カイロ大卒…学歴詐称疑惑の小池百合子、私が仰天した“嘘で塗り固められた政治家”の正体

Business Journal / 2020年6月6日 11時0分

 その後は政界に転身。「政界の渡り鳥」として時の最有力者にすり寄り、環境大臣、防衛大臣、都知事など、東大卒の秀才でも容易には手にできない大きな権力を手にしてきたことは周知のとおり。若い頃、可愛がってくれたテレビ東京の社長に始まり、細川護熙、小沢一郎、小泉純一郎――。現在は自民党の二階俊博幹事長のようだ。

 上昇志向の強い政治家は大なり小なり、心苦しい思いで恩人などを裏切ってゆく。しかし本著からは、小池氏がそんなことを歯牙にもかけない性格だとわかる。利用価値がなくなればさっさと捨てる、の繰り返し。

事実なら公選法違反

 著者の石井氏は『おそめ 伝説の銀座マダム』『原節子の真実』(共に新潮社)などでさまざまな賞を受賞した売れっ子のノンフィクションライターだが、名のあるライターのインチキも筆者は知る。

 仰天したのが佐野眞一氏だ。2005年に尼崎市で起きたJR福知山線の転覆事故。発生直後から筆者が遺族宅を必死に回っていることを知った有名月刊誌に、佐野氏の「ゴースト」をやらされそうになった。断ったら後日、ある遺族宅で筆者の代わりに急遽、派遣されたライターと鉢合わせした。知人だった。佐野氏はこの知人の取材などを、さも自分が対面取材したかのように描写しており、「有名ライターってこんないい加減なことしてるんだ」と驚いた。この経験からも、筆者や古川さんを熱心に訪ねる石井氏は本物だと感じるのだ。

 本著は取材に3年半かけた力作だ。小池氏の「カイロ大学首席卒業」という触れ込みも、小池氏と同居していたカイロ市在住の日本人女性を訪ねて「詐称」と断じている。学歴に関して筆者は取材していないが、以前からも噂は絶えず、さまざまな記事を読むとどう見ても卒業したとは思えない。アラビア語も稚拙で石井氏は「中一レベルの英語でハーバードを首席卒業したと称しているようなもの」。それで「首席」「通訳」とは。

 有名会社の社長が学歴コンプレックスから学歴詐称するのは勝手かもしれない。しかし議員は公選法違反である。プロ野球の故野村克也監督の沙知代夫人も生前、国政選挙に出たが、学歴詐称がばれてオシャカになった。7月に投開票が迫った都知事選、「詐称」を否定して堂々と選挙公報に載せるのか。まあ、エジプトはかなりいい加減そうで、彼の地に手は打っている可能性もあるだろう。

 石井氏は、小池氏が「男性中心社会に泣く女性たちの味方」を演じながら、男に媚び「キレイどころを揃えました」などと言っていることも指摘する。男性でも女性でも、若い頃からしたたかに渡り歩く人はいくらもいる。手玉に取られるジジイどもが情けないだけの話だ。もちろん彼らも小池百合子という人間を利用したのだが……。

 小池氏を大臣や都知事、さらには「総理大臣候補」にまでのし上がらせた最大の責任者は「空虚なメディア」なのだ。とりわけ中身よりも「絵になること」を求めるテレビメディア。たとえば重要な会議の取材。多くは「頭取り」だけで退出させられ、都合の悪いことを隠した終了後の発表会見を報じる。しかし映像を見た人は会議が公開されているように見える。伝え手はそれで「一丁上がり」。若い頃からメディアに接し「記者なんてちょろいものだわ」と見下し、利用してきた小池氏。都知事選で追及されるであろう学歴詐称疑惑に、どう対処するのかが見ものである。

(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

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