れてシャウエッセンをのせて揚げ玉をかけて登場した。

 まずつゆをひとくち。じんわりと出汁が利いた熟成したまろやかなつゆである。そして、熱くなったシャウエッセンをパリッとかじり、つゆをすすりそばを食べる。これはシンプルなのになんともいえない燻製香の利いた肉汁がつゆと融合して傑作的うまさになっている。

「ポークソーセージを使ったそばを考案しようと準備していた時にこの話が『のじろう』の三津田さんから来たのですごいタイミングだったんです」と山田店主は話す。

最後は「シャウシャウタコかいな~そば」

 最後の4軒目は、秋葉原の「清水や」で提供されている「シャウシャウタコかいな~そば」(480円)。

 平日の午前10時頃にうかがうと、「いらっしゃいませ~」と宮田純花店長の透き通った美声の挨拶が飛び込んできた。宮田店長は歌謡曲や演歌の作詞・作曲家・歌手でもある。さっそくネーミングの由来などを聞いてみた。

「シャウエッセンそばの話を聞いた時、娘のお弁当にタコさんウインナーをよく作っていたことを思い出して、即決定しました」と宮田店長。こちらも家族の思い出がルーツのようだ。

 登場した「シャウシャウタコかいな~そば」には黒ゴマで目をつけたタコさんシャウエッセン3本と多めのわかめとネギがのっていて、なかなかユニークなビジュアルである。まずアツアツのつゆをひとくち。出汁も感じるしっかりとした口当たりのよいつゆだ。そばは生麺でコシもある。そして、シャウエッセンをかじるとパリッと音がする。タコ足の部分はつゆの味が沁みていてなかなかうまい。

「最初はタコ足を曲げるのにフライパンで炒め焼きしていたのですが、いまは茹でるようにして、シャウエッセンの皮のパリッと感を残すように工夫しました」と宮田店長さすがである。

 しかし、壁に貼ってあった「昭和どんぶり」(500円)もすごいビジュアルだ。次回はこれをいただこうと思う。

「シャウエッセンそば」を食べて感じたこと

・個人店の立ち食いそば屋が共同でキャンペーンをやるということはあまり聞いたことがない。

・しかも、決して老舗そば屋では使わないであろう「シャウエッセン」というトッピングを使うという大変ユニークな内容。

・また、全店がバラバラのメニューを作り上げたことはナイスアイデアといっていい。

・シャウエッセンの燻製香のある肉汁はそばつゆとそばにすごくよく合うことがわかった。つまり、一歩進んで、例えばベーコンなどのトッピングもそばに合いそうだ。

・しばらくは4店ともメニューとして提供する予定という。

 最後に余談だが、今回の4店舗を1日で制覇するのは相当な至難の技であることも付け加えておこうと思う。

 他の個人店の立ち食いそば店、いや大手店も是非、「シャウエッセンそば」の仲間になって、ユニークなアイデアを考案・発売してほしいと思う。期待しています。

INFORMATION

のじろう

住所:東京都練馬区小竹町1-57-5
営業時間:8:00~20:00
定休日:なし

まる美

住所:東京都大田区多摩川1-2-23
営業時間:6:00~15:00
定休日:不定休

立喰そば雪国
住所:東京都足立区梅島1-12-7
営業時間:6:30~18:00
定休日:日祝

そば清水や
住所:東京都台東区台東1-1-15
営業時間:6:00~18:30(土曜日13:30まで)
定休日:日祝

(坂崎 仁紀)

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