軽減税率対象の新聞、消費増税便乗で“こっそり値上げ”の不可解な論理

Business Journal / 2019年10月1日 19時44分

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 1日から消費税が10パーセントになった。テイクアウトか、イートインかでコンビニエンスストアのレジが大混乱する中、ひっそりと値上げされていたものがある。本来、軽減税率が適用されているはずの新聞各紙だ。実は新聞各社は、10月の消費税増税を視野に2年ほど前から着々と購読料の値上げを実施してきていたのだ。軽減税率の適用になるのは月極定期購読の場合のみだ。駅売りやコンビニで1部だけ買う場合は軽減税率の適用外になる。今回は月極購読料を値上げした社を調べてみた。

ステルス値上げした新聞社

 17年から今年10月1日までに購読料の値上げを実施した新聞社を調べた結果は以下の通りだ。

2017年

4月 静岡新聞 

11月 日本経済新聞、岩手日報

2018年

5月  千葉日報

2019年

1月  読売新聞、岩手日日新聞

2月 茨城新聞、山陰中央日報

3月 佐賀新聞、愛媛新聞、下野新聞、上毛新聞、福島民報、福島民友

4月 秋田魁新報、東京新聞、日刊県民福井、山梨日日新聞、宮崎日日新聞、島根日日新聞

5月 四国新聞、西日本新聞、南日本新聞

6月 河北新報・同夕刊

7月 北日本新聞、福井新聞

8月 信濃毎日新聞・同夕刊

※夕刊紙以外はいずれも朝刊。夕刊は価格変更がない場合は無表記

 20~30代の若年層の「新聞」離れに伴う部数減、広告収入の減少などで新聞業界は厳しい状況だ。そこに商品である新聞を製作するために必要な紙代、インク代の値上げや、世界的な原油価格上昇に伴う輸送費の高騰もある。ランニングコストがかさみ経営が厳しいため、軽減税率の恩恵を受けてもなお、値上げが必要なのかもしれない。

「販売店の労務環境改善のための値上げ」

 ところが、業界最大の発行部数を誇る読売新聞は昨年12月、25年ぶりに今年1月からの値上げを発表した際、次のように理由を説明した。

「改定に伴う増収分の大半は、販売店の労務環境改善に充てる。民主主義を支える戸別配達網を維持し、ご自宅に毎朝、新聞をお届けするため、誠に心苦しいところですが、ご理解をお願いいたします」

 この論理は新聞業界に衝撃を与えた。これ以降、各社は値上げの理由を読売と似たような論法で説明し始めた。例えば、東北6県のブロック紙河北新報は次のように発表した。

「購読料の本体価格を1994年1月以来、25年間据え置いてきましたが、この間新聞製作の原材料費や輸送コストの上昇など業界を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。新聞販売店の配達員不足も深刻です。高齢者の見守り支援活動など地域の安全に配慮しながら戸別配達網を維持するため、販売店の安定した人員確保が急務になっています。

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