日産、ゴーンを追放した西川社長“電撃解任”の真相…ルノー、経営統合へ圧力強化

Business Journal / 2019年9月11日 19時0分

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 日産自動車の西川廣人兼社長CEOが9月16日付けで辞任することが決まった。役員人事を決める日産の指名委員会は、カルロス・ゴーン元会長の報酬過少申告や会社資産の私的流用などの不正に関する社内調査が終了し「一区切りついた」(木村康取締役会議長)ことを理由に挙げる。

 しかし、実態は西川氏自身の報酬に関する不正が表沙汰になり、「このままトップの座にとどまり続けることは無理がある」と社外取締役らが判断、西川氏は即座の辞任を迫られた。正式な後任が決まっていないなかで辞任したことから、今後、後任をめぐって資本提携先のルノーやフランス政府が再びトップ人事に介入してくることを懸念する声が強まっている。

「6月末の定時株主総会で取締役として信任され、いろいろな節目があるが、そのなかでは1番早い節目かもしれない」

 西川社長は9月9日に横浜市のグローバル本社での記者会見で淡々と語った。

 西川社長は、ゴーン元会長が有価証券報告書に報酬を過少申告していたことや、将来性のある技術への投資を目的に設立した会社の資産をブラジルやレバノンで私的利用する住宅の購入費に充てるなど、私的流用を繰り返していたとして当局に告発。元会長と側近であるグレッグ・ケリー元取締役が逮捕・起訴された。ただ、西川社長が長年にわたって日産の経営に携わっており、ゴーン元会長が会社資産を私的流用するのを黙認してきたと指摘され、また仮に知らなかったとしても、日産トップとして経営責任を問う声は社員や株主の間で強かった。

 日産はゴーン元会長時代の値引きに依存した販売戦略を修正した影響もあって、新車販売が低迷、業績が悪化している。西川社長は「経営を安定させ、成長軌道に乗せてから、後進にバトンタッチするのが私の使命」と述べ、早期の退陣を否定。新しい中期経営計画の策定を「区切り」にトップ交代する意向をにおわせていた。

不正発覚

 しかし、西川社長自身の不正が見つかる。西川社長は2013年5月にストック・アプリシエーション権(SAR)に基づいた報酬を受け取る期日(権利行使日)を設定し、報酬を受け取る権利を行使した。その後、日産の株価が上昇した。西川氏は行使日を1週間ほど後ろにずらして権利を再行使し、当初定められたよりも約4700万円多くの報酬を受け取っていたのだ。業績連動型の報酬制度であるSARでは、一定の期間中に株価が事前に決められた水準を上回ると、差額部分が現金で支払われる。

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