障害続出のモバイルWi-Fi、もはや“過去の遺物”?スマホのテザリングが当たり前に

Business Journal / 2020年6月1日 6時0分

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 テレビCMなどの広告やテレワーク導入の動きによって、人気を集めているモバイルWi-Fiルーター。しかし、今年の春にデータ通信容量無制限を謳ったモバイルWi-Fiルーターサービスで次々と問題が起こったのである。

 グッド・ラックが提供している「どんなときもWiFi」では、2月と3月に通信障害が発生。4月3日にサービス安定供給のため、新規の申し込み受付を停止した。エックスモバイルが展開している「限界突破WiFi」でも通信速度低下の問題が発生し、4月1日からは1日ごとの通信速度制限を設けて使い放題を事実上撤廃。既存ユーザーに対する返金対応などを行ったのだ。

 両社のモバイルWi-FiルーターでuCloudlinkという中国企業が提供するクラウドSIMを採用していたことから、クラウドSIMに原因があるのではないかという声もささやかれていたが、4月3日にuCloudlinkはそういった見解を否定する声明を出している。

 いずれにしても、使い放題と銘打ったにもかかわらずトラブルが相次いだことで、少なくないユーザーに不信感を与えることになってしまったが、はたしてモバイルWi-Fiルーターを取り巻く状況は現在どうなっているのだろうか。そこでモバイル業界に詳しいジャーナリストの法林岳之氏に話を聞いた。

原因はクラウドSIMではなく携帯電話会社との契約

 そもそもクラウドSIMとはどういった仕組みの技術なのだろうか。

「これまでのモバイルWi-Fiルーターは、携帯電話会社や格安SIMを提供している事業者『MVNO』と回線契約を結び、その情報をSIMカードやモバイルWi-Fiルーター本体に書き込んで使用するというのが一般的でした。

 一方、この3年ぐらいで増加しているクラウドSIMは先に挙げたタイプとは異なり、ユーザーの手元にあるモバイルWi-Fiルーターの中に携帯電話会社やMVNOのSIMカードは入っていません。サーバー側がインターネット上にSIMカードを何枚もいれたSIMBOXというものを用意しており、ユーザーのモバイルWi-Fiルーターはそこにアクセスして、契約情報をダウンロードするようなかたちで使います。

 クラウドSIMはもともと、海外旅行用のレンタルのモバイルWi-Fiルーターで採用されていました。そこで一定の評価を獲得し、uCloudlinkといった企業がSIMBOXを日本の通信事業者に売り込んだ結果、採用する会社が増えていって現在に至るのではないかと思います」(法林氏)

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