米国で大ブームのポルノ映画は交渉術の宝庫?自分の要求を最大限相手にのませる方法

Business Journal / 2015年2月23日 6時0分

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 アメリカにて一大ブームを巻き起こしている映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(東宝東和)が2月13日に日本でも東京都内各所にて公開された。原作は、SMを軸にしたマミーポルノと呼ばれる女性向け官能小説だ。マミーポルノとは、結婚して子供がいる女性が楽しめるポルノという意味の造語だ。とはいえ内容的には、男性が一人で見ても楽しめる内容となっており、女性同士やカップルのみならず、男性も女性も一人で訪れる人が多いようだ。
 
 映画の内容は、卒業間近の女子大学生のアナと青年実業家のグレイを軸としたストーリーだ。グレイはアナに心底惚れ込み猛アタックをする。そうしたグレイにアナも惹かれていくが、グレイはSMしか楽しめない異常性癖の持ち主で、そんな彼を受け入れるか否かアナが葛藤する。

 SMは、サディスト(加虐嗜好者)がマゾヒスト(被虐嗜好者)を鞭で叩いたり縄で縛るなどの嗜虐性行為を伴うため、一歩間違えば暴行罪や傷害罪に問われる可能性がある。訴訟大国・アメリカの文化的背景もあるが、劇中では訴訟リスクを避けるため、グレイが交際に当たってアナにSMに関する契約書へ署名させようとする。本作は、女性が好むタイプのロマンス作品であるが、同時にビジネスパーソンの教養として契約書の大切さを学ぶ教材ともなっている。

●自分に有利な契約の締結方法

 今回は、本作をなぞりつつ、契約書の重要なポイントについて説明していきたい。

(1)契約書は自分から提供する

 有利な契約を結ぶためには、契約書の原案作成を自分の側で行うべきだ。日本の多くの企業では、契約書作成やチェックを法務部に丸投げし、法務部はリスクがある項目を指摘するにとどまってしまっている。あまりに分量が多い場合や、専門用語が頻出する場合などは、的確な判断ができなくなることもある。本作でグレイは、SMの専門用語を絡め、分厚い契約書をアナに提示している。さらに契約書を提示する前に秘密保持契約(NDA)に署名させ、契約に至らなかった場合でも情報漏洩しないよう、周到なリスク管理をしている。

(2)厳しい内容の契約書案を突きつける

 本作では、言葉にするのもはばかられるような激しいプレイをアナに迫るシーンがある。日本で契約書を作成する場合、一般的には相手が受け入れられる範囲を想定しつつ、自分の要望を盛り込む。だが、最大の利益を得るためには、できる限り相手にとって厳しい条件を複数突きつけるべきだ。これは「過大要求法(ドア・イン・ザ・フェイス)」と呼ばれる手法で、絶対に相手が許容できない内容を提示して一度断らせる。その断ったことに対する罪悪感を利用して、譲歩案で契約を締結するものだ。つまり、過大に要求することで、本来自分が求めている結果を得ることができるといえる。

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