セブン鈴木会長は、なぜ他社店舗には行かない?SWOT分析は無意味?

Business Journal / 2015年7月28日 6時0分

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 本連載『itteの経営学』では、今回から3回続けて、よく使われている経営理論の功罪を確認してみたいと思います。第1回目は、「強み」と「差別化」について、第2回目は「選択」と「集中」について、第3回目は「コスト削減」を取り上げる予定です。

 さて、よくある会社の一場面を想定してみます。

 経営会議を含め、事業の戦略を検討するさまざまな打ち合わせの場で、上司から部下に「自社の強みを生かし、その上で競合他社に差別化できるソリューション(製品やサービス)を検討しなさい」などと指示が出されます。

 このような指示を受けて、部下は自社の既存のソリューションをあらためて確認し、競合他社の情報を集め直して自社と比較してみる、というようなアプローチを取ることでしょう。

 具体的には、例えばSWOT分析を駆使して、自社の強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)を明らかにした上で、競合他社の動向を踏まえて機会(Opportunities)を探り、脅威(Threats)になりそうな事象を明らかにしていきます。そうすれば、自社の強みを生かし、しかも他社の脅威に屈しないソリューションが生まれてくる……。

 それは果たして本当でしょうか?

●自社の既存のソリューションは、顧客のニーズに刺さっているのか?

 上司の指示はこうでした。「自社の強みを生かし、その上で競合他社に差別化できるソリューションを検討しなさい」。

 これに対して部下が取ったアプローチでは、自社と他社の分析から始まりました。この考察の過程では、顧客の視点が後回しにされていました。それでは、せっかくソリューションがつくり出されたとしても、それは顧客のニーズに合致するのか疑問です。自社の強みを生かし、競合他社に差別化できているソリューションであっても、必ずしも顧客の要望に合っているという確約はないのです。

 ここで冒頭の資料の左側のチャートをご覧ください。これは「ニーズ×シーズ」の比率を描いたマトリックスです。自社の解決策(シーズ)の有無と、顧客の要望(ニーズ)への適不適を表現しています。

 このマトリックスの中の数値は、それぞれの象限の大きさのおおよその比率です。ここでは、自社の解決策がお客様の要望に合致するケースを比率「1」と設定しています。

 自社が持っているさまざまな解決策を、ある特定の顧客に提案したとします。その際、その顧客の要望に合致して、提案が受け入れられる割合はどの程度でしょうか。おそらく、10のソリューションを提案して、1つぐらいは受けてもらえるでしょうか。ですから、自社が持っている解決策がお客様の要望に合う比率が「1」で、残念ながら顧客の要望に合わない比率を「9」としています。

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