ドンキ、「常識をあざ笑う」経営で30期連続増益…買収でことごとく成果出す“凄み”

Business Journal / 2019年10月2日 5時50分

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 総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを運営する株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)が、成長の加速化に向けて思い切った決断を下した。それは、これまでの経営指揮を執ってきた大原孝治氏から吉田直樹氏に社長兼CEOの職務を引き継ぐことだ。好調を維持する企業トップが、自ら進んで次の世代にバトンを引き継ぐことはなかなか難しいことだろう。自己顕示欲やプライドがそうした意思決定を難しくすることは少なくない。

 PPIHが目指すことは、突き詰めて考えると世界に挑戦しようということかもしれない。同社は自社のビジネスモデルであるディスカウントストアの競争力を高めつつ、より期待収益率の高い市場に進出するなど、さらなる成長を実現したいと考えている。経営トップのバトンタッチとともに、その“野心”がどのような成果として現れるか、非常に楽しみだ。

長期経済停滞下の成長企業になる

 ドン・キホーテを運営するPPIHは、日本経済が長期停滞に陥るなかで成長を遂げてきた企業だ。1990年代初頭、バブルが崩壊し、その後、デフレ経済(広範なモノやサービスの価格が持続的に下落する環境)に陥った。消費者にとって、景気の回復を実感しづらい状況が続いてきた。

 PPIHはディスカウントの文字の通り、安さを売りにして、多くの消費者の心をわしづかみにした。その要素は、安さと、買い物をする愉しみの2つに分けて考えると良いだろう。同社は、小売価格の引き下げにこだわるために、コスト削減などに徹底的にこだわった。例えば、PPIHは総合スーパーの長崎屋を買収し「メガドンキ」として運営するなかで、店舗の清掃コストの引き下げから、台車に入れたまま商品を売り場に出すなど、大胆な取り組みを進め、販管費を引き下げた。

 見方を変えれば、同社は従来の小売業界が重視してきた考え方(常識)にとらわれなかった。それよりもPPIHは、ディスカウントという自社の強みを発揮することに徹底的にこだわった。それがメガドンキの成功につながったと考えられる。さらにPPIHはプライベートブランド商品の開発にも取り組んだ。日用雑貨から家電まで同社はより安い価格での商品提供にこだわり、消費者の心をつかもうとしている。

 もう一つ重要なのが、PPIHが人々に買い物の愉しみを実感させ、共感を得てきたと考えられることだ。ドン・キホーテの店舗前を歩いていると、海外からの観光客をはじめ“圧縮陳列”に興味を示し、ついつい店舗に足を踏み入れる人が多い。これは、同社の商品の見せ方が多くの人の心を引き付けていることを示す良い例だ。その上で人々が低価格で商品を手に入れ、それを使う快適さなどを実感できたからこそ、PPIHは成長を続けることができた。そうした取り組みの結果として1989年3月の第1号店開業から2019年6月期まで、PPIHは30期続けて営業増益を実現した。

小売り・物流革命の精神

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