元夫にレイプされカルト教団を追放された女、海難事故から生還した妻が別人と妄想する男…愛と支配をめぐる3つの物語 「憐れみの3章」を採点!
文春オンライン / 2024年9月24日 17時0分
©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved. 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
〈あらすじ〉
ロバート(ジェシー・プレモンス)は行動の全てにおいて、上司のレイモンド(ウィレム・デフォー)の指示に従っていた。しかしある命令を拒否してしまったロバートは、レイモンドの信頼を取り戻そうと奮闘する。
警察官のダニエル(ジェシー・プレモンス)は、海難事故から生還した妻のリズ(エマ・ストーン)が別人だという妄想に取り憑かれる。献身的に尽くすリズに、ダニエルはとんでもない要求をする。
カルト教団に帰依するエミリー(エマ・ストーン)は教祖になるべき人物を探していたが、元夫(ジョー・アルウィン)にレイプされて不浄とみなされ、教団を追放される。
〈解説〉
昨年度アカデミー賞で4部門を受賞した『哀れなるものたち』のヨルゴス・ランティモス脚本・監督作。愛と支配をめぐる3つの物語。同じ俳優が話によって異なる役を演じている。164分。
中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆コメディ好きだが笑えず。脚本に難あり? 実力のある俳優たちなのに残念。緑豊かな町やスッキリしたインテリアに注目。
芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆冒頭の歌詞が鍵。心理的搾取が錯綜し、死に切れない人々が苦悶する。笑っていると、暴力と残酷が扉を蹴破って乱入する。
斎藤綾子(作家)
★★★☆☆気づかないふりをして済ませたい、巻き込まれたくない、そんな日常の出来事を神様目線で嘲笑を誘う演出。苦手です。
森直人(映画評論家)
★★★★☆この監督の本来性への回帰だが、今ではSide-B的な印象かも。初期の脚本家との再タッグで贈る権力に纏わる連作奇譚。
洞口依子(女優)
★★★☆☆プレモンスの魅力と音楽はスクリーンに満載。ある意味原点回帰なランティモス。作り手にコントロールされたくばOK。
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憐れみの3章(英、米)
9月27日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
https://www.searchlightpictures.jp/movies/kindsofkindness
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年9月26日号)
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