鳥貴族、ついに初の赤字転落…客数減に歯止めかからず“策なし”、消費増税ショックが追撃

Business Journal / 2019年10月4日 7時0分

 鳥貴族は不採算店の閉鎖を進めているが、それでも既存店の不振は今後も当面続くと考えられる。10月の消費増税が立ちはだかるためだ。鳥貴族は増税分を価格に転嫁するとみられるが、そうなれば価格高騰を嫌って客足はさらに遠のく可能性がある。また、消費増税に合わせて実質値下げをする外食チェーンもあり、こうした競合店に客が流れる懸念もある。

 たとえば、サイゼリヤはボトルワインなど一部メニューを除いて現行の税込み価格を据え置く。店内飲食の場合は、本体価格を下げて調整する。この場合は実質値下げとなる。サイゼリヤはワインなどの酒類を扱っており、一般的な居酒屋よりも安く飲めるとして人気が高まっている。サイゼリヤのように酒類を扱う外食チェーンのなかに、実質値下げをするところがあるため、鳥貴族は顧客を奪われる可能性がある。

 消費増税時に、酒類や外食を除く飲食料品の税率が据え置かれる「軽減税率」が導入されることも、逆風となりそうだ。

 コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで販売する飲食料品は、持ち帰りの場合は税率が8%に据え置かれる。酒類は軽減税率の対象外のため税率は10%となるが、自宅で飲む「家飲み」需要が拡大すると見込まれている。酒類に関しても、10月の消費増税と同時にキャッシュレス決済のポイント還元策を始める小売店では安く買える。

 つまり、10月の消費増税を機に、実質値下げなどの対策を行わなければ、鳥貴族も価格が相対的に高くなり、さらなる競争力低下が懸念される。

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法も頭痛の種だろう。改正健康増進法は20年4月に全面施行され、原則屋内禁煙となる。喫煙客が多い居酒屋では大きな影響が出るとみられる。鳥貴族も例外ではなく、喫煙客の流出が起きそうだ。

 このように、好材料を見いだすことが困難な状況だが、鳥貴族としてはこれ以上の業績悪化はなんとしても食い止めたいところだ。とはいえ、抜本的な改善策が見当たらないのが現状ではないだろうか。

 もちろん、これまでただ手をこまねいていたわけではない。メニューの改編を年2回から3回に変更したほか、既存メニューの「ハイボール」の2倍量の「メガハイボール」を同価格で販売を始めたり、エビの串焼きなど新メニューを投入するといった対策を講じてはいる。だが、抜本的な改善には至っていない。

米国進出に活路を求める

 もっとも、不採算店の閉鎖を進めたことで、以前と比べれば既存店の業績は回復している。これを受けてか、鳥貴族は9月18日、24年7月期までの5カ年の中期経営計画を新たに発表した。それによると、凍結していた新規出店を再開するという。これまでは3大都市圏に出店してきたが、今後はそれ以外の地域を中心に展開を進めていくという。

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