成田空港「陸の孤島」化は運営会社による“人災”…なぜガラガラの羽田に向かわせなかった

Business Journal / 2019年10月19日 8時0分

 しかし、成田空港で何か問題が発生した場合、ダイバート(目的地以外の空港への着陸)する代替空港として羽田空港の使用については条件があり、航空会社にとってもダイバートのタイミングをめぐり上空待機をいつまで続けるのかと悩まされている事情がある。

 一般的に、成田空港に着陸できない原因としては、まず成田特有の放射霧の発生と春一番のような強風といった悪天候がある。次に、滑走路が2本しかないため先行機が滑走路上でトラブルを起こしたり、落下部品の点検で一時的に閉鎖されることもある。

 このような場合、航空機は上空で待機するか、燃料の問題で羽田空港などの飛行計画上の代替空港に向かうことになる。しかし、羽田空港に着陸しても乗客は機内に留めさせられ、燃料を積みなおして成田空港の運用再開を待って、再び成田空港へと向かうことが原則となっている。つまり羽田空港で入力審査や通関を果たしてフライトが終了することはないのである。

 この措置は国際線が成田に移転して以来、羽田空港の入管体制などが不十分との理由や、羽田にダイバートした便の乗客が入管できたとなると結果的に都心に近くなるので、成田で上空待機後に着陸した航空機との不公平が生じるとの考えから続けられている。このような事情から、羽田空港に向かうのはあくまで安全上の理由に限られている。

 それでも時に多くの航空機が羽田空港に向かうことによって、受け入れゲートや航空機の駐機スペースが足りなくなり、管制官はほかの空港へ向かうように助言することがある。どの空港に向かうかは最終的には航空会社とパイロットの判断となり、管制官や空港会社が決めることではない。

再発防止のためには各省庁の連携が必要

 成田空港での今回のようなトラブルを起こさないためにこれからやるべきことは、台風等の災害に対する基本マニュアルを省庁間で作成することである。その主管は国交省である。調整しておくべき課題の第一は、羽田空港や茨城空港でも今回のような非常時には入管と通関ができるようにすることだ。羽田に関していえば、すでに国際線のターミナルも拡大されて態勢は強化されているが、それでも人員が不十分とあれば人員を自衛隊のヘリで輸送してもらう方法もあるだろう。その意味で、防衛省との事前調整も必要となってくる。

 第二の対策は、国交省は気象庁からの情報をもとに、鉄道などの計画運休を事前に管轄する立場から、日本を含む世界の航空会社にダイヤ調整や十分な燃料を搭載するように通知すべきである。航空会社にしても、単に空港の天候だけで運航を決定しても、利用者に大きな負担がかかることは本意ではないはずだ。

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