多発する“親による子殺し”の連鎖…「我が子=所有物」という親の意識こそ諸悪の根源

Business Journal / 2019年10月2日 22時2分

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 富山県富山市で2日、6歳の長女を殺害したとして、母親の萩潤子(ひろこ)容疑者が殺人の疑いで逮捕された。萩容疑者は、「娘を殺し、自分も死のうと思った」と供述しているという。

 1日には、3歳の次女を殺害したとして、父親の羽山和宏容疑者と母親の有布子容疑者が殺人容疑で逮捕されており、「借金で生活が困難になり、無理心中をしようとした。娘を殺害した後、実行できなかった」と供述している。

 9月にも、福井県永平寺町で、両親が共謀して中学2年の長女を殺害した後、父親は自殺し、母親の中川洋子容疑者は殺人容疑で逮捕された。洋子容疑者は、「夫が娘の首を絞めて殺した」と供述し、自分も死ぬつもりだったとほのめかしているようだ。

 いずれの事件も、親が自殺願望を抱き、我が子を道連れに無理心中を図ったが、死にきれなかった可能性が高い。

慈悲による子殺し

 このように親が子どもを道連れに無理心中を図る事件は、欧米でも発生している。ただ、欧米には「心中」という言い回し自体が存在しない。心中に相当するのは、英語では「double suicide(重複自殺)」であり、母子心中は「maternal filicide-suicide (母親による子殺し-自殺)」、 父子心中は「paternal filicide-suicide (父親による子殺し-自殺)」ということになる。

 こうした表現自体に表れているように、日本で親子心中と呼ばれている事件は、欧米ではあくまでも子殺しの枠内でとらえられている。私も、親子心中という情緒的な言葉よりも、「自殺を伴う子殺し」と呼ぶほうが適切だと思う。

 このような「自殺を伴う子殺し」は、さいたま市で小学4年生の進藤遼佑くんが殺害され、義父の進藤悠介容疑者が逮捕された事件について寄稿した際に提示した子殺しの分類に従えば、「慈悲による子殺し」に該当する。

 我が子を殺すという親として最も重い罪を犯しているのに、なぜ「慈悲による子殺し」なのかと疑問に思う方が多いかもしれない。なぜかといえば、このタイプの子殺しは、自殺願望を抱いている親が、「自分が死んだ後、子どもだけ残されるのは不憫だ」「一緒に連れていくほうが子どものため」などと考え、子どもを道連れにするからだ。

 このような思考回路に陥りやすいのは、子どもとの一体感が強く、子どもを自分の分身と考えている親だ。いいかえれば、子どもを自分の所有物とみなしているわけだが、この所有意識は、無理心中を図る親にしばしば認められる。極端な場合、「私物的我が子観」とも呼べるほど所有意識が強くなることもある。

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