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《全員チェック》自民党総裁選の候補者たちの“勝負服”は何アピール? 上川陽子はスカートではなくパンツ、茂木敏充のピンストライプは実は…

文春オンライン / 2024年9月23日 7時0分

《全員チェック》自民党総裁選の候補者たちの“勝負服”は何アピール? 上川陽子はスカートではなくパンツ、茂木敏充のピンストライプは実は…

小林鷹之 ©文藝春秋

〈 小泉進次郎は「知的」の青、高市早苗が上下を黒で統一した理由は…総裁選の“三つ巴”候補者たちが「どう見られたがっているか」を服装から読み解いた 〉から続く

 過去最多の9名が立候補した2024年の自民党総裁選は、政策だけでなく「イメージ」を競うものでもあります。

 各陣営は、どんなイメージを打ち出そうとしているのでしょうか。候補者たちの服装、振舞い、言葉遣いからは「こう見られたい」という各陣営の願いを読み解くことができるのです。

小林鷹之さんのネクタイがオレンジ・白・黒な理由は

 小林鷹之さんのイメージカラーはオレンジです。選挙では赤や青を使用する候補者が多い中で、オレンジは色彩心理学的に「若さ」や「エネルギー」を表します。小泉さんに次いで2番目に若い49歳という年齢を押し出し、世代交代をアピールしたいのだと思います。

 ネクタイは、オレンジ×白×ネイビーのストライプを何本か使い分けているようです。ストライプには、日本人の平坦な顔立ちをキリッと引き立たせる効果があります。

 ストライプの色の組み合わせは、出身大学や所属していた組織のイメージカラーを使用することが多いです。東京大学はライトブルーですが、ハーバード大学は最も有名なクリムゾンと共に白もイメージカラーに入っていて、そこから取ったのかもしれません。

林芳正さんの「くすんだモスグリーン」は「熟練・安定」の自負?

 林芳正さんの総裁選での出で立ちは、グレーのジャケットにくすんだモスグリーンのネクタイという独特な色で統一したコーデが目につきます。​

 ジャケットでは他にもネイビーのパターンがあり、ネクタイも黒の幾何学模様や鮮やかなグリーンまで使いこなしています。全体のイメージは「熟練・安定」という方向性を感じます。

 林さん自身の肌タイプや経歴、年齢にマッチしていて、演説でも自然な語り口調で、服装×話し方×本人の印象がきわめて高いレベルで統一されています。奇抜さよりも安定感を強調するスタイルには、岸田総理に最も近い立場であるという自負が透けて見えるようです。

上川陽子さんは高市さんと同じ上下黒、しかし前面には「女性性・母性」を…

 上川陽子さんは、高市さんに近い上下黒+パールのネックレスというスタイルをデフォルトに選択しています。

 高市さんとの違いは、ボトムスがスカートではなくパンツルックなこと。これによって高市さん以上に威厳と重厚感を押し出しています。

 ヘアスタイルはショートながら女性らしく、イギリスのメイ元首相のようでもあります。パンツスタイルからはヒラリー元国務長官を感じさせ、発言でも「女性」であることのアピールが多く、「女性性・母性」を前面に出す選択をしています。

加藤勝信さんのパステルカラーは「女系家族のお父さん」か

 加藤勝信さんは明るいパステルカラーのネクタイをよく締めていて、柔らかな印象です。4人の娘を育てた「女系家族のお父さん」像を投影しているようでもあります。

 ネット上でつけられた「たわし頭」というニックネームを自虐ネタにしているのも、親しみやすさを演出することに成功しています。「新しい自民党」と言葉にするよりも、外見や話し方でこそ伝わるものもあるのです。

河野太郎さんの光沢素材はデジタル庁への誇りを感じる

 河野太郎さんの特徴は、ネクタイに表れています。光沢のある素材で、ソリッドという格の高いネクタイを、日常のスタイルに崩しながら使い分けています。光沢のある素材を選ぶことも多く、「鮮やか・斬新」という印象を与えます。

 マイナンバーへの言及も多く、デジタル庁での仕事をアピールしたいという意図があるのかもしれません。

茂木敏充さんのピンストライプは「総理のイメージ」を表現

 茂木敏充さんといえばネクタイは、かつては幅広のストライプの印象が強くありましたが、この総裁選では光沢のある水色のソリッド×ピンストライプスーツを着こなしています。候補者の中で、ピンストライプのスーツをメインで使用しているのは茂木さん1人だけです。

 ピンストライプは少し派手な印象もありますが、自民党の総裁室に掲げられている歴代総裁の写真を見ると、実は半数近くがピンストライプのスーツです。茂木さんのスーツのチョイスも、「自民党の総裁感」を演出することを狙っているのかもしれません。

誰に投票するかは、見た目にも大きく影響される

 今回は9人と候補者が乱立する中で、イメージによる差別化の必要性がきわめて高い総裁選になりました。

 実際に、候補の方々も急遽スタイリストを用意したり、服装をがらりと変えたりするなど日々戦いの駒を進めています。

 アメリカのプリンストン大学で行われた、こんな心理実験結果があります。

 被験者に過去の選挙で「当選した人」と「落選した人」の写真を見せ、どちらが政治家に適任か選ぶ実験を行ったところ、被験者たちはどちらの写真が当選した人なのか知らされていないにもかかわらず、実際の選挙で当選した人を選ぶ確率が高かったのです。

 つまり、選挙の投票結果には、見た目の第一印象が大きく影響しているということです。

 そしてこの場合の「見た目」とは決して先天性の容姿だけではなく、表情や姿勢、歩き方、服装や眼鏡など、変えることができる部分を含みます。

 今回の総裁選でも、小泉さんがPR会社をつけたことが話題になりましたが、アメリカでは選挙にPR担当がつくことはもはや当然です。

 果たして自民党はどんなイメージをまとった人を総裁に選ぶのか、戦いは始まったばかりです。

(乳原 佳代)

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