不二家、連続大量閉店で店舗数激減…好調・製菓事業の利益を洋菓子店が食い潰す構図に

Business Journal / 2020年3月15日 6時30分

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「ペコちゃん」でおなじみの不二家で、大量閉店が続いている。2019年末時点の洋菓子の店舗数は829店で1年前から33店減った。15年末(986店)からは157店も減っている。

 不二家は1910年11月、創業者の藤井林右衛門が横浜に洋菓子店を開いたのが始まりだ。翌12月にはクリスマスケーキを発売。22年にショートケーキの販売を始めている。クリスマスケーキやショートケーキは今ももちろん販売しており、不二家の主力商品だ。なお、ペコちゃんが誕生したのは50年となる。

 不二家は現在、洋菓子店などを展開する洋菓子事業と、クッキー菓子「カントリーマアム」など菓子類を製造・販売する製菓事業の2つを軸に事業展開している。直近本決算の2019年12月期連結決算は、売上高が前期比1.8%減の1033億円、営業利益が23.9%減の18億円、純利益が11.9%減の12億円だった。

 製菓事業は好調だが、洋菓子事業が足を引っ張っている。製菓事業は売上高が0.4%増の703億円、セグメント利益が5.6%減の62億円だった。増収の一方で減益だったが、それでも十分な利益を稼ぎ出している。一方、洋菓子事業は売上高が8.0%減の301億円、セグメント損益が16億円の赤字(前期は14億円の赤字)だった。減収は5期連続、セグメント損失は03年3月期から17期連続となる。

 洋菓子事業の業績が厳しいのは、競争激化で多くの洋菓子店が販売不振に陥り、不採算店の閉鎖を余儀なくされたためだ。

 不二家の洋菓子はクリスマスや誕生日といった「ハレの日」需要や、中元・歳暮といった従来型の慣習的なギフト需要を取り込むことで成長してきた。だが、そういった需要は年々減ってきている。

 そうしたなかで、洋菓子も販売するコンビニエンスストアが台頭した。コンビニは店舗数が大きく増えたほか、おいしい洋菓子を手ごろな価格で提供するようになった。近年の洋菓子は「日常使い」や「プチ贅沢」としての需要が高まっており、コンビニが受け皿になっている。コンビニで数々のヒット商品も生まれている。たとえばローソンが昨年3月から販売している「バスチー バスク風チーズケーキ」は累計3200万個を販売したほどだ。不二家はこうしたコンビニの洋菓子に押されている。

 もっとも、不二家はコンビニにも洋菓子を供給しており、完全な敵対関係にあるわけではない。一定程度、共存関係にある。たとえば、カスタードをスポンジ生地で包んだ「ペコパフ(カスタード)」などを供給したりしている。だが、コンビニでの扱いは極めて限定的だ。コンビニへの商品供給で得られるメリットよりも、コンビニに店舗の客を取られるデメリットのほうが圧倒的に大きいのが現状だ。こうしてコンビニに押され、不二家の洋菓子店は苦戦するようになった。

山崎製パンとの協業や新業態で事態の打開図る

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