IR汚職で逮捕の秋元司議員、その危険過ぎる金脈と人脈…東レに口利き、返済ねじ込み

Business Journal / 2020年1月7日 6時10分

 この頃の秋元司後援会の政治資金収支報告書を見ると、河野氏との蜜月ぶりがよくわかる。2006年分には河野氏関連企業としてA.Cホールディングスが63万円、ワシントンリゾートが76万円、富士箱根カントリークラブが39万円のパーティー券購入者として名を連ねている。2007年分ではやはりA.Cホールディングスが計200万円を購入。さらに2009年分でもワシントンが50万円の購入者として記載されている。

 2006年に30万円のパーティー券を購入していたシルバー精工も、傘下企業とはいえないながら、河野氏とは因縁深い問題上場企業だ。同社がその頃行った大規模増資の引受先のバックにいたのが河野氏だったからである。ただ、その後、河野氏は騙されたとして同社経営陣と対立、提訴する事態にまで発展した。その後、手形乱発に手を染めたシルバー精工は2011年に倒産している。

 2007年前後から証券取引等監視委員会は、大阪府警と組み不公正ファイナンスに長じた仕手筋の一掃キャンペーンを行った。最初に摘発されたのは前出の西田氏。相場操縦を行っていたのは南野建設株だった(その後、西田氏は公判中に死亡)。次なるターゲットは故高橋氏が率いた「草月グループ」で、その死後にグループを引き継いだ横濱豊行氏らが摘発された。そしてその延長線上の捜査が進んだ2009年暮れ、河野氏もついに年貢を納めることとなった。

東レ口利き疑惑

 その後の秋元議員だが、やはり仕手株との接点は垣間見られる。同議員が代表を務める「自由民主党東京都第十五選挙区支部」の2017年分の収支報告書にはソルガム・ジャパン・ホールディングスの名前が見られる。寄付額は36万円。同社は大盛工業株をめぐる風説の流布事件で首謀者だった大場武生氏が関係していたことで知られる銘柄だ。バイオ燃料事業を謳い新株を乱発していた同社もその後、粉飾決算が事件化している。

 直近、秋元議員との関係が囁かれている新興仕手グループがある。一部で報じられたが、債権回収をめぐり秋元議員が東レに口利きとも思われる電話を入れる騒ぎがあった。裁判記録などによると、そもそもは東レの水処理システム事業部に勤める担当部長級社員が自らの営業成績を取り繕うため架空循環取引を2017年頃から繰り返していたとみられる事案が発端だ。件の社員は静岡県内の会社などを騙して架空契約を結び循環取引を続けていたようだが、その過程で2018年11月、都内の金融会社から1000万円を借りていた。取引契約には東レの買い戻し保証があるため絶対に借金を返せると強弁していたようだ。が、東レにとっては与り知らない話。そこで金融会社はあの手この手で取り立て工作を画策したのだろう。そんななか、秋元議員が東レに返済をねじ込んだらしい。

 この金融会社は東証上場の外国企業、新華ホールディングス(現ビート・ホールディングス)の大株主にかつて登場したことがある。また、代表取締役の人的関係を辿ると、2017年に摘発されたストリーム株の相場操縦事件で公判中の被告との接点も確認できる。一連の人脈の中心にいるのはアングラ世界の著名人の息子とされる人物だ。ストリーム事件もそうだが、在日中国人ネットワークに独自のパイプを持っているらしく、パチスロ大手ユニバーサルエンターテインメントの創業者追放劇もそこに連なるエピソードのひとつだ。

 じつに奥が深い世界だが、秋元議員はその怖さをどの程度、自覚していたのか。今回の事件でキーマンを演じていたのは、SNSで自らの交友関係を嬉々として見せびらかしていたような小物ブローカー。そのことが秋元議員の脇の甘さを如実に物語っている。

(文=高橋篤史/ジャーナリスト)

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