「テレビに出てる人は頭がいい」と高3の秋に慶應大学受験を決意…井上咲楽が明かす、親にウソをついてこっそり受けた“試験の結果”
文春オンライン / 2024年11月23日 11時0分
井上咲楽さん 撮影/荻原大志
〈 「芦田愛菜さんのモノマネでスルメの食リポを…」高1の井上咲楽が「受からない」と思っていたオーディションを突破した“意外な決め手”とは 〉から続く
『新婚さんいらっしゃい!』(ABCテレビ・テレビ朝日系)を始め、数多くのバラエティ番組で活躍する、タレントの井上咲楽さん(24)。今年に入ってからは、NHKの大河ドラマ『光る君へ』への出演や、YouTubeチャンネルの開設、レシピ本『井上咲楽のおまもりごはん』(主婦の友社)の出版など、バラエティ以外での活動も注目されている。
ここでは、そんな井上さんが半生を赤裸々に綴ったエッセイ 『じんせい手帖』 (徳間書店)より一部を抜粋。「テレビに出ている人は、頭がいい」と唐突に慶應大学SFCへの受験を決意した高校3年生の井上さん。こっそり進めた受験勉強と、その結果は……。(全4回の3回目/ 続きを読む )
◆◆◆
突然決めた大学受験、志望校は慶應大学
テレビに出ている人は、頭がいい。聞くといい大学を出ている人も多い。
高3の秋、私は唐突に大学を受験しようと思った。
実はスカウトキャラバンの審査中も学校の偏差値のこと、進学の希望があるかどうかを何度か聞かれた。でも、うちはお父さんが工業系の高校出身で、お母さんは短大出身。大学進学に重きを置く家庭ではなかった。勉強に関して何か言われることはなく、私も高3の秋まで大学進学なんてまったく考えていなかった。
でも、スタジオでうまく話せないのは、頭が悪いからかもしれない。他のタレントさんのように大学に行ったら、変わるかもしれない。そんなふうに思ったのだ。
高3の秋なんて、もう受験シーズンは目前だ。
ここから準備して合格の可能性があるのは、小論文と面接で受けることができるAO入試だけ。しかし、多くの大学がAO受験希望者には英検2級レベルの英語力を求めていた。
残念ながら私は英語ができない。受験を思い立ったものの、受ける先がない。そんな中、人づてに教えてもらったのが慶應大学SFCだった。
当時のSFCは小論文と面接で合否を判定していたし、やりたいことを明確に打ち出して、なぜSFCで学びたいかをアピールすることで合格の可能性があると聞いた。
スカウトキャラバンの狭き門を突破した私なのだから、いけるかも。前向きな気持ちでそう思った。
親にウソをついてAO受験塾へ
親には、大学を受験することなんて言わなかった。高3、18歳の私は自分のやっていることを親に話すのがダサい、話したことで日々の仕事や生活についてあれこれ言われて介入されるのが超ダルい、と思っていた。
ある種、反抗期だったのだと思う。出演したテレビ番組を一緒に観るのなんてありえなかったし、私が家にいる時は観るのも絶対やめてと伝えていた。スタジオでもロケでもうまく振る舞えないでいたから、テレビから自分の声が聞こえるとゾワゾワしてしまうのだ。とはいえマネージャーさんから「オンエアは絶対観なさい」と言われていたので、子どもの頃、親に隠れてファミコンをやっていたのと同じ感じで、オンエアは1人でこっそりと観た。
「仕事」とウソをついて塾に通った黒歴史高校生ではなくなる時期が迫ってきて、仕事でも結果が出ず、私は自信を失っていた。
今も変わらずだが、思い込みで突っ走るところがある私は、親に内緒で勝手にAO受験専門の塾と契約した。当時貯めていたお金の大半をつぎ込んで、集中講座に通ったのだ。
確か3ヶ月で20万円くらいの費用がかかった。
普段は10円単位の支出にこだわるくらいケチな性格なのに、突っ走る時は散財しがち。自覚があるのに、止められないのは今後どうにかしていきたいところだ。
受験のことも言わなかったのだから、塾も当然そうだ。親に「仕事」とウソをついて家を出て、渋谷にあるAO受験塾に通った。たぶん気づいていなかったはずだし、今も私の口から塾のことは話していない。
塾では小論文として提出する文章の添削を受けた。私が選んだテーマは、地方創生。そのためのアイデアとして移動式直売所を作り、各地域の魅力をアピールしていく、という内容だった。自分としては準備期間の短い中で、それなりにまとめられたと思ったのだが、結果は不合格。付け焼き刃の小論文で合格できるほど、慶應SFCは甘くなかった。
他にはどこも受けていないので、私の大学受験は終了。進学はあきらめて、何事もなかったかのように仕事を続けた。今では完全な黒歴史だ。
撮影=荻原大志
〈 「『普通の子になった』って言われるのが怖かった」タレント・井上咲楽が語る、トレードマークの“ゲジゲジ眉毛”を剃ったワケ 〉へ続く
(井上 咲楽/Webオリジナル(外部転載))
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