1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

「集落中で噂されて、村八分のようなことに…」パートナーと地方移住→5日後に東京に…早稲田卒の元AV女優(25)が語る、たった5日の移住生活

文春オンライン / 2024年11月23日 11時0分

「集落中で噂されて、村八分のようなことに…」パートナーと地方移住→5日後に東京に…早稲田卒の元AV女優(25)が語る、たった5日の移住生活

神野藍さん

 元AV女優で、現在は会社員と文筆家として活動する神野藍さん(25)。今年の5月には地方移住を決めて新しい場所に移り住んだが、5日で東京に戻ることに。

 そんな彼女に、地方移住のきっかけや5日で東京に戻った理由、AV女優引退後のセカンドキャリアなどについて聞いた。(全2回の1回目/ 続きを読む )

◆◆◆

「東京にこだわる必要がないんじゃないか」と決意した移住

――神野さんは今年の5月に地方移住したそうですね。きっかけは何だったのでしょうか。

神野 会社員としてフルリモートで仕事をしながら、文筆家として原稿を書く生活をしていたんですけど、自分の人生を振り返った時に、東京にこだわる必要がないんじゃないかと思って。

 パソコンさえあればどこでもできる仕事だし、東京じゃない場所に住んだら、執筆活動にもいい影響があるんじゃないかなって。それに地方だったら、元AV女優という過去について触れられることも少なくなるんじゃないかと思って、選択肢の一つとして考えて。

 ちょうどその時にお付き合いしていた方も地方に住んでいたので、今年の1月に移住を決意しました。

――パートナーと移住をすると決めたんですね。

神野 そうです。彼の住んでいる地域に移住をすることを決めたので、実質的には私が家を探して、契約してっていう感じでした。一緒に暮らすというよりは近くに引っ越すようなイメージで。

 それで家を探し始めたんです。条件としては、犬が同居できること、一軒家で庭付きであること、賃貸物件であること、陸の孤島みたいな何もない場所ではなく、それなりに集落があるところで探して。

――「一軒家」で賃貸だとなかなかなさそうですよね。

神野 全然なくて。いわゆる大手の不動産には載っていないんですよね。だから現地に行って、昔からの不動産屋さんを紹介してもらったり、大家さんに直接繋げてもらったりして。

 約2ヶ月探してやっと見つけました。二階建ての一軒家で、築年数で言うと結構古めで、中もリフォームしないといけない場所がいくつかあったんですけど、リフォームしながら自分の快適な家を作っていくのもいいなって思って。即決でした。

準備万端で東京の家を引き払い、購入した車で新居へ

――それから契約や引っ越しの準備を?

神野 念には念をという感じで、何度もその地に足を運びました。長い時は1週間近くホテルステイしてみて、その環境が大丈夫かチェックして。それに最低限生活ができるように事前に家の片付けもしました。

 あとは車も購入して。準備万端で、東京の家を引き払って、そのまま車で新しい家にいきました。引っ越し業者が対応していない地域だったので、大きい家具は事前に送って、あとは段ボールに詰めて、車の後ろに積んで。

――かなりコンパクトな引っ越しですね。

神野 移住するときにミニマリストになろうと思って、断捨離したんです。「いざ、新天地へ!」という新鮮な気持ちで移住したんですが、なんと5日で帰ってくることになってしまって……。

5日で終わった移住生活のワケ

――5日で東京に。何があったんですか?

神野 いろんな理由があったんですが、ここでは生きていけないなって思ったことがいくつかあって。ゴミ出しが当番制になっているような集落で、引っ越すときに全員に挨拶に行って、隣近所に誰が住んでいるのかわかるようなところで。そこは覚悟の上で行ったんですが、自分の存在がなくなるような気がして。

 どこに挨拶に行っても、彼の話は聞かれるけど、私に対しては一切聞いてこないんです。夫に付いていった専業主婦の妻、みたいな感じで、私が何の仕事をしてどうして引っ越してきたのかは聞かない。だから、ずっと彼の付属品のような感じがして。

――神野さんのアイデンティティがないような感覚に。

神野 そうですね。自分の今までの経験とか、プライドを持って仕事をしてきたこととか、全部ないものとされるというか。あくまで彼がメインで私はサブでしかないみたいな気持ちになってしまって。もちろん元AV女優という過去にむやみやたらに触れられるのも嫌ではあったんですけど、何も聞かれないのはそれはそれでどうなのかなって。

「自分って何しにここに来たんだろう?」って思いました。人として扱われないというか無力なんだって思い知らされることがすごく怖くなってしまって。じりじりと自尊心が削られてしまいました。

――神野さんはご実家が宮城県ですよね。ご実家よりも田舎だった?

神野 実家と同じくらいの田舎だったと思います。ただ、実家暮らしの時は、子どもだったので、そういう気持ちを感じたことがなくて。子どもだった自分には見えていなかった街の顔があるんだなと思い知らされましたし、もしかしたら母は感じていたのかもしれないなと思って。

近所の人との距離感になじめず、孤独を感じて

――その他にどんなところが大変でしたか?

神野 距離感ですかね。近所のおじいちゃんが急に庭に訪ねにきたり。何か目的があるわけではないと思いますが、気づいたら庭にいて。東京ではそんな経験をしたことがなかったので、ギャップを感じました。

 あとは東京にいた時と同じことをしていても時間が余るんですよね。友達と会うとか、ジムに行くとかそういう時間がなくなったので、その分どうしようかと思うんですけど、何もやることがない。料理をして犬と遊んでもまだ時間が余る。夜8時にはもう暗くなってみんな寝るんですよ。だから余計孤独を感じるというか。

 東京はせわしくて、人が多くて、眠らない街で、そこが生きづらくもあるのかなと思っていたんですけど、むしろ東京のその部分に助かっていたというか。東京にいると暇とか孤独を感じづらくなるんですよ。一歩外に出れば、何かしらあって、その中にいることで安心できる。

――地方は自分が孤独なことが感じやすいと。

神野 そうです。それと自分の経歴が万が一バレてしまった時に終わるなと思って。誰か一人が知って、それが集落中に回って、噂されて、村八分のようなことになったらどうしようとか考えて。その恐怖を感じながら住み続けるのは精神的にあまりよくないなって。

5日目の朝に彼との関係も終わらせて

――住んでみて初めてわかったと。

神野 そうですね。正直、覚悟が足りてなかったと思います。場所が変われば新しい自分になれるって心の中で思っていたけど、新しい環境に行くということがそんなに簡単じゃなかったというか。

 泊まるのと、住むのは全く違うんだということを改めて感じました。何度その土地に通っていても、やっぱりここにしか家がないという状態で移住するのは全然違う。

 東京まで1時間半くらいで帰れる場所だったんですけど、東京がすごく遠く感じたんです。友達にも簡単に会えない、気楽に話せる人もいない。

――ちなみにパートナーとの関係は?

神野 私が移住3日目くらいにさすがにキツイなと感じて、色々話していくうちに彼との関係も悪くなってしまって。5日目の朝に関係を終わらせて、とりあえず数日分の着替えをキャリーケースに詰めて犬と家を飛び出しました。

 家を出たのはいいけど、タクシーも走ってないんですよね。駅まで徒歩20分だったので、荷物と犬を背負って駅までひたすら歩いて……。

写真= 佐藤亘/文藝春秋

〈 「普通の暮らしはかなり難しい」「『脱いでた裸のまおちゃん』というイメージは…」早稲田卒の元AV女優・神野藍(25)が明かす、引退後の「キャリア」 〉へ続く

(「文春オンライン」編集部)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください