年金保険料払うくらいなら貯金のほうが断然マシ、と書いたら厚労省から呼び出された

Business Journal / 2019年6月29日 19時30分

――制度をつくった側はそう考えていても、「払ってないと障害年金が出ない」というのは“脅し”に聞こえるんです。局長の年金に対する哲学とか思いとかは、今日、重々承ったつもりですが、肝心のその思いが、国民一人ひとりにはなかなか伝わってこない。だから、若い人からは「年金なんてまるでネズミ講じゃないか」という意見も出てくる。先に加入したじいさん、ばあさんだけが得をして、オレらは損すると。

局長 世代間扶養を敢えて「ネズミ講」と言うならネズミ講なんですけれども、これが唯一、合理的な仕組みだと。日本がそれこそ詐欺罪に相当するような変なことをやっているんじゃなくて、これは国際常識なんです。あのアメリカでもそうですよ。

 我々は繰り返し訴えて、国民の皆様に情報が届くようにしなくちゃいけないという気持ちです。コミックものも作って、一気に視覚的にイメージをつかんでいただく工夫はしているんです。

国民に「自助」を迫るまでに

 この後、厚労省は年金保険料の未納者に対する罰則を導入し、厳しく取り立てるようになったにもかかわらず、公的年金制度は崩壊し続け、「自分の貯蓄で一生終えてみせるという方は非常に稀」(T局長の言葉)なのに、国民に「自助」を迫るまでに至っていた。

 つまり、罰則の強化ぐらいでは解決できなかったことになる。たとえ保険料の納付率が上がろうと、人口が減り続けていく限り、破綻は避けられない。やはり年金制度の本質は「ネズミ講」なのか。

 ちなみに、「無限連鎖講の防止に関する法律」(ネズミ講禁止法)の第1条は、次のように謳う。

「無限連鎖講が、終局において破たんすべき性質のものであるのにかかわらず(中略)加入者の相当部分の者に経済的な損失を与えるに至るものであることにかんがみ――」

 とすれば年金も、「終局において破たんすべき性質のものである」運命からは逃れられないのかもしれない。年金保険料が事実上の税金と化してしまったのだから、いっそのこと「公的年金」制度と「生活保護」の制度を一本化してはどうだろう。

(文=明石昇二郎/ルポライター)

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