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「女の子の前で卑猥なことを言うのが止まらなくて…」元プラス・マイナスの岩橋良昌が“悪魔の病気”に悩んだ30年間「なんで俺だけこんなやねん、苦しすぎる」

文春オンライン / 2024年9月29日 17時0分

「女の子の前で卑猥なことを言うのが止まらなくて…」元プラス・マイナスの岩橋良昌が“悪魔の病気”に悩んだ30年間「なんで俺だけこんなやねん、苦しすぎる」

元「プラス・マイナス」の岩橋良昌さん(右)とたかまつななさん

〈 「もう浜田さんとの絡みがなくなってもいいと思って…」元「プラス・マイナス」岩橋良昌が芸能界の闇を告発した“積年の理由”とは 〉から続く

  2024年2月、SNSでの不適切な投稿や配信が原因で吉本興業からマネジメント契約を解消され、お笑いコンビ「プラス・マイナス」の解散にまで至った岩橋良昌さん。その背景には何があったのか。以前から公表していた強迫性障害との関係は? YouTube「たかまつななのSocial Action!」で、その本音に迫りました。(聞き手:たかまつなな/笑下村塾)

「本当に苦しい病ですよね。死にたくなる病気です」

――岩橋さんは、自身が強迫性障害であることを公表しています。冒頭で、パワハラを告発したのもこの病気の症状が爆発して自暴自棄になったことがきっかけだと話されていましたが、どんな病気なんですか?

岩橋 「悪魔の病気」と呼ばれています。例えば、ガスの元栓を何回も確認しちゃうんです。大丈夫と思って家を出ても、ガスがついているんじゃないかというのが浮かんできちゃう。それが強迫と呼ばれるもので、確認しに行けば安心してすっきりするんですけど。そのあと玄関を出たぐらいでまた「ガスの元栓が閉まってないんじゃないか」というのが襲ってくる。そこで我慢して出発できれば、30分か1時間後には消えることが多いんですが、どうしても我慢できずに確認しに行ってしまう。この地獄のループ、本当に苦しい病ですよね。死にたくなる病気です。

――死にたくなるほど、苦しいんですね。

岩橋 事実、仕事のパフォーマンスへの影響もあります。芸人が面白いのはトランス状態で何も気にならずにトークと漫才に集中できているときなんですけど、頭に強迫が浮かんでしまっているときはどうしても面白さが見劣りするんですよ。他にも自己嫌悪が襲ってきて、疎外感と孤独感、劣等感からうつのような状態に入っていって。死にたい、なんで俺だけこんなやねん、苦しすぎる。なんで夢を邪魔すんねんみたいな。そういう「どぎつい病気」ですね。

――仕事中にそういう癖が出るとき、どうしていたんですか?

岩橋 本番が始まるときの「3秒前、2、1」みたいなのが苦手で。あれが怖くて、あのカウントが始まるとすごい癖を出したくなるんですけど、そうならないために1人で早めにテレビ局に入ってトイレの個室でいろいろなことを処理して「よし」となって楽屋に戻ってスタンバるんですけど、また気になってトイレに行ってみたいな感じです。

――テレビ出演も多かったのに、そのたびにそれは大変ですね。

岩橋 漫才に出ていく前に毎回。だからしんどくなっちゃうんです。年間600回くらいそんなことがありました。

――それはプレッシャーもありますね。

岩橋 「はいどうもー」ってスッと出て行けたことなんてほぼないんじゃないんですか。一人で隠れてトイレに行ったり、人目のつかない階段の裏に行ったりして、自分で処理して出て行って。ダメだったらまた誰も見ないところに戻って。こういうキャラやから、別に人前でやったらええやんと思われるかもしれないですけど、子どものころから変な人にいじめられてきているし、変な人に思われる恐怖もあるので、自分が処理しているときの姿は隠してしまうんでしょうね。

――いつから症状があったんですか?

岩橋 小学2年生ぐらいのときに、授業中にアーッとか言うようになっちゃって、そこからいじめられるようになりました。

――強迫性障害であると分かったのはいつごろですか?

岩橋 高校生のとき、思春期に「汚言症」と言って、女の子の前で卑猥なことを言っちゃったりするのが止まらなくて苦しんだんですよ。それで親が病院を探してくれました。周りには隠していたんですけど漏れ出すので、クラスのみんなから無視されました。椅子に押しピンとかを置かれたり、物を隠されたり。花瓶が机の上に置いてある。そういうよくあるいじめを受けました。でもそのときはケンカして自分でいじめを止めていましたけど、いじめっ子からしたら格好の獲物だったと思いますよ。

――症状が抑えられないときはどうしていたんですか?

岩橋 処方されたお薬を飲んでいました。完全には無理ですが、薬を飲むと不安を忘れやすくなるというのはありました。あとはゆっくりお風呂に入る。睡眠時間をたっぷり取る。森林浴をするというのを心がけて、ちょっとずつ付き合っていく感じですよね。

「兄弟ですら、奥さんですら理解はできない。面倒だと思われるのも怖いし」

――当時、身近に相談できる人はいましたか?

岩橋 いなかったですね。分かってくださいと言っても、非常に難しいんですし。親ですら、兄弟ですら、奥さんですら理解はできないというか。細かい説明をしていけばいくほど面倒だと思われるのも怖いし。なかなか人には言えない。

――強迫性障害を公表したのはなぜですか?

岩橋 こんな頭がおかしいやつは世界で俺しかおらへんと思っていたんですけど、高校生のときに病院に連れて行かれて、ほかにも同じ患者さんがいっぱいいらっしゃった。薬もあることを知ったんですよ。それで、人前に立っている自分なら、強迫性障害患者としてありのままの姿を見せることで貢献できることがあるかもしれないという使命感に変わったんです。

  もちろんお前のせいで強迫性障害の患者が誤解されるやんけという意見もあるんですけど、隠すのではなく全部ありのまま出そうと。何回も死ぬ思いをしてきたので、助けたい、ちょっとでも楽になってほしいという思いで公表しました。

「特別扱いされたくないし、理解されないのもつらいんです」

――周りの人にどうされたら嬉しいですか?

岩橋 面白い質問ですね。もちろん特別扱いされたくないし、理解されないのもつらいんです。まずは障害を持って生まれるかどうかはガチャだということ。そして、平等に接してもらうためにも障害のことを知ってもらって、理解してもらうのが大事だと思います。一般の方よりはちょっとだけ発信力があるかもしれないので、一役買っていきたい思いがありますよね。

――もし、周りに強迫性障害かもしれない人がいたら、どうしたらいいですか?

岩橋 最初はびっくりすると思うんですけど、特別視しないでほしいです。否定したり怒ったりはせず、対峙して話して相談するというスタンスでいてほしいです。

――強迫性障害で苦しんでいる方にメッセージがあればお願いします。

岩橋 まだまだ周囲の理解がないので、変な人だと思われたくないし、ほとんどの人が苦しくて引きこもっちゃうらしいんですよね。散歩に出るだけでも気分が変わって症状が落ち着いたりもしますし。誰も悪くないので、あまり自分を責めずに勇気を出してちょっとずつ進んでいければ。僕も頑張りますので。1人じゃないです。いつかみんなの理解が深まって、普通に外でワーってやっても全然大丈夫な、違和感がない社会にしていきたいですね。

――最後に、今後どんな活動をしていきたいか、抱負をお願いします。

岩橋 ありがたいことに岩橋を担ぎ上げようとしてくれている、同じ志で何でも話し合える優秀なスタッフさんもついていますし、今は事務所に所属していた時と違って、クライアントさんと直接顔を合わせて、一緒に飲んだりすることで知り合いが増えています。喜んでもらっているのを直接感じられるので、今はそれがすごいやりがいです。自分のメディアで発信して全国を行脚していくみたいな、そういう活動をしていきたいですね。

監修:森隆徳(精神科医)

 取材の様子はYouTube「たかまつななのSocial Action!」でもご覧頂けます。

(たかまつ なな)

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