タクシー運転手が見た台風15号の混乱…「成田空港へ行かなければ」と叫んだ台湾人観光客

Business Journal / 2019年11月3日 7時30分

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 台風15号と台風19号が直撃した首都圏では、強風や堤防の決壊などにより多くの被害が生じた。鉄道も北陸新幹線の車両基地が冠水し、中央本線や両毛線、水郡線などが不通となり、道路も斜面の崩落や橋の流出が至るところで起こった。一方でJRや私鉄各社、バス会社などが計画運休を行ったことで、走行中の列車やバスに被害が及ぶことはなかった。

 公共交通機関がストップしたとき、どうしても移動しなければならない場合、頼りにできるのはタクシーくらいだ。今回、台風15号が5時頃に上陸した9月9日月曜日と、台風19号が19時頃に上陸した10月12日土曜日の両日ともに乗務していたというタクシー運転手の方に話を聞くことができた。

 この運転手の方は通常の場合、6時〜翌3時くらいまでの約21時間の勤務(適宜休憩を挟む)を、ほぼ隔日で行っているという。東京23区と武蔵野市、三鷹市を営業区域とする、大和自動車交通・日本交通・帝都自動車交通・国際自動車の、いわゆる「東京四社」(各社の頭文字から「大日本帝国」とも呼ばれる)のうちの1社のドライバーだ。

台風15号上陸、切羽詰まった顔で「成田空港へ行けますか?」

「9月9日の早朝は、台風の吹き戻しの風が強かったことを覚えています。車で営業所へ到着し、出庫したのは6時すぎ。電車やバスは全て止まっているらしいという情報は入っていましたが、特別意識することはありませんでした。

 朝方は23区内で営業をしていました。足立区内で迎車(電話やアプリなどでタクシーを呼んだ客を迎えに行く)のお客様を何度か乗せたあと、9時に港区の白金へ。そこから台東区の御徒町まで乗せたお客様を降ろした瞬間に、大きなトランクを抱えた2人のご婦人の手が上がりました。11時すぎだったと思います。

 50〜60代の台湾人の方で、1人は日本語を話されていたのですが、切羽詰まった様子でした。大きな荷物なので東京駅か羽田空港へ行かれる方かと思ったのですが『成田空港へ行けますか?』とおっしゃるのです。

 お話を聞いてみると、どうやら鉄道が止まっているらしい。朝からひっきりなしにお客様を乗せていたため、そういった情報を得ておりませんでして、びっくりしましたね。もちろん長距離なので嬉しかったんですが、さてどうやって向かおうと考えました」

東関東自動車道も京葉道路も通行止め

 千葉県を直撃した台風15号の影響で、千葉県内は強風や倒木によって広範囲で停電した。成田空港は9時に滑走路の閉鎖を解除したものの、空港と東京方面を結ぶ鉄道が復旧せず、高速道路の普通でバスも運休。最大で1万7000人が足止めされた。

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