1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

父が蒸発→一家離散→家賃5万円アパート…女優・伊藤沙莉(30)が“ドラマ以上に波乱万丈”な境遇を乗り越えるまで

文春オンライン / 2024年9月27日 7時0分

父が蒸発→一家離散→家賃5万円アパート…女優・伊藤沙莉(30)が“ドラマ以上に波乱万丈”な境遇を乗り越えるまで

「はて?」が口癖(『虎に翼』のHPより)

『虎に翼』のヒロインを務めるのは、気鋭の女優・伊藤沙莉。実は、彼女の半生は波瀾万丈そのものだった。更に伊藤の“父”が明かすのは、2人の女優との蔵出し秘話。これを読めば、ドラマからますます目が離せなくなる!

◆ ◆ ◆

束の間の休みに家族と行きつけの韓国料理店へ

 今年の正月、次期朝ドラのヒロインは母、伯母、姉夫婦、姪っ子と行きつけの韓国料理店を訪れていた。千葉県四街道市にあるその店を、かつて彼女は『人生最高レストラン』(TBS系)でこう紹介している。

〈母への感謝の思いが詰まった! 韓国料理〉

 自身を育ててくれた母への感謝を込め、20歳の頃に家族で訪れて以来、折に触れ、足を運んできたという。年末まで撮影が続いていたヒロインにとって、この日はやっと取ることができた束の間の休みだった。

「最近はお仕事が忙しくなって、お母さんが『なかなか娘に会えなくて』と寂しそうにしていました。でも今回、家族みんなで集まり、楽しそうにお話ししていた。帰り際、沙莉ちゃんがお会計をしていました」(店員)

 会話の中心にいた少し掠れたハスキーボイスの持ち主。現在放映中のNHK連続テレビ小説『虎に翼』で、ヒロイン・猪爪(いのつめ)寅(とも)子(こ)を演じる女優の伊藤沙(さい)莉(り)(30)だ。

 ドラマの舞台は、昭和初期。女性の地位の低さに違和感を持った寅子が理不尽に立ち向かい、日本初の女性弁護士を目指すというストーリーだ。寅子が通う明律大学の学生を演じる俳優の松本一樹(28)が語る。

「伊藤さんは度々焼き菓子を差し入れてくれたり、和気藹々とした雰囲気を作ってくれます。凄いなと思ったのは、法律用語が出てくる長台詞があっても台本をスタジオに持ち込んでいないこと。頭と体に沁み込んでいるんでしょうね。撮り直しが10回ほどになったシーンで空気がピリついた時には、伊藤さんが『頑張っていきましょう!』と寅子のように明るく声をかけてくれた。士気が高い現場だからか、撮影はいつも2時間ほど巻きで終わります」

 朝ドラの現場を座長として牽引する伊藤。実はそんな彼女の半生にも、寅子のように様々な「理不尽」が立ちはだかっていた。

父が蒸発→一家離散を経て、家賃5万円のアパート暮らし

 1994年、兄、姉に続く末っ子として生を受けた伊藤。兄はお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介(35)だ。翌95年に父は土木工事会社を千葉市内に設立し、母が役員に名を連ねた。

「お父さんは羽振りの良い感じで、派手な服を着て高級そうな車を乗り回していた。お母さんは自宅で幼いお子さんたちの面倒を見ていました」(近隣住民)

 ところが伊藤が2歳になる頃、資金繰りが悪化。父は家族の元から姿を消してしまう。伊藤は、当時のことを『徹子の部屋』(テレ朝系)でこう話している。

〈おうちがなくなったりとかして家族が一瞬バラバラに住んだり。お父さんの会社がダメになっちゃって〉

 父が蒸発し、伊藤は母の幼馴染の家、兄と姉は兄のサッカー仲間の家、そして母は軽トラで過ごしたこともあったという。「一家離散」を経て、母の姉である伯母も交えた5人の家族はほどなく、家賃約5万円のアパートで暮らし始めた。

「伯母さんがご飯を作り、お母さんは塗装職人として、作業着姿で腰から工具をぶら下げて懸命に働いていた。それでも生活は苦しく、家賃の支払いも大変だったようです」(母の知人)

“貧乏暮らし”の中で通い続けたキッズダンススクール

 伊藤も、著書『【さり】ではなく【さいり】です。』(KADOKAWA刊)で次のように記している。

〈母は寝ずに働いて、働いて働いてなんとか、どうにか、私たちを守ってきた〉

 小学校に上がると、家族は県営住宅へ引っ越し。六畳の部屋に布団を3枚敷き、家族5人で寝ていたという。そんな“貧乏暮らし”の中でも、伊藤が3歳の頃から伯母の送迎で通い続けていたのが、原宿のキッズダンススクールだった。

「沙莉ちゃんはよく団地の下でも学校の友達と踊っていました」(団地の住人)

 ある日、子役募集のオーディション情報がスクールの掲示板に張り出された。ダンスを極めようとしていた伊藤だったが、友人に誘われて参加することに。その作品が、子役デビュー作となる03年のドラマ『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』(日テレ系)。見た目が9歳の少女に若返った大人の女性という難役だった。プロデューサーの山本和夫氏が振り返る。

「大変な子を掘り出した」

「実は沙莉に会う前、100人ほどの子役を見てきました。トップクラスの子役たちだったのに、どの子も『これだ!』とならなかった。やはりキャラクターの設定に無理があるのか……そう思っていたら、沙莉の演技を見て合格を心に決めました。当時『演技経験がない』と言っていた沙莉が何の躊躇いもなく、自然で説得力がある演技をしたのです。驚き、大変な子を掘り出したと思いました」

 幼馴染の1人も続ける。

「リカちゃん人形でよく一緒に遊びました。設定を決め、それぞれの役柄を子どもなりに一生懸命演じるのですが、沙莉ちゃんはとても上手だった。女優の才能があったんでしょうね」

 ただ、鮮烈な子役デビューを果たしたが、その後は不遇の時代が続く。オーディションに臨んでも、選ばれるのはセリフのない役ばかり。伊藤もかつて「文春オンライン」の取材に、

〈小6ぐらいから中学終わるぐらいまでのあだ名が『売れない子役』だった〉

 と明かしている。

エンドロールの名前を見て…決意を固めた瞬間

「売れない子役」から脱する転機となったのは、18歳の時だ。12年公開の映画『悪の教典』だった。

〈エンドロールに生徒のひとりとして、たくさんの名前のなかに私の名前があるのを見たとき「あっ、この仕事、辞められないな」って思いました。なんか気持ちよかったんです〉(同前)

 決意を固めた伊藤。高校卒業に際し、進路希望の紙には「役者」と書いた。それでも、しばらくは、女優業を続けながらアルバイトを転々とする日々。前出の著書によれば、コンビニでは〈レジ打ち中にシンプルに就寝〉、卵屋では〈卵割っちゃったり、個数間違えたり〉と〈ポンコツバイト〉だったという。卵屋のスタッフに尋ねると、

「トラブルもなく、一生懸命働いていましたよ。気さくにサインを書いてくれるし、裏表のない子です」

 再び役者の道を歩み始めた伊藤が〈人生で会った大人で一番厳しい方でした。一番愛情深く教えてくださった〉(前出「文春オンライン」)と語るのが、20歳で出演した14年のドラマ『GTO』(フジ系)の飯塚健監督だ。以降もたびたび彼の作品には出演している。当の飯塚氏が明かす。

期待もあって沙莉には厳しかった

「『GTO』はイジメっ子役でしたが、最初の台本は一話に一言台詞があるかないか。ですが、現場で『こういう時にどう動く?』と大喜利のようにお題を投げると、すぐに色々答えを返してくる。面白い人だと思って、次々台詞を増やしていきました。期待もあって沙莉には厳しかったと思います。『心を動かすには台本の読解が必要不可欠』と伝えましたし、『撮影部や照明部と同じで役者も俳優部という一部署。それが分からないとカメラの前に立つ資格はない』と繰り返しました。周囲への振る舞いや気遣いを見ると、伝わったと思っています」

 こうして女優としてキャリアを重ねていく伊藤。体当たりで挑んだ作品も少なくない。17年の映画『獣道』では、流転の人生を歩みながら、最後はAV女優として成功する女性を演じている。同作でのヌードシーンについて伊藤は、「MOVIE Collection」の取材でこう振り返っていた。

〈トップレスで“出した”ことも“勝負”と思ったシーンのひとつで、初めてで簡単なことではなかった。(略)後悔はないし、むしろ良かったと思います〉

 映画関係者が称賛する。

惚れ込んだ男の“二股愛”報道

「20年公開の映画『タイトル、拒絶』でも、デリヘル嬢の世話係を熱演。伊藤は『この役は誰にも渡したくなかった』と口にしていた。同世代には清楚系の女優も多い中、伊藤は男女のドロドロや業を表現できる数少ない女優なんです」

 そんな伊藤が惚れ込んだ男がいる。19歳上の劇作家・蓬莱(ほうらい)竜太氏(48)。09年には演劇界の芥川賞とされる岸田國士戯曲賞を受賞し、近年は「最も稼げる劇作家」とも言われてきた。

「蓬莱氏が21年夏に手掛けた舞台に沙莉さんが出演したことで、親密な関係になった。彼女の自宅に転がり込むような形で同棲がスタートし、22年4月11日、『FRIDAYデジタル』の報道で交際が発覚します。蓬莱氏は離婚歴があり、成人した子供もいますが、才能豊かでとにかくモテる。沙莉さんもそこに惹かれたのでしょう」(芸能記者)

 だがその直後、週刊文春が4月21日発売号で、蓬莱氏と、伊藤と同い年の女優との“二股愛”を報道。蓬莱氏は深夜に彼女の自宅を訪ねていたが、直撃に「(伊藤には家に行ったことも)伝えてあります」「沙莉ちゃんは僕の子供とも仲良くしてくれてます」などと答えていた。果たして、2人はその後どうなったのか。

浮気を乗り越え、今も2人は仲良く同棲

 伊藤の知人が証言する。

「沙莉は当時、自身のSNSで〈可哀想でも被害者でもなんでもないです〉〈軽率だったということは 本人にも伝えました〉と投稿していた。彼氏の浮気を乗り越え、今も2人は仲良く同棲を続けています。沙莉も男友達が多いですし、気にしていないのでしょう」

 実際、伊藤も22年暮れに、俳優の千葉雄大(35)とゲイバーで飲み明かしていた姿が目撃されている。千葉はその日、酔っ払った伊藤に〈いつでもあんたの味方よ。来年は旅行行けたらいいね!〉などと綴ったクリスマスカードも贈っていた(千葉の事務所に尋ねると「(本人の)直筆です」)。

 サバサバした性格の伊藤は朝ドラの現場でも“恋バナ”をしているようで、

「スモーカーの沙莉さんはいつも喫煙所で、出演者らと明け透けな会話をしています。『最近全然会えてなくてさ〜』などと、蓬莱さんのことも笑顔で話していました」(スタッフ)

彼氏の父が語る2人の幸せ

 地方で暮らす蓬莱氏の父に話を聞いた。

――どんな息子さん?

「竜太は子供の時、兄弟がわあわあ言うてる中で、冷静に見るような観察力があるなと思った。一般的な人とちょっと違う角度で(物事を)見ていました」

――朝ドラヒロインの伊藤さんとの交際については?

「僕はほとんどテレビを見ないけど、女房は(『虎に翼』を)見ているようです。朝ドラで非常に頑張ってはる。ただ、伊藤さんもうちの竜太も売れることが幸せになることじゃない。そういうのは横に置いておいて、ずっと仲良くしてくれたらええなと思います」

 伊藤の事務所は、蓬莱氏との交際などについて「プライベートは本人に任せています」と回答した。

 前出の飯塚氏が言う。

「最近、沙莉と犬の散歩やバドミントンをしました。『朝ドラだからと気負わなくていいんじゃない?』と声を掛けた。『現場で全然褒められない』と言っていましたが、『褒めなきゃいけない段階じゃないでしょって思われてるからでは?』って。その分、私が褒めました。朝ドラの動きも顔も面白いですよね。芝居で自然に笑わせてくれる数少ない俳優部だと思います」

 家族や恩師に支えられ、朝ドラヒロインの座を掴んだ伊藤。蓬莱氏との恋路も順調で、“虎に翼”の彼女は更なる飛躍を遂げていく。

◆◆◆

「 週刊文春 電子版 」および発売中の「週刊文春」では、ワイド「さよーならまたいつか!」にて、記者が見た「よね&轟」、米津玄師「10歳上女社長」との蜜月、尾野真千子の沖縄居酒屋女将ライフなど最終回を迎えた『虎に翼』の出演者について詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年5月2日・9日号)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください