“庶民も買える高級外車”ボルボ、世界で人気過熱…大胆かつ緻密な戦略転換が成功

Business Journal / 2019年9月10日 7時0分

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 日本人にとって“高級外車”といえば、メルセデス・ベンツやBMWなどに代表されるドイツ車を想像する人も多いだろう。だが近年、スウェーデンの自動車メーカーであるボルボ・カーズが好調だ。

 2018年の世界年間売上は前年比12.4%増の約64万台となっており、5年連続で売上を伸ばし、同年の国内市場でも22年ぶりに年間2万台を突破。外国メーカーモデル別の同年度(18年4月~19年3月)国内新車登録台数順位を見ても、BMWやフォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツらがトップ10にひしめくランキングにおいて、ドイツ車勢以外で唯一ボルボ40シリーズが6位にランクインしている。

 このように、ボルボの躍進が目立つ近年の自動車市場だが、その理由はいったいなんなのか。輸入中古車評論家でありモータージャーナリストの伊達軍曹氏に聞いた。

ボルボのブランドイメージを変えた3人のデザイナー

 伊達氏はまず、デザイン性の革新が最も大きな要因だと分析する。

「ボルボはもともと牧歌的といいますか、あまり先進的ではないデザインが特徴でした。しかし、12年頃にトーマス・インゲンラート氏がボルボグループ・デザイン担当副社長に就任し、ロビン・ペイジ、マクシミリアン・ミッソーニというデザイン責任者とともに新体制を確立。これによりボルボのカーデザインはスタイリッシュとなり、ブランドイメージが一新されたのです」(伊達氏)

 ボルボ・カーズはボルボグループの乗用車部門が1999年にフォードに買収されたことから誕生したが、このフォード時代のカーデザインは特筆すべきところはない、というのが多くの車好きの意見だという。

 その後、フォード傘下を抜けて、V40が発売されると日本におけるボルボ人気が過熱。そして伊達氏の言う3人のデザイナーが結集して生み出された、大型SUVのXC90が世界的に話題に。後年発売された同じくSUVのXC60が北米カー・オブ・ザ・イヤーに、XC40が欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得。このXC40とXC60は日本カー・オブ・ザ・イヤーをボルボ車として2年連続で受賞するなど、国内外で非常に高く評価されたのである。

 一方、ボルボといえば、1927年の創業当時から安全面への追及を基本理念に掲げており、現代でもそのスペックはトップクラス。

「安全志向がより強くなった現代人にとっては、『ボルボ車なら安心』という気持ちに拍車をかけています」(同)

北欧的センスが定着すればさらなる飛躍もありえる

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