新大久保、駅開業から100年、異国情緒漂う“アメージングな街”を生んだ歴史

Business Journal / 2019年12月1日 11時30分

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 新大久保駅は、新宿駅と高田馬場駅の間にあるJR山手線の駅だ。駅のわきを湘南新宿ラインや埼京線、さらに西武新宿線の電車も行き来しているが、当駅に発着するのは山手線だけ。ホームは島式1本だけ、改札口も1カ所という小ぢんまりとした駅だ。南隣の新宿駅が、世界一の利用者をほこる巨大ターミナルということもあり、山手線のなかではいささか影の薄い存在でもある。

 実際、JR東日本の2018年度統計で見ると、新大久保駅の1日平均乗車人員は、定期外3万2,751人、定期1万8,686人で、合計5万1,438人。山手線29駅のなかでは25番目となる。JR東日本全体で見ると第97位、中央線の高円寺駅や常磐線の金町駅に続く規模となっている。

 近年の動向をみると10年ほど前までは3万人台だったが、その後、増加傾向にあり、2018年度統計では前年比6.7%というなかなかの増加率だ。特に定期外の利用者の伸び率が高く、このあたりに新大久保駅の姿が見えてくるようだ。

 新大久保駅は東西に走る大久保通りに直結している。この通り沿いに飲食店が連なり、独特な活気を見せるエリアだ。右方向、山手線のガードをくぐって進むと、韓国料理店や韓流グッズ店が続く。東京でも有数のコリアタウンとなっているのだ。ハングル表記も多く、釜山やソウルの街中を歩いているような異国情緒が漂う。また、駅から左方向、あるいは南側の職安通りに向かって中国やタイをはじめとしてミャンマーやトルコなどアジア各国の民族料理店も多く、新大久保駅を中心に多国籍な街となっているのだ。

 この多国籍文化の繁栄は、新大久保駅のある新宿区の人口統計からも読み取れる。2019年1月、東京都内に暮らす外国人は55万という大台に乗ったが、新宿区では1月現在4万3000人が暮らしており、新宿区の人口の12.4%が外国人となっている。江戸川区や豊島区も外国人の多いことで知られているが、新宿区は人口実数、比率とも突出しているのだ。新宿区内の町別にみると、大久保が最も多く、隣接している百人町や北新宿あたりに集中している。いずれも新大久保駅に隣接した町だ。

増加した日本語学校

 こうした外国人の集中は2000年ごろから加速しているが、実は半世紀近い歴史がある。1950(昭和25)年、新大久保駅そばの百人町に菓子メーカー・ロッテの工場が新設された。当初はここに本社も置かれ、ロッテの拠点としてチューインガムなどの製造を開始している。そして2013年の生産拠点再編まで長らく操業され、盛期は菓子の甘い香りが漂う町としても知られていたのである。この工場で働くため、在日韓国人・朝鮮人が集まり、これが外国人集中のきっかけになったといわれている。

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