実家の理髪店に「本日休業」の札が掲げられ…40年にわたり店に立ち続けた母のゆくえは? 「本日公休」を採点!
文春オンライン / 2024年9月24日 17時0分
©2023 Bole Film Co., Ltd. ASOBI Production Co., Ltd. All Rights Reserved 配給:ザジフィルムズ/オリオフィルムズ
〈あらすじ〉
台中の下町に佇む、昔ながらの理髪店。夫に先立たれたアールイ(ルー・シャオフェン)は、40年にわたり店に立ち、常連客を相手に忙しない毎日を過ごしている。3人の子供たちはそれぞれの道を歩んでいるが、アールイの心配は尽きない。
ある日、台北で暮らす長女がたまたま実家に立ち寄ると、店先に「本日公休(=本日休業)」の札が掲げられ、母の姿が見当たらない。近所に暮らす次女と長男も事情を知らず、三姉弟は携帯電話を持たずに出かけた母を心配する。その頃アールイは、遠くの町に暮らす常連客が病に伏していることを知り、愛車で出張散髪に向かっていた。
〈解説〉
フー・ティエンユー監督の長編第3作。自身の母親をモデルに脚本を書き、実家の理髪店で撮影したヒューマン作品。106分。
中野翠(コラムニスト)
★★★★☆台湾の街の昔ながらの理髪店。店主(中年女性)と常連客。たんたんとした日常にもドラマが。見終わっての後味もいい。
芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆旧世界への郷愁は型通りだし、説明もくどいが、ほのかに香る淡彩の空間が好ましい。理髪は中庸の美徳につながるのか。
斎藤綾子(作家)
★★★★☆昭和の昔の顔馴染みという日本的味わいがある。お節介なご近所さんや大騒ぎするオバサンの群れを連想するが温かい。
森直人(映画評論家)
★★★★☆小商いを営む仕事人の矜持と老いを巡る人間模様が胸を打つ。穏当ながら主題も芝居も全てぴったりサイズが合った作り。
洞口依子(女優)
★★★★☆優しく髪を撫でられる心地よさ。映っている全てに人肌の温かさを感じほっこりする。台中の街並みに佇んでみたくなる。
INFORMATIONアイコン
本日公休(台湾)
9月20日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
https://www.zaziefilms.com/dayoff/
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年9月26日号)
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