名刺管理のSansan社長、赤字のまま上場で「資産596億円」獲得

Business Journal / 2019年8月10日 7時0分

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 法人向けのクラウド型名刺管理サービスのSansanは6月19日、東証マザーズに上場した。売出価格4500円に対して初値は4760円。終値は5460円で時価総額は1634億円。ユニコーン企業(未上場で企業価値が10億ドル=1100億円超)の誕生だ。マザーズの時価総額ランキングでは第6位となった。

 創業者の寺田親弘社長が保有するSansan株(1092万株)の資産価値は、上場初日の終値ベースで596億円に達した。大富豪の仲間入りを果たしたことになる。7月24日に6260円の上場来高値をつけた。上場来安値は6月19日の4730円。一貫して右肩上がりの株価となっている。8月1日の終値は5840円だ。

 上場初日に記者会見した寺田社長は「名刺管理の潜在市場は大きく、国内の利用者は現在の100倍の開拓余地がある」と述べた。

法人向けは好調、個人向けは大赤字

 上場後の初決算となる2019年5月期の連結決算の売上高は前期比39%増の102億円、営業損益は8億4900万円の赤字(18年同期は30億円の赤字)、当期損益も9億4500万円の赤字(同30億円の赤字)だった。利用者数の拡大に向けた広告宣伝費などの先行投資が嵩んだ。当面は無配を続ける。

 法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」事業は好調だ。売上高は前期比37%増の96億円、営業利益は2倍の29億円。営業利益率は30.2%で前期より9.7ポイント上昇した。契約件数は同13%増の5823件、契約当たりの月次売上高は同22%増の15万6000円、直近12カ月の平均月次解約率は0.66%となり、前期より0.1ポイント改善した。

 一方、個人向けアプリ「Eight」事業は赤字だ。収益化の方法(ネット上の無料サービスから収益をあげる方法。クリック報酬型広告をサイト貼り付け、広告主から収入を得るなど)を強化した。売上高は前期比2倍の5億6600万円に増えたが、営業損益は12億円の赤字(18年同期は29億円の赤字)と水面下に沈んだままだ。Eightのユーザー数は244万人で、前期より30万人増えた。

 20年5月期の連結売上高は19年同期比35%増の138億円、営業利益は7億2400万円の黒字に転換する見込み。純利益の予想は開示していないが、最終損益も黒字になる見通しとしている。5期連続の赤字から水面上に浮上する。

 法人向けサービスでは、メガバンクや総合商社など大企業向けの営業体制を拡充するほか、外部のクラウドサービスとのデータ連携を強化し付加価値を高め、一契約当たりの売り上げを伸ばす。個人向けはマーケティング広告を軸に、単年での黒字化を目指す、としている。

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