【追悼】「『絶対に開けるなよ』と言われ、ドアを開けなかったことを後悔している」上島竜兵さんの“最後の息子”が明かす《愛すべき素顔》
文春オンライン / 2022年5月18日 11時0分

上島竜兵さん ©文藝春秋 写真/宮崎慎之輔
【追悼】「有吉や竜兵会のメンバー…本当に近い人はすぐにコメントなんか出せない」モト冬樹が心配する“上島さんを愛する人々”と“お蔵入りになった新番組” から続く
「『いったい、何を目指してるんだっ!』ていうくらい昔ながらの漫才をしている、面白い奴らなんですよ」
5月11日に急逝した「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さん(享年61)。生前、自宅からほど近いカフェバーで居合わせた客に対して、目じりを下げて“ある後輩芸人”についてこう話していたという。
カフェバーの店主が語る。
「上島さんは2015年くらいから店に通ってくださっていました。上島さんは店内に入ってすぐの窓際の席に座ることが多かったです。1杯目から決まって芋焼酎で、ゆっくり、ちびちび、楽しく飲む人。他のお客さんによく気付かれて声を掛けられていましたが、誰に対しても笑顔で『どーも』って挨拶する優しい人柄でした。窓から街の風景を見ながら、お酒を飲むのがお好きでした」
来店するのは週に1回程度。1人で顔を出すこともあれば、売れていない後輩芸人を伴って訪れることも多かったという。
上島さんの“後輩愛” 特に目をかけていたのは…
「意外だったのは、体を張ったリアクション芸を披露するテレビとは違い、プライベートでは自分の好きな映画や時事ニュースについての意見や感想を真面目に語ってくれました。一番覚えているのは、2時間ドラマが好きだという話。一緒にいた後輩芸人たちと『「アメトーーク!」で2時間ドラマ芸人企画をやってほしいよな』なんて話されていました。お開きになるとどんな時もお会計はいつも上島さん。後輩がどんなに断っても、必ずタクシー代も渡していました」(同前)
有吉弘行、土田晃之、劇団ひとりなど、多くの後輩芸人に慕われた上島さんだが、最近一番気にかけていたのが、慶応義塾大学出身でボケの福島敏貴(30)とツッコミの高木貫太(30)のコンビ芸人「ストレッチーズ」だったという。冒頭で上島さんが語っていたのは、彼らのことだ。
「ストレッチーズの福島さんとはよく飲んでいたようです。何度か一緒にお店に来てくれて、同じ事務所のストレッチーズを『ラストサン(最後の息子)』と呼んで特に目をかけているようでした。彼らのライブにもお忍びで観に行っていたようです。『あいつら大丈夫かな。飯食えてるかな』といつも心配していました。
上島さんが亡くなった日の朝、ストレッチーズが『スッキリ』(日本テレビ系)の番組内で漫才を披露していたんです。まさかこんなタイミングになってしまうなんて……。いたたまれない気持ちになってしまいました」(同前)
ストレッチーズに所属事務所を通して上島さんへの思いを聞くと、福島が文書で追悼コメントを寄せた。
ストレッチーズが明かした「上島さんの優しすぎる素顔」
《上島さんは一番お世話になっていた、誰よりも面白くて、優しくて、かっこいい、大好きな先輩でした。正直、未だに実感はありませんし、これからどうやって気持ちが落ち着いていくのかも分かりません。数々の諸先輩方に比べたら、付き合いは短いですが、僕と上島さんの貴重な思い出を綴りたいと思います。
31歳も歳の離れた何でもない僕を可愛がって「竜兵会」のメンバーに誘ってくださるほど、本当に懐の深い方で、沢山飲みに連れて行ってくださり、この2年ほどは毎週のようにオンライン飲みを誘ってくださり、上島さんのお陰で楽しくて貴重な日々を過ごさせていただきました。
昨年の夏頃に、僕が体調不良により念のために2週間の自宅療養をしている時には、奥さんと一緒にお弁当を作って玄関先まで持ってきてくださったこともありました。「今はドアを開けるなよ。絶対に開けるなよ」とドア越しの上島さんの声が聞こえて、とても迷った挙句、ドアを開けなかったことは今となっては後悔しています》
《数十人しか入らないような小さな劇場に、僕らの漫才を見に来てくださったこともありました。「冒頭は良かったけど、後半をもっと面白くしないとな」と具体的なアドバイスもくださり、僕らが目指しているM-1のことをいつも気にかけてくださっていました。こんなにも身近に寄り添ってくださって、国民の大スターでありながらも一番親しみを感じられたのは、上島さんの器の大きさ故だと思います。
信じてくれた上島さんに「売れた姿を見てほしかった」
上島さんは毎回「仕事はどうだ?」「ご飯食べれてるか?」と心配してくださるとともに「お前は売れる」と励ましの言葉をかけてくださりました。告別式で最後にお会いした時は「ありがとうございました」とお礼に加え、「売れます。また報告しに行きます」とお伝えしました。本当は、もし僕が売れることができたら、その売れた姿を見てほしかったです。
上島さんの真似をして、同じお酒を注文して、同じ数だけ飲む僕を見て「お前も飲めるなあ」と嬉しそうにニコニコ微笑む上島さんにお会いできないと思うと寂しさが募りますが、上島さんが最後に可愛がった後輩という自信を胸に前に進んでいこうと思います。
上島さん、ありがとうございました。賞レースの賞金で黒霧島を買って、乾杯しに行きます》
上島さんに“息子”の言葉は届いているだろうか。
◆◆◆
【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
▼いのちの電話 0570-783-556 (午前10時~午後10時)、 0120-783-556 (午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前9時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 (対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120-279-338 (24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは 0120-279-226 (24時間対応)
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
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