鳥貴族、「アメーバ経営」導入で客が戻り始めた…新規出店凍結で店舗間の“共食い”解消

Business Journal / 2019年10月14日 7時0分

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 焼き鳥チェーンの鳥貴族の株価が急伸した。9月30日に2498円まで買われ、年初来高値を更新した。3月11日の年初来安値の1478円から1.7倍の急騰ぶりだ。

 9月13日に発表した2019年7月期の決算発表を材料に、その後、買われた。売上高は358億円(前期比5%増)、営業利益は11億9000万円(同29%減)、最終損益は2億8600万円の赤字(前期は6億6200万円の黒字)に転落した。

 20年7月期は売上高346億円(19年7月期比3%減)、営業利益は13億900万円(同10%増)、最終損益は4億5400万円の黒字に転換する予想だ。消費増税などで消費者心理が冷え込むとみて減収を見込むが、不採算店の整理が一段落するほか、コスト削減を進め採算の改善を目指す。業績の回復を好感して買いが入った。

 鳥貴族は税別280円均一の安さを売りにデフレの勝ち組として成長してきた。だが、17年10月に同280円に値上げした反動で、客数が減った。売り上げ計画が未達となる店舗が多く発生するとともに、自社の店舗同士の競合もあって既存店売上高は前年割れが続いてきた。

 19年7月期の累計の既存店売上高は前期比5.2%減、客数は4.2%減、客単価は1.1%減。既存店売上高は20カ月連続でマイナスだ。8月の既存店売上高は4.1%減、9月は0.1%の微減で22カ月連続でマイナスとなったが、底打ちがはっきりしてきた。9月の客数は2.1%増。

 19年6月の全店売上高は前年同月比0.3%減。全店売上高が前年同月を下回るのは14年7月の上場以来、初めて。新規出店を抑制したことが響いた。全店売上高は7月2.3%減、8月4.5%減、9月0.5%減である。こちらも底打ち感が出てきた。

「アメーバ経営」で再生に取り組む

 鳥貴族は、京セラ創業者の稲盛和夫氏が考案した経営管理手法「アメーバ経営」を導入して、店舗の再生に取り組んでいる。新規出店よりも既存店の売り上げアップを最重要課題とし、店舗別の採算管理を徹底する。

 稲盛氏は組織を細分化し、現場に経営を任せるアメーバ経営という独特の経営手法を確立した。社員の経営に参画する意識を高め、全員参加型の体制をつくる。稲盛氏は経営が破綻した日本航空(JAL)をアメーバ経営で蘇生させたことで、広く知られている。アメーバ経営の根幹は部門ごとの収入を最大にして、その一方で経費は最小に抑え、利益を追求する。部門長に大幅な権限を委譲し、責任を明確にする。

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